【R18小説】『ガチムチ系年下サラリーマンと大衆食堂で働くポチャ系アラサー女子の恋ものがたり~27』
*桃乃の告白~(27)
***
(……ああ、もう。どうして、わたしって、いつもこうなのかしら……)
と、いつも、かんじんなときになると、緊張して、ドジをしてしまい、なかなかうまくいかない不器用なじぶんが悲しくなり、おもわず、目のまえがまっくらになるほどの自己嫌悪におちいってしまいましたが、それでも、やっぱり
(……でも、かといって、このままだまってるわけにもいかないし……)
と、おもったので、ないしん
(どうしよう……)
と、とまどいながらも
(……と、とにかく、なにか、いわなくちゃ……)
と、おもい、なんとか、ふるえている声をふりしぼり
「……えっと、その、ち、ちがうの。そうじゃないの……その……そうじゃないけど……でも……」
と、じぶんでも、なにをいってるのかわからないくらい、なさけない声で、しどろもどろになりながらも、それでも、なんとか、じぶんの想いを大介さんにつたえようとしましたが、それでも、やっぱり、そのきもちだけがさきばしって、からまわりしてしまい、やっぱり、うまくいうことができなかったので、わたしは、そんなじぶんのことを
(……わたしって、やっぱり、だめだな)
と、おもい、そして
(……ああ、もう……どうしたらいいの……)
と、ちょっぴり泣きそうなきぶんになりながら、大介さんに顔をみられないよう、まぶたをふせたまま、もごもごとくちごもっていましたがーーすると、そのとき、大介さんのおおきな手のひらにつつまれるように、指のあいだで、かさなりあっている、わたしの指が、ふっと、かるくなるのをかんじてーー
〈つづく〉
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?