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短歌

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#文学

「Nutrition」揺川たまき〈短歌9首連作〉

「Nutrition」揺川たまき〈短歌9首連作〉

クレープのサンプルは夜にひらかれて優しいゆびさきを待っている

買いもしない葡萄の粒はつやめいて開店前の冷えた朝日に

マカダミアナッツほろほろ崩れてく口の中 これ、洗脳みたい

誕生日ケーキの上のロウソクを消すのってなんか縁起悪くない?

ピザ屋まで 3キロ歩く ピザ食うたびこの日のことを思うんだろう

ねむれない 卵焼き色のライオンのぬいぐるみは嘘だけどかわいい

天体ショーはショーではなくて

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「夏の公園」揺川たまき〈短歌25首連作〉

「夏の公園」揺川たまき〈短歌25首連作〉

入口にいつものコートがないせいで突然冬が終わってしまう

退職するひととしてきょうはお菓子とか紅茶をもらいニコニコしてみる

退勤のボタンを押すと機械からよろしいですかとやや責められて

終業のビルからふたり吐き出され目と目に分かち合うおなじ月

仕事から仕事終わりへ 前髪をわざと狂った風にあそばす

雑踏で押されてすこしふらつくと胸の小石がからころと鳴る

上澄みの夜を飲み込むわたしたちバイト終

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