『在日朝鮮人民族教育擁護闘争資料集』と安岡伸好と『地の骨』とクレインと楠田書店と

 さいきん書いている作品で取り扱っている(これからも何度か取り扱うだろう)ことがらについて調べているうちに明石書店の『在日朝鮮人民族教育闘争資料集』を知り、2巻揃えを半額以下で入手していたが、そこから安岡伸好という喜界島出身の小説家を知り、とくに阪神教育闘争事件についても扱っていたという「遠い海」という作品が気になっていたのだったが、今月8日、2016年に『地の骨──安岡伸好作品集』が喜界町文化協会から発行されていたことを知った。これを2018年に図書出版クレインの文氏が購入されていて、奄美大島の楠田書店から購入したらしいので私も問い合わせてみたものの出版社品切れということで、文氏のご厚意に甘えさせていただいて、貸していただいた。いま読んでる小柏裕俊『モンタージュ小説論――文学的モンタージュの機能と様態』(水声社)を読み終えたら読みはじめる予定。ちなみに貸していただくことが決定した次の日に『遠い海』が大阪府内の某図書館にあることが判明したのだったが、いつも使っている図書館に転送してもらって借りるのがいつできるか不明なので、どちらにしろありがたい。ありがとうございます。
 それにしてもこの安岡伸好氏、大江健三郎が「飼育」で獲ったときに芥川賞候補になっており、あまりにも相手が悪かったなと。某サイトを見る限り、わりと健闘していた感じがする。そりゃ「飼育」が同時にあったらだいたいの作品は霞むわな。
 ちなみにこの書いている作品についてはこんどの土曜日に行なわれる白鴉の例会で合評される予定。調べていたこの「ことがら」にまつわる出来事についてちゃんと仕上げておきたかったけど間に合わず、まあ仕方ない。そんな簡単に書けてたまるかということではあるし。

 すこしまえから評判を聞いていて、上映開始したらぜひ観てみたかった『逃げた女』がシネ・リーブル神戸で観られるというので観に行き、これはと感じてパンフレットを購入して自分の解像度を上げた状態で2回目を観に行った。やはり最高だった。こういうふうな短篇小説を書きたいものだなあと。主演のキム・ミニがどこかで何回もお見かけしてるような顔だちだなあと思った。

さいきん読み終えた本
鷺沢萠『ハング・ルース』(河出文庫)
鷺沢萠『さいはての二人』(角川文庫)
鷺沢萠『私の話』(河出文庫)
三原芳秋/渡邊英理/鵜戸聡 編『[クリティカル・ワード]文学理論──読み方を学び、文学と出会いなおす』(フィルムアート社)

さいきん観た映画
『アメリカン・ユートピア』(スパイク・リー)TOHOシネマズ西宮OS
『一体何故この連中の映画を作るのか?』(トーマス・ハイゼ)第七藝術劇場
『家』(トーマス・ハイゼ)第七藝術劇場
『逃げた女』(ホン・サンス)シネ・リーブル神戸
『人民警察』(トーマス・ハイゼ)第七藝術劇場
『逃げた女』(ホン・サンス)2回目。シネ・リーブル神戸

さいきん行った展覧会
金明和個展「CONTEXT」(同時代ギャラリー)

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