2021年の出来事と読んだ本と観た映画と年末と

 今年はほぼすべてを11月8日の父の急死が持っていった感があり、なにがあったかを今年のブログ記事のタイトルを眺めながら思い出さなければならない始末。2月に『在日朝鮮人民族教育闘争資料集』を購入して気合いを入れる。3月に金達寿展のために横浜へ行くことを計画していたもののcovidの影響で中止になり、かといってホテルのキャンセル料を払うのも癪なので、東京新大久保の高麗博物館へ行くために向かったのが今年だった。ひょっとしたらこのときにクレインの文氏にお会いできていたかもしれないが、またの機会ということで。文氏には『地の骨──安岡伸好作品集』を、返すのは存分に活用してからでいいと言って貸していただいて、たいへんお世話になっている。来年になにかひとつでも活用できればいいが。9月には初の「バズり」というやつを経験し、いくつかのまとめサイトにもまとめられている。そして11月に例のことが起こったわけだが、なかなか面倒なことがつづいて、来年にもいろいろと持ち越すことになりそう。
 作品は『白鴉』32号に短篇小説「呪われて死ね」を発表。ポエトリーリーディング用に書いた詩「椅子がない」を詩のフェスタひょうごで朗読したり。当初は『babel』5号に載せる予定だったが、休会したため、発表予定はなし。タイトルは変えたほうがいいといろんな人に言われているので変えるつもり。昨年末に書いたZINEは企画が中断されており、今後どうなるかは不明。11月までに40枚程度の作品を2本という話は4月までに30枚程度の作品を3本に変わり、延びて助かったと油断していたら現在、堂々と出せる状態の作品は1作のみ。これはやばい。
 今年は多方面へ多大な迷惑をかけてばかりだったので、来年はおとなしくすることにして、公募に出そうと思ってたけどやっぱり白鴉用に、と考えていた作品で個人誌を出すにとどめるか、どうか。
 今年の読書量は59冊。昨年より1冊マイナス。尹健次を読むのが楽しくて、生まれ変わったら歴史家になろうとか考えた。12月10日から金石範『火山島』を読みはじめる。過去にあまりにも金がなくて換金した平凡社の『金石範作品集Ⅰ』も買い戻したし、Ⅱも近々届くし、来年は金石範からはじまるのだと思う。
 映画の観賞回数は104回。これを書いている現在は30日だが、31日に予定している『キングスマン──ファースト・エージェント』を観たら105回。昨年は136回。11月8日以来、いろいろやることがありすぎたりなどで行けていなかったのが大きい。
 いろいろありすぎていろいろ忘れかけていたが、2月に京セラ美術館で、2015年に東京で開催されたけど行けなかった、武蔵野美術大学と朝鮮大学校美術科による合同展「突然、目の前がひらけて」がふたたび再現され、あの橋を渡ることもできた。たぶん2015年時点よりも2021年時点で渡ったほうが私としては感慨が深いものであったことはまちがいないと思う。


 2021年の本と映画の記録。2020年はこちら

読了本59冊

瀬戸賢一『書くための文章読本』(集英社インターナショナル新書)
チョン・セラン『フィフティ・ピープル』(亜紀書房)
朴泰遠(パク・テウォン)『川辺の風景』(作品社)
ZEEBRA『ジブラの日本語ラップメソッド』(文響社)
紅野謙介/内藤千珠子/成田龍一 編『〈戦後文学〉の現在形』(平凡社)

『babel』4号
趙景達『近代朝鮮と日本』(岩波新書)
河崎秋子『颶風の王』(角川文庫)2回目。
岡谷公二『伊勢と出雲──韓神と鉄』(平凡社新書)
中沢茂『太陽叩き』(北方文芸刊行会)

金達寿『前夜の章』(東京書林)
金達寿『わがアリランの歌』(中公新書)
アントン・チェーホフ『ワーニャ伯父さん/三人姉妹』(光文社古典新訳文庫)
『沙流川──鳩沢佐美夫遺稿』(草風館)
『金史良作品集』(理論社)

