【本レビュー】ユダヤの商法

藤田田さんの著書、「ユダヤの商法」を読みました。

著者は、日本マクドナルドの創業者であり、それ以前にも貿易商として富を築いた、伝説的なビジネスマンなのです!

元々1972年に初版が刊行されていたのですが、当時から世の中が大きく変遷した現在、2019年に新装版として復刊された名著なのであります!

「ユダヤの商法」というタイトルの通り、ユダヤ人の精神に伝わる商法と田さんがそれを参考にしながら現場で築き上げたビジネスノウハウの掛け合わせが詰まった一冊となっており、起業を志す人のみならず、ビジネスマン必見の内容になっております。

本著の主張は「ユダヤ人や自身の考えを見習って商売すれば確実に儲かる」さらに、「逆にお金や商売に疎い日本人的考え方では商売で儲かるはずがない」ということになります。

では、我々日本人はどんなエッセンスをユダヤ人の考え方から取り入れたらいいのか?

それは以下の4つです。

1. 働くために食うな、食うために働け

日本人は前者の方が大半を占める人種ですが、ユダヤ人は「人生の目的は美味しいものを心ゆくまで食べること」と答えます。

彼らの最高の楽しみ、さらに他人に対する最高のもてなしは豪華な食事であり、もちろん時間をかけてゆっくり楽しむものなのです。

日本人に忘れがちな精神、「人生で大事なことは何か」を立ち止まって考えるようにしたいものです。

2. 契約は神様との約束

ユダヤ人は「契約の民」と呼ばれるほど契約に重きを置いているため、商売においては自分にも相手にも厳格さが求められています。

「神と交わした約束」である契約の債務不履行があったりしたら即時ゲームオーバーであり、厳しい責任追求や損害賠償の要求が突きつけられます。

契約や納期を守らない日本人なんてもっての他です。。

しかも、契約書自体も商材とするくらい重きを置いており、契約書の履行を代行する代わりに手数料をいただくというビジネスをするユダヤ人の業者も存在するのです。。

他にも、「時を盗むな」と言われているほど他人の時間を盗んではいけないという戒めがあったり、毎朝ディクテイトの時間を確保して前日の未決書類を完了させる習慣があるなど、仕事上での厳格な実践は見習わなければいけない点が多いなと感じます。

3. 女と口を狙え

いわゆる「ユダヤ商法4000円の公理」である鉄則であり、歴史がこんなにも長いのに現代にも通じるビジネスの原則であります。

男が生活のために金を稼いでくる生き物だとすれば、女はそのお金を消費して生活を成り立たせる生き物。

現代においても実際に女性よりも男性の方がモノをよく買うし、消費者としてターゲットにしやすい、よって「女を狙え」ということなのです。

さらに、口から入ったもの(主に食べ物や飲み物)は約1日で排出されるので、また口から入れる必要があります。

その意味で他の商品と違ってサイクルがめちゃくちゃ早いため、売るのが容易い、という科学的な根拠があるため「口を狙え」ということになります。

4. 厚利多売で儲けるべし(薄利多売はバカの商法)

ユダヤ商人は自信のある商品は絶対に負けません。

むしろ高額であることの正当性を消費者に徹底的に教育し、「まけるくらいなら売らない」とさえ考えています。

また、「たくさん売るならたくさん儲けるべきだ」と考え、厚利多売をするのが当然という価値観です。

日本人の貧乏性からすると、ダイエー創業者の中内功が「良い品をより安く」と言っていたように、安さこそ正義という価値観が浸透しておりますが、そういった薄利多売に対しユダヤ人は「バカの商法だ」と一刀両断。

薄利なのであればいつ倒産するのか分からない危険にさらされているも同然であり、薄利競争という愚劣な「死の競争」を生み出してしまう、と主張されています。

さらに、これこそ商法の本質的な部分ではありますが、消費者の「アコガレ心理」、すなわち今の自分より1ランク上の生活に憧れる、という人間心理に着目して、お金持ちをターゲットに商品を売って流行を作り、その下層がさらに買い求める、という段階的な流行変化を作り、長期的な流行の維持と共に購入する消費者の拡大をすることができるということになるのです。

しかも先発で実施すれば高額でも買ってくれるので厚利多売ができる上、体臭に広まって安売りが始まる頃には手を引く、ということを実践されていて、オイシイとこ取りをしてきた著者はビジネスセンスに長け過ぎているな、、とつくづく感じます。

さていかがでしたでしょうか?

著書にはこのポイントを補足する田さんのエピソードや、その他の格言も盛り込まれていますので、是非手に取って見ていただけたらと思います!


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