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10年前に書いた映画短評に、自らコメントしてみる その5

以前書いた記事の、その5です。
昔の自分に頼って、いま記事を書いています。

『人のセックスを笑うな』

タイトルを見て、「おっ…」となりました。
ただ、セックスと言ってますが、内容としては恋愛と言い換えられます。
人の恋愛を笑うな。
女性と、男性になりかけの男の子と、女の子の恋愛模様が描かれています。いかにも邦画らしい雰囲気で、話がゆるゆると続きます。
面白いなぁーと思ったのは、「タバコ」や「コーヒー」や「甘いお菓子」などの登場アイテムが、その登場人物の“大人度”を反映していることです。
多分ですが。美術大学を舞台にしているところも、何か納得がいきました。
この映画をあまり良しとしない人は、真面目で理性的な社会人です。
多分ですが。
ぜひ観て欲しいです、そして、賛否ともに意見が欲しいです。

【コメント】
この映画の中の倫理観、昨今のご時世だとアウトなのかしら。
たった10年で。
でも、そのたった10年で、こんなタイトルに戸惑わなった僕。
ずいぶん大人になりました。

『ベロニカは死ぬことにした』

ネタばれですが、要するに自殺に失敗した女性が病院に入れられ、生きる意志を取り戻すというストーリー。
文学的で、ファンタジーで、ちょっと飛んでます。
中嶋朋子さんと、荻野目慶子さんがすごい。
そこだけかなぁ。

【コメント】
原作は、ブラジル人作家さんの小説らしいです。
小説を映像にするときに、どこまでどう描くかって難しいんだろうな。

『サトラレ』

過去に一度観て、人前で泣いてしまいそうだった映画を、改めてひとりで観ました。
前に観たときには気にしていなかったことが、今回色々とわかりました。
まず、本広監督×ROBOT製作だということ。
僕が好きな『踊る大捜査線』と同じです。
出てくる俳優さんもかなり被っています。
そして、オープニングがヘリコプター。
撮り方や間合いなど、あらゆるところで、『踊る大捜査線』と似ているというか同じです。
本広ワールドです。

【コメント】
二度目は、全然泣けなかったのを覚えています。
泣けないから泣きにいこうとしたのに、泣けなかったんです。
泣きにいこうとしている自分に対して、「こいつ泣きにいこうとしてるやん」と指摘する自分がいたからです。
フラットな状態で観ないとダメですね。

『インサイダー』

アル・パチーノとラッセル・クロウ。
実話を基にした作品ってことを、エンドロールを観て知りました。
いやー面白かった。
途中まではそうでもなかったですが、結果からみれば、構成上仕方ないかもしれません。
基本的には起承転結という構成ですが、細分化すれば、起承転転転転結。
葛藤、葛藤、葛藤、葛藤。
信条、信条、信条、信条。
僕は結局、カッコ良い男に憧れて生きています。
守るべき者を守るカッコ良さと、それを持たずに信じるままに攻めるカッコ良さ。
どっちもカッコ良いけど、後者に惹かれていると思います。

【コメント】
ストーリー自体は、いま観ても古臭くない映画だと思います。
でも、男臭さはあるんだろうな。
そして、その男臭さや、男が憧れる男の姿みたいなものは、もしかしたら10年経って、古臭い考えになっているかもしれません。
もうそろそろ「男臭い」という言葉もなくなるのかしら。

今回はコメントを書きながら、また10年という年月の経過を感じました。
生きているほうからすれば、境目なんてなくて、ずっと地続きだけど、これからさらに時間が経過し、映画界でも「○○期」「▲▲期」みたいな分類分けがされるのかもしれません。

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