李里花 編『朝鮮籍とは何か──トランスナショナルの視点から』(明石書店)
中村一成『ルポ 思想としての朝鮮籍』(岩波書店)
文京沫『在日朝鮮人問題の起源』(クレイン)
李良枝『由煕/ナビ・タリョン』(講談社文芸文庫)
崔実『pray human』(講談社)

宇佐美りん『推し、燃ゆ』(河出書房新社)
金泰生『骨片』(創樹社)
鷺沢萠『帰れぬ人びと』(講談社文芸文庫)
李静和『新編 つぶやきの政治思想』(岩波現代文庫)
李良枝『刻』(講談社文芸文庫)

鷺沢萠『君はこの国を好きか』(新潮文庫)
柳美里『JR上野駅公園口』(河出文庫)
深沢潮『海を抱いて月に眠る』(文春文庫)
廣野由美子『小説読解入門──「ミドルマーチ」教養講義』(中公新書)
鷺沢萠『葉桜の日』(新潮文庫)

鷺沢萠『駆ける少年』(文春文庫)
鷺沢萠『ハング・ルース』(河出文庫)
鷺沢萠『さいはての二人』(角川文庫)
鷺沢萠『私の話』(河出文庫)
三原芳秋/渡邊英理/鵜戸聡 編『[クリティカル・ワード]文学理論──読み方を学び、文学と出会いなおす』(フィルムアート社)

小柏裕俊『モンタージュ小説論──文学的モンタージュの機能と様態』(水声社)
古井フラ『静けさを水に、かきまわす』(フルフラ堂・私家版)
『金時鐘詩集選 境界の詩──猪飼野詩集/光州詩片』(藤原書店)
『地の骨──安岡伸好作品集』(喜界町文化協会)
『白鴉』32号

『深沢夏衣作品集』(新幹社)
金蒼生『風の声』(新幹社)
金時鐘『背中の地図』(河出書房新社)
尹健次『孤絶の歴史意識──日本国家と日本人』(岩波書店)
アーシュラ・K・ル=グウィン『文体の舵をとれ──ル=グウィンの小説教室』(フィルムアート社)

『赤い実──金蒼生作品集』(行路社)
西井開『「非モテ」からはじめる男性学』(集英社新書)
『ヴァージニア・ウルフ短篇集』(ちくま文庫)
レベッカ・ソルニット『ウォークス──歩くことの精神史』(左右社)
北村紗衣『批評の教室──チョウのように読み、ハチのように書く』(ちくま新書)
トム・ストッパード『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(ハヤカワ演劇文庫)

イブラム・X・ケンディ『アンチレイシストであるためには』(辰巳出版)
グカ・ハン『砂漠が街に入りこんだ日』(リトルモア)
W.E.B.デュボイス『黒人のたましい』(岩波文庫)
澤田晃宏『ルポ 技能実習生』(ちくま新書)
『星座盤』vol.15
深沢潮『縁を結うひと』(新潮文庫)

黒島伝治『橇/豚群』(講談社文芸文庫)
尹健次『日本国民論──近代日本のアイデンティティ』(筑摩書房)
金石範/金時鐘『増補 なぜ書きつづけてきたか なぜ沈黙してきたか── 済州島四・三事件の記憶と文学』(平凡社ライブラリー)
塚本勲『朝鮮語を考える』(白帝社)


映画観賞回数105回

『その男、東京につき』(岡島龍介)シネ・リーブル梅田
『羅小黒戦記』(MTJJ)第七藝術劇場
『チャンシルさんには福が多いね』(キム・チョヒ)シネ・リーブル梅田
『殺人者の記憶法』(ウォン・シニョン)シネマート心斎橋
『香港画』(堀井威久麿)第七藝術劇場

『分断の歴史──朝鮮半島100年の記憶』(ピエール=オリビエ・フランソワ)第七藝術劇場
『新感染半島──ファイナル・ステージ』(ヨン・サンホ)シネマート心斎橋
『ヒッチャー』(ロバート・ハーモン)シネマート心斎橋
『KCIA──南山の部長たち』(ウ・ミンホ)シネマート心斎橋
『私をくいとめて』(大九明子)テアトル梅田

