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膝が不安定だといいパフォーマンスは発揮できない

こんにちは。

今回は膝のStabilityについてお話していきます。

Stabilityの説明はこちらをご覧ください。


Stabilityと対になる膝のMobilityに関する話はこちら。


では、まず脚のStabilityとしての役割から考えていきます。


脚のStabilityの役割
・身体の支持:立つ、座る、ある姿勢で止まる
・上半身の動きを安定させる:腕を動かす、投げる、打つ
・衝撃の吸収:着地する


いずれも、体重がかかっている状態で考えています。

膝の役割も基本的にはここに準じています。

それぞれの項目から詳しくみていきましょう。


・身体の支持
ここでは、膝が真っ直ぐ伸びてるパターンと曲がっているパターンに分けられます。

膝が真っ直ぐ伸びいる場合、骨の配列が縦に積み重なっており、基本的にはそんなに力(筋収縮)を必要としません。

本来、長い棒が2つ積み重なるってかなり不安定ですから(ポッキー2つ縦に重ねるって難しいですよね?)、それを支える周りの組織(靭帯や関節包などの非収縮性組織)が十分に機能している必要があります。

逆に、少しでも膝が曲がって立っている場合は大変です。

細長い2本の「く」の字の棒にくっついた重たい上半身を支えるためには大きな力が必要です。

よって、主に大腿部の大きな筋肉の強い収縮が求められます。



・上半身の動きを安定させる
上半身の動く土台として脚が働きますが、この時脚は全く動かないわけではありません。

腕を上げて洗濯物を干す時も、上半身の位置に応じて脚が動いて重心をコントロールしてくれています。

特に膝は大きな力を生み出せるため、投げるや打つなど、上半身の大きな力を最大限に活かすときに大切な働きをします。

大砲って遠くに弾を飛ばすために土台がしっかりしていますよね?

大きなエネルギーが発生するとき、そこに止まるにはそれと同じくらい大きなエネルギーが必要です。

大砲が弾のエネルギーに負けないくらい重たく作られているように。

速い球を投げる、遠くに打ち返すには、上半身のエネルギーに耐えうるだけのパワーが必要なので、大きな力を生み出せる膝や股関節にはStabilityが求められるのです。

動きの中で発揮するStability、動的安定性とも言います。

また、ここでは大切な役割がもう一つあります。

それはエネルギーを逃がさず伝達することです。

例を出すので考えてみましょう。

バッティングで足から始動した回転の動きを効率よく上半身へ伝えるために、膝はどうしていれば良いでしょうか?

①曲がっていて動けるような柔軟性をもつ
②曲がっていて動かないように固めておく



①のように曲げ伸ばしできてしまうと、せっかくの足からの回転エネルギーが分散されてうまく伝わりません。

膝は基本曲げ伸ばししかしない関節のため、回転エネルギーを生み出すには向いていないのです。

②のように動かないことで土台として強い力で支えつつ、足から伝わるエネルギーを上半身に伝えていくことが大切です。



・衝撃の吸収
大きな力を生み出す膝は、大きな力を相殺することも可能です。

その一つが着地です。

体操選手はどんな時もちょっと膝を曲げて着地してから体が伸びているはずです。

あとは、ダッシュから止まる時も膝が大きな力を打ち消していますね。


今日はここまで。


次回、膝のMobilityとStabilityをさらっとまとめて評価に移りましょう。

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