vol.3 モラルのない経営
企業不祥事が後を絶ちません。ニュースにならないものも含めるとどの企業においても大小さまざまな不祥事を抱えているのかもしれません。ここ最近のニュースで目立ったものはつぎのとおりです。
どれも有名な企業ばかりですが、がっかりします。
■モラルを軽んじる卑しい人間による経営
会社の存続という大義名分のためなら、人としてやってはいけないことも許されると考えている経営者が世の中には多いのかもしれません。
法律違反をしていてもバレなければそれでよし、発覚したら見解の相違だと体面を保てればそれでよし。まったく卑しい考えだと思います。
大企業なので、不祥事があっても今すぐ破綻するようなことはないでしょうし、消費者もすぐに忘れてしまうかもしれませんが、三つ子の魂百までですから他のことも表沙汰にならないように社内で姑息な対応を練っているのかもしれません。
企業経営で、業績を良くしたい、コストを減らしたいと考えるのは当然ですし、欲に目がくらんだり、追い詰められてつい手を出してしまう心境は理解できます。
またそんな企業で働いている人たちの中にも、保身のため、生活のために忸怩たる思いをしている人もいるでしょう。
結局、企業の不祥事は経営側の問題です。不正取引も不適切な労務管理も経営側の人としての考え方が形として露呈しているに過ぎません。
勝てば官軍で、会社が存続させるためなら何をしてもいい。そのためには消費者を欺き、従業員には正当な対価を与えることもしない。つくづく立派な生き方、考え方だと思います。
信用というものは長い時間かけて地道に築いていくものですが、失う時は一瞬です。失った信用は当該企業が考えるよりもダメージが大きいものです。消費者の中には利用を控える一定の数があるでしょうし、採用の場面でも求職者が敬遠するかもしれません。
経営は綺麗ごとじゃないんだと言うのであれば、苦労して経営などしなければいいだけです。自分に単に知恵もなく、他人を慮る気持ちがないことを棚に上げて、自分の欲望を満たすために経営はするものではないと思います。
家族、友達、親しい仲間の前で、いつでも胸張って生きていけるのですかね。「仕事だから仕方ない」「仕事とはそういうもの」ではないです。