『おらおらでひとりいぐも』(沖田修一)塚口サンサン劇場
『ミセス・ノイズィ』(天野千尋)通算2回目。第七藝術劇場
『ロックンロール・ストリップ』(木下半太)第七藝術劇場
『Swallow/スワロウ』(カーロ・ミラベラ・デイビス)シネマート心斎橋
『スタントウーマン──ハリウッドの知られざるヒーローたち』(エイプリル・ライト)MOVIX尼崎

『花束みたいな恋をした』(土井裕泰)テアトル梅田
『ノンストップ』(イ・チョルハ)シネマート心斎橋
『ウォーデン──消えた死刑囚』(ニマ・ハヴィディ)第七藝術劇場
『ジャスト6.5──闘いの証』(サイード・ルスタイ)第七藝術劇場
『藁にもすがる獣たち』(キム・ヨンフン)シネ・リーブル梅田

『海炭市叙景』(熊切和嘉)通算3回目。第七藝術劇場
『カポネ』(ジョシュ・トランク)シネ・リーブル梅田
『あのこは貴族』(岨手由貴子)テアトル梅田
『すばらしき世界』(西川美和)大阪ステーションシティシネマ
『野球少女』(チェ・ユンテ)大阪ステーションシティシネマ

『プラットフォーム』(ガルダー・ガステル=ウルティア)シネマート心斎橋
『あのこは貴族』(岨手由貴子)2回目。テアトル梅田
『あのこは貴族』(岨手由貴子)3回目。オーディオコメンタリー上映。テアトル梅田
『夏時間』(ユン・ダンビ)テアトル梅田
『地獄の警備員』(黒沢清)第七藝術劇場

『世紀の光』(アピチャッポン・ウィーラセタクン)第七藝術劇場
『光りの墓』(アピチャッポン・ウィーラセタクン)第七藝術劇場
『ジャンク・ヘッド』(堀貴秀)第七藝術劇場
『あのこは貴族』(岨手由貴子)4回目。テアトル梅田
『スタイル・ウォーズ』(トニー・シルバー)シネマート心斎橋

『ミナリ』(リー・アイザック・チョン)TOHOシネマズ梅田
『ノマドランド』(クロエ・ジャオ)TOHOシネマズ伊丹
『騙し絵の牙』(吉田大八)TOHOシネマズ伊丹
『ザ・バッド・ガイズ』(ソン・ヨンホ)シネマート心斎橋
『街の上で』(今泉力哉)テアトル梅田

『街の上で』(今泉力哉)2回目。テアトル梅田
『水を抱く女』(クリスティアン・ペツォールト)テアトル梅田
『異邦人』(ルキノ・ヴィスコンティ)シネ・リーブル梅田
『狼をさがして』(キム・ミレ)シネ・ヌーヴォ
『海辺の彼女たち』(藤元明緒)シネ・ヌーヴォ

『ハイゼ家 百年』(トーマス・ハイゼ)第七藝術劇場
『アメリカン・ユートピア』(スパイク・リー)TOHOシネマズ西宮OS
『一体何故この連中の映画を作るのか?』(トーマス・ハイゼ)第七藝術劇場
『家』(トーマス・ハイゼ)第七藝術劇場
『逃げた女』(ホン・サンス)シネ・リーブル神戸

『人民警察』(トーマス・ハイゼ)第七藝術劇場
『逃げた女』(ホン・サンス)2回目。シネ・リーブル神戸
『王の願い──ハングルの始まり』(チョ・​チョルヒョン)シネマート心斎橋
『スレイト』(チョ・バルン)シネマート心斎橋
『サムジンカンパニー1995』(イ・ジョンピル)シネマート心斎橋

『逃げた女』(ホン・サンス)3回目。シネ・リーブル梅田
『東京クルド』(日向史有)第七藝術劇場
『ペトルーニャに祝福を』(テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ)テアトル梅田
『ゴジラvsコング』(アダム・ウィンガード)塚口サンサン劇場
『寛解の連続』(光永惇)シアターセブン

『街の上で』(今泉力哉)3回目。第七藝術劇場
『コインロッカーの女』(ハン・ジュニ)シネマート心斎橋
『ライトハウス』(ロバート・エガース)大阪ステーションシティシネマ
『海辺の彼女たち』(藤元明緒)2回目。シアターセブン
『最後にして最初の人類』(ヨハン・ヨハンソン)シネ・リーブル梅田

