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[自己分析2.0]自分を知るために使っているはずの「なぜ」があなたを苦しめる

今回は自己分析2.0シリーズ第2弾ということで、就活生の皆さんが自己分析をしてる際にやりがちな「なぜ」と自分に問うことが自分を苦しめるということについてお伝えしていきたいと思います。

今回の記事はこんな方にオススメです!
①自己分析してても、なんか自分のことがわかった気がしない
②自己分析すると自分に対してネガティブな感情ばかりになってしまう

それでは、「なぜ」の悪魔の使い方を知り、有意義な自己分析の時間を送りましょう!

自己分析2.0:自己分析における「なぜ」の危険性

皆さん、自己分析するとき
「自分はなぜあの時、このような感情を感じたんだろう」
という感じでなぜなぜ論法で自分に問いかけてはいませんか?

この問いかけをしている人は非常に無意味な自己分析を行っている可能性が高いです。

その理由は3つあります。

1つ目の理由は、「なぜ」を使うと自分の思考、感情、行動の原因検証において一番簡単でもっともらしい答えを探してしまうものだからです。

もはや、この事実に対して「なぜ」とツッコミを入れたくなると思うので、この事実の背景となった研究をご紹介します。

心理学者のドナルド・ダツトンとアーサー・アロンがカナダのある公園を訪れて2つある橋のうち1つの橋を渡ったばかりの観光客を対象に行った実験研究である。1つ目の橋はしっかりしていて特別恐怖は感じない。2つ目の橋は地面から70mも上空に架かる吊り橋である。それぞれの橋を渡り切った地点に魅力的な女性に立ってもらい、男性に対して簡単な調査を行い、もっと話したくなった場合に連絡するように電話番号を渡した。その結果、2つ目の橋を渡った人は、1つ目の橋を渡った人よりも38%もの人が多く電話をかけた。

この研究からいえることは、女性に電話をしてしまった本当の理由は吊り橋を渡っているときの恐怖が原因で生じた鼓動の早さや、口の渇き、手の汗ばみを女性に対してと間違って結び付けて考えてしまった可能性が高いということです。実際の男性たちのコメントは「電話したのは彼女が可愛かったから」であるが、それは一番この答えが理性的で論理的な説明だと感じたからにすぎません。

この研究からもわかるように「なぜ、○○を行ったの?」という問いに対して人は一番簡単でもっともらしい答えを考えてしまうのです。

さらに、この現象の怖いところは、一旦答えを見つけてしまうと人はその答えが正しいかどうか確証がないのに他の選択肢を見るのをやめてしまいます。
加えて、考えた答えは自分が認識する自己像を反映したものであるため、真実であると受け入れてしまいやすいのです。

自己分析の場合、自分の過去を振り返って考えないといけないことが多いので、一回「なぜ」と自分に問いかけて、「○○だから」と出た答えを鵜呑みにしている可能性が高いです。

2つ目の理由は、「なぜ」を使うと、楽をしたがる脳が私たちをミスリードさせてしまう可能性があります。

これは自分の人間関係を振り返るときに起きがちなことです。
人は直近のその人との出来事が一番際立った見解となりやすい(親近性効果という)ので、その人との関係性で直近起きた出来事が例外的なことだった際も、それを引きずります。

自己分析の場合、過去の友人との関係性を振り返るときに一番最後に会ったときの記憶が最悪だといくらそれまで仲の良い友人であったとしてもマイナス面を多くとらえた分析になる可能性があります。

3つ目の理由は、「なぜ」を使うと、精神に悪影響を与えるです。

ある研究で、知能テストだと聞かされて不合格になった学生達に、「なぜ」いまの気分になっているか書くように指示したところ、対照群に比べて、そうした学生は直後から落ち込みが大きく、12時間後も同じ傾向が続いた。原因を考え始めて、健康的で生産的な方法で考えるのではなく、事実を問題として捉え、自分を責めてしまった。

