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019  筱爺叔

松江区の無形文化遺産料理。

【お勧めシーン】 4〜5人以上での食事、宴会
【こんな人に】 上海の伝統料理を食べたい、大人数で利用したい、閔行区や松江区方面に用事がある、行列OK、地元人気重視

浙江省や江蘇省の影響をあまり受けていない、伝統的な上海料理が残っている地域といえば、浦東の三林、小籠包発祥の地と言われる嘉定区の南翔。それと松江区が有名。
今回ご紹介する「筱爺叔」は、松江区の無形文化遺産料理を出しているお店。区内に5店舗あるそうなのだけど、松江区、金山区方面へ車で行くとき、高速道路から見える巨大建物「G60科創雲廊」(ラファエル・ヴィニオリが設計)がずっと気になっていたので、見学ついでにこの建物内の店舗に行ってみた。
地下鉄の駅からも遠い郊外なのに店内は大賑わい。料理は、オープンキッチンの前に並んだ食材を選んでオーダーするシステムで、どれも巨大大皿料理。なので、一人ご飯は絶対無理なお店です。
お勧めは「招牌醤焼勾魂魚」(149元)。魚の鍋は普段の選択肢には全然入らないけど、これは別格のおいしさ。生簀から出したばかりの淡水魚を、手作りの豆腐、野菜などと味噌ベースのスープで煮込んだ巨大鍋で、魚は臭みゼロでふっくら。煮込んでも崩れない硬さの豆腐も旨味が凝縮されていて、味噌系のスープにぴったりです。この豆腐は、清代から松江区の九亭で作られていたのと同じ製法のものだそう。

「招牌醤焼勾魂魚」(149元)。4〜5人以上で囲みたい。

そのほか、キッチン前には野菜や肉、魚がずらりと並んでいるので、オーダーによっていろいろな料理にアレンジしてくれる。
松江区の料理の特徴は、地産素材の味を生かした濃厚でしつこさのない味付け。一般的な上海料理に比べてあっさりしている感じ。調理法は「焼(炒め煮)」、「生煸(下処理せずに炒める)」、「蒸」が主で、使われる食材はご当地野菜、米、大豆製品、淡水の魚介類、家禽、豚だそう。
一口に上海料理と言っても地域によっていろいろある。制覇、してみたいなぁ。


<これもお勧め>

「砂鍋焗韮黄」(33元)。黄ニラの土鍋炒め。店員さんがテーブルで生のニラを炒めてくれる。おいしすぎてお代わりした。
「爺叔稲草焼肉」(89元)。甘辛だれで煮込んだ豚バラ肉。崩れないよう稲で結んである。
「芋艿蒸蛏子」(39元)。マテ貝と里芋のネギ醤油蒸し。お酒を頼んだらこれ。
「松江軟糕」(30元)。米粉の蒸し餅。中はこし餡。なぜか止まらないおいしさ。テイクアウトして家で蒸して食べても止まらないおいしさだった。甘いものが苦手でもぜひ。

<DATA>
上海市松江区莘砖公路239号「G60科創雲廊」一期3号楼1階
地下鉄1、5号線「莘庄」駅からタクシーで約15分
10:30-14:00 16:30-20:30
☆食事時は行列ができるので、16時半より前に行って整理券をもらい、「G60科創雲廊」内を散策して時間を潰すのがお勧め。電話予約不可。

(掲載日:2024年2月18日)
※メニュー内容、メニュー名、値段、店舗の外観や内装は掲載日の時点のものです。

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