『アウシュヴィッツ・レポート』(ピーター・ベビャク)シネ・リーブル梅田
『プロミシング・ヤング・ウーマン』(エメラルド・フェネル)TOHOシネマズ梅田
『僕の帰る場所』(藤元明緒)シアターセブン
『ブラック・ウィドウ』(ケイト・ショートランド)シネ・リーブル梅田
『ザ・スーサイド・スクワッド──“極”悪党、集結』(ジェームズ・ガン)MOVIX尼崎

『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介)シネ・リーブル神戸
『孤狼の血 LEVEL2』(白石和彌)大阪ステーションシティシネマ
『フリー・ガイ』(ショーン・レヴィ)大阪ステーションシティシネマ
『シュシュシュの娘』(入江悠)第七藝術劇場
『ベイビーわるきゅーれ』 (阪元裕吾)シネ・リーブル梅田

『ホロコーストの罪人』(エイリーク・スベンソン)シネ・リーブル梅田
『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』(アミール・“クエストラブ”・トンプソン)シネ・リーブル神戸
『アナザーラウンド』(トマス・ヴィンターベア)シネ・リーブル神戸
『ある用務員』(阪元裕吾)シネマート心斎橋
『ベイビーわるきゅーれ』(阪元裕吾) 2回目。シネマート心斎橋

『ベイビーわるきゅーれ』(阪元裕吾) 3回目。シネマート心斎橋
『君は永遠にそいつらより若い』(吉野竜平)テアトル梅田
『白頭山大噴火』(イ・ヘジュン/キム・ビョンソ)シネマート心斎橋
『ベイビーわるきゅーれ』(阪元裕吾) 4回目。シネマート心斎橋
『黄龍の村』(阪元裕吾)第七藝術劇場

『琵琶法師 山鹿良之』(青池憲司)第七藝術劇場
『由宇子の天秤』(春本雄二郎)テアトル梅田
『草の響き』(斎藤久志)テアトル梅田
『MINAMATA』(アンドルー・レヴィタス)大阪ステーションシティシネマ
『最後の決闘裁判』(リドリー・スコット)MOVIX尼崎

『PITY──ある不幸な男』(バビス・マクリディス)シネ・リーブル梅田
『コレクティブ──国家の嘘』(アレクサンダー・ナナウ)シネ・リーブル梅田
『かそけきサンカヨウ』(今泉力哉)テアトル梅田
『最強殺し屋伝説 国岡【完全版】』(阪元裕吾)第七藝術劇場
『ミッドナイト・トラベラー』(ハッサン・ファジリ)シアターセブン

『ベイビーわるきゅーれ』(阪元裕吾) 5回目。シアターセブン
『トーベ』(ザイダ・バリルート)シネ・リーブル梅田
『バケモン』(山根真吾)第七藝術劇場
『007──ノー・タイム・トゥ・ダイ』(キャリー・フクナガ)塚口サンサン劇場
『エターナルズ』(クロエ・ジャオ)TOHOシネマズ伊丹

『BLΛↃKPIИK THE MOVIE』(オ・ユンドン/チョン・スイ)塚口サンサン劇場
『ラストナイト・イン・ソーホー』(エドガー・ライト)MOVIX尼崎
『ダーク・ウォーターズ──巨大企業が恐れた男』(トッド・ヘインズ)大阪ステーションシティシネマ
『ドント・ルック・アップ』(アダム・マッケイ)シネ・リーブル梅田
『キングスマン──ファースト・エージェント』(マシュー・ヴォーン)アースシネマズ姫路


展覧会

京都朝鮮中高級学校美術部&OB・OG展「Rapport 彩る心」展(京都市国際交流会館)
「平成美術 うたかたと瓦礫(デブリ)」展(京セラ美術館)
大阪朝鮮中高級学校美術部展「おかえり」展(ギャラリーKONOMURA)
金明和個展「CONTEXT」(同時代ギャラリー)
在日朝鮮学生美術展2021(東大阪市民美術センター)

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