自己分析では、自分の落ち込んだネガティブな過去を振り返るときがあると思いますが、その時に「なぜ」を使ってしまうと生産的ではなく、無駄に落ち込む可能性が高いです。

「なぜ」を自己分析で使ったときのデメリットを3つ述べましたが、改めてまとめると、
①:「なぜ」を使うと自分の思考、感情、行動の原因検証において一番簡単でもっともらしい答えを探してしまう
②:「なぜ」を使うと、楽をしたがる脳が私たちをミスリードさせてしまう可能性がある
③:「なぜ」を使うと、精神に悪影響を与える

ここまで読んだ皆さんは、今まで自己分析をする際に、「なぜ」と問い続けていた自分が嫌になったと思います。

ですが、ここからは「なぜ」を使うのではなく、「なに」を使えばいいのか説明します。

この方法を用いている人は、自分をより良く理解することが可能になっており実際に自己認識が正確なので、就活を成功させています。

そんな就活市場に全くと言ってもいいほど、出回ってない新たな自己分析の問いの立て方をご紹介します。

自己分析2.0:「なぜ」ではなく、「どんな/なに」を使うべき

行うことは至ってシンプルです。今まで「なぜ」と問う部分を「どんな/なに」に変えて自分に質問してください。

「え?それだけ?何か違うはあるの?」

と思われた方も多いと思いますが、実際に研究で違いがわかっています。

性格テストの評価を行ってもらう前に参加者たちを「なぜ」自分がいまのような自分であるか考えさせるグループと自分が「どんな」人間であるか考えさせるグループに分けて実験をしました。
「なぜ」で考えさせられた学生は、ネガティブな評価に抵抗して、その評価を受け入れずに、評価を否定するために理屈づけし、自分を正当化して、間違っている理由を探そうとした。
一方、「どんな」と問われた参加者は自分をより良く理解する手助けになるかもしれないと考え、ネガティブな情報にもオープンになれ、受け入れることで自分についての新たな情報を得れた。

この研究からもわかるように
「なぜ」:自分を追い詰め、ネガティブな感情を引き起こし、自分を過去に閉じ込め
「どんな/なに」:自分の潜在的な可能性に目を向けさせてくれる、好奇心を引き出し、よりよい未来を作り出す手助けをしてくれる

したがって、「どんな/なに」を問うことによって、自分の感情をよりよく理解し、コントロールして、新たな自分を見つけていきましょう!

実際に自己分析では、ある出来事に対して「どんな感情をその時感じたか」、「その出来事の何の部分がその感情を引き起こす原因だったのか」といったかたちで自分に質問していくのがいいと思います!

最後に、注意点として「なぜ」はあくまでも自分に対して使うとこれまで述べてきたような悪影響があります。

ですが、「なぜ」という問いは基本的に自分の周りを理解する際には役立ちます。「どんな/なに」という問いは基本的に自分を理解する際に使い、「なぜ」はビジネスでの出来事の原因追及に使いましょう!

最後に

皆さんいかがだったでしょうか?
普段当たり前のように使っていた「なぜ」という言葉も使い方を間違えれば大きなデメリットが自分自身に生じてしまいます。

細かいことだなと思う方もいらっしゃると思いますが、このような細かい過ちの繰り返しが大きな差となって、皆さんの人生の命運を分けます。

そうでなければ、メティス自身もわざわざこんな約3000字も使って説明しません。

前回、そもそもの自己分析2.0ということで正しい自己認識のワークをご紹介しましたが今回はそのワークの質をより高めるためのティップスの1つとなっています。

これら全ては、皆さんの本音の部分にある「なるべく効率よく楽して就活を終えたい」という願望と建て前にある「いっぱい努力していい会社に就職しなきゃ」というギャップを埋める方法たちになっています。

なので、しっかり今回で学んだことを実践に活かして就職活動を成功させましょう!

次回は、実は就職活動時一番あなたの時間を奪っている?反芻思考の正体とその対策法についてご紹介したいと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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