見出し画像

NO.2の育て方㉗社長は任せたはずの仕事になぜ干渉してくるのか?

この件は任せたと言いながら、細かい部分まで口を挟んできたり、現場に対して自分が出した指示と異なる指示を出す社長いますよね。NO.2からすると仕事がやりにくいですし、だったら社長がやればいいだろと投げやりな気持ちになったりすることもあるかと思います。

でもちょっと待ってください。社長は任せたはずの仕事になぜ干渉したがるのかを考えてみましょう。今回はそんなお話です。

■社長は全責任を負う立場でせっかちなもの

社長の置かれている立場を想像してみるとよく理解できます。社長は業績、人の問題、現場で起きる大小さまざまな不具合や課題などから生じるあらゆる責任を負う立場です。

また、自分が指示したとおりに物事が進んでいるか、自分の知らないところで失敗したりしていないかといつも気にしています。自分が気になった時点で十分な情報が上がってきていないとなれば、もう気になって気になって仕方がありません。

社長は重たい責任を背負っていますし、自分が考えたことはなるべく早く実現したいと思うせっかちな生き物です。

NO.2はそうした社長の立場や考え方を案外理解していません。

特に期限がないものについては、他にも抱えている仕事と同時並行ですからNO.2にとっては大変かもしれません。けれども、社長はそんな事情にはお構いなしに、あれはどうなった?これはこうした方がいいと指示を出してきたり、頻繁に報告を求めてきたり、挙句の果てには現場に直接指示を出したりしてしまいます。

NO.2の考えている仕事の進め方や優先順位と社長のそれとの間に温度差があるのです。この温度差をどう埋めたらよいのかを考えないとNO.2にとってはいつまでも仕事がやりづらい状態が続きます。

■お客様対応に置き換えてみるとわかりやすい

社長が取る行動をお客様対応に置き換えてみましょう。あなたの会社のお客様がモノやサービスを買おうとしている場合、価格や対応について納得できるように説明してくれるのか、見積もりはすぐ出してくれるのか、納品はいつなのかなどお客様に対して説明することは多く、対応しなければいけないことも多いはずです。当たり前ですが、それらの過程で不満や不信を感じさせたら、お客様はあなたの会社から何も買ってくれません。

社長もお客様と同じような心理状況ではないでしょうか。あの件はどうなってる?と聞かれた際に、今ちょうどやろうとしていましたとか蕎麦屋の出前みたいな返答ばかりだと社長は大丈夫なのかと感じるでしょう。この状態が続くと、社長はじれったくなり、任せた仕事に干渉したくなるのです。お客様は去っていくだけですが、社長はあなたをいきなり降格やクビにはしません。お客様の行動と比べたら優しいですね。

■NO.2として文句の出ない仕事とは?

任せた仕事に干渉してくる社長を憂いているだけではNO.2として期待される仕事ぶりの域には到底達することはできません。

仕事を任される段階で、社長に確認しておくことが本来山ほどあったはずです。目的や目標、期限、他の仕事との優先順位の兼ね合い、予算や手順、クオリティのレベルなど社長が説明してくれないのであればこちらから質問して確認しなければなりませんし、着手したら、定期的な報連相ももちろん欠かせません。

NO.2であるならこれらのことは最低限やらないといけないことばかりです。難しいでしょうか?お客様の対応なら本来普通にしているレベルのはずです。

情報が足りなければ取りに行く、迷ったら相談する、聞かれる前に報告する。シンプルに言えばこれだけのことです。逆に自分が部下の仕事ぶりに対して不満があり、干渉することがあるとしたら同じような感覚を持つのではないでしょうか。

社長を身内と思って、無意識に対応を甘く考えているのかもしれません。もしそうだとしたら考えと行動を見直さないといけません。そうでないと社長もウチのナンバー2は期待通りに動いてくれないと外で愚痴を漏らすことになります。

最後までお読みいただきありがとうございます。