はちすな

自分に起こった出来事を物語にしたくて、書いてみようと思いました。 時代が行ったり来たり…

はちすな

自分に起こった出来事を物語にしたくて、書いてみようと思いました。 時代が行ったり来たりしますが、昔を思い出しながら楽しく書き始めます!

最近の記事

「ハチマキと砂時計」⑥17歳の引退試合

陸上部の引退試合は、6月のT校戦。 絶対に見に行こうと決めていた。 そんなことができる立場ではない。 わかっていたけど、 どう思われてもいいから 最後の佐野くんの走る姿を見たかった。 それは、高校に入学してすぐに 佐野くんを好きになって 頑張って!一番になって! という思いで応援してきた私の 勝手な使命感だった。 「今日もハチマキしてたよ」 と教えてくれていた子は、佐野くんのことが 好きだった。 他にも何人か、佐野くんを好きな子はいた。 だから、私が行ったらヒンシュク

    • 穴があったら入りたい

      もう半年以上たつのに あの日のことを思い出すと 穴があったら入りたいほど 恥ずかしい あなたはすっかり忘れているか 大して気にしてもいないこと あなたは私のことを馬鹿にしたり 絶対にしないし ただちょっと心配そうに 見ているだけ だったら、私だけ ずっと恥ずかしいままでいい これからもずっと ふと思い出しては ああ!もう! 私ったらなんてことを、、、 チクショー!! と落ち込む それを何とも思わない 私になりたくないし、 あの日の自分も 可愛いなと思うから 超えたい

      • 終わりと始まり

        今年の最後の日 どう過ごしてますか? 私はあなたの住んでいる町に 行った日のことを思い出しています。 初めて一緒に歩いた道は、 きっともう何回も通っただろうな 一緒に見た青くて若い10月の クリスマスツリー まだあの場所にある? 「もう彼女できたんですか」 って店員さんにからかわれたお店にも また何回も行っていて 「この前と違う人ですね」 とか言われてたりして。 ブラブラと歩いていた橋の上でみつけた 小さいお城 あの場所からのお城の姿はレアなんだって。 あなたは

        • 同じ日のバースデー

          お誕生日おめでとう 言ってあげたのかな 彼女の今日のTwitter 寂しいんだよ あなたの声が聴きたいんだよ 私にはわかる あなたのことがずっと長い間 彼女も私も、好きなんだもの 早く戻ればいいのに 彼女のところへ ハッピーバースデー あなたから、彼女へ届くかな 一緒に風に乗って私のところにも 届けばいいのに 同じ日のバースデー これはただの偶然? やっぱり私も あなたの声が聞きたいな

        「ハチマキと砂時計」⑥17歳の引退試合

          2022年のクリスマス

          あなたの住んでいる南の国も 12月はとても寒いみたい 昨日、雪が降ってたよね 今日もも雪が降ってくれたらいいのに ヒラヒラと桜の花びらのように あなたの肩に落ちてくる雪 「あっ、雪だ」 それは私だよ! 私の名前 誰と一緒にいるだろう 友達と一緒に遊んでる ひとりで部屋で飲んでいる まさか誰か女の人と一緒 どれでもいいや。 穏やかな気持ちで 過ごしていたら。 笑顔でいたら。 私は、まだ暑かった10月に 2人で歩いた長い道を思い出しながら 過ごすいつものクリスマ

          2022年のクリスマス

          「ハチマキと砂時計」④野生のカモシカ

          「社会人の区民大会に出るから、見に来なよ」 佐野くんに言われたので、 よく晴れた寒い4月の日曜日、早起きして駒沢競技場へ行った。 佐野くんは幅跳びの選手で、 高校の時は、都大会で7位とか8位とかのいい成績を出していた。 「遊びだからね。 1年間全くやってないし。」 8時過ぎに着いたら 見覚えのあるウインドブレーカーを着て、すでにアップをしていた。 広い駒沢競技場に人は少なく 趣味で陸上を楽しむ人たちの集まりみたいだった。 佐野くんともう1人、キャプテンだった大村がい

          「ハチマキと砂時計」④野生のカモシカ

          「ハチマキと砂時計」③再会の春の多摩川

          大学1年の2月 浪人していた佐野くんから、弾んだ声で電話があった。 「合格したよ!よろしくね。教科書下さい」 まさか!! 同じ大学の同じ学部で一緒になるなんて こういう再会ってあるんだね。 数週間後 佐野くんのうちの近くでふと思い出して 電話をしてみた。 「暇で死にそうだったよ!」 そういってすぐに自転車で佐野くんが来た。 何度か予備校に通う姿を、朝のラッシュの渋谷で見かけていた 一度だけ「頑張って」と声をかけたら、 あっ、という顔をして、そのまま 人混みで、反対方

          「ハチマキと砂時計」③再会の春の多摩川

          ハチマキと砂時計②卒業写真

          高校の卒業式で、撮った写真がある 卒業証書と花束を持ったふたり 佐野くんは、すごく嫌そうな顔をしてる。 1年生のとき陸上部の佐野くんに ハチマキを作ってあげたことから なんとなく始まったような恋は 2人で会うこともできずに何ヶ月も過ぎた 何も言ってくれない佐野くんに 痺れを切らせた私が、 佐野くんをほったらかしにして その時好きだと言ってくれた人と 付き合った。 佐野くんは怒りもしないし、追っても来ない。 「わかった」とだけ言って、 私の前から去ってゆく。 当たり前

          ハチマキと砂時計②卒業写真

          ハチマキと砂時計①愛に行った日

          サンロード新市街の入口で 私は佐野くんを待っている。 こんな遅い時間の待ち合わせは初めてだ 市民会館でライブが終わって、真っ先に会場を出た。 南国の鮮やかな色の花が まだ暑い10月の夜の風にゆらめいて 目の前を路面電車が通り過ぎる。  この町は佐野くんの日常で、私の非日常。 「自転車ですぐだから、終わったら行こうか」 と言われたときは、ちょっと驚いた  佐野くんは安心している 私を信頼している 私は何の不安もなく覚悟もしなくてよくて、 初めて来る南の町で佐野くんに

          ハチマキと砂時計①愛に行った日

          note書き始め

          私は文章を書くのが大好きです。 小学生の頃、日記をつけてました。ほぼ好きな男の子の話。こんなこと言われた、こんなことで遊んだ、みたいな話。 小6の時に、母に見られて「見ちゃった。ごめんね」と言われた時、怒ってしばらく書かなかった時期以外は20代後半で結婚するまで、ずっと書いてました。 好きな人を思う、自分の気持ちと向き合う大切な時間でした。 新卒で入った会社の上司に、 「君は文章を書くのがうまい。将来は物書きになりなさい」と言われた言葉は、忘れません。 もちろん物書きなどには

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