お坊さんの井戸端会議

浄土真宗 本願寺派 若手僧侶5人による日々のお味わいブログ。隂山晃淳(大阪府) 岩田明…

お坊さんの井戸端会議

浄土真宗 本願寺派 若手僧侶5人による日々のお味わいブログ。隂山晃淳(大阪府) 岩田明子(愛知県) 木山響心(長崎県) 佐々木史哉(福岡県) 那須野あつ子(滋賀県)。

最近の記事

夏の風物詩

今週は愛知から岩田が担当です。 各地で梅雨明けが発表されています。これから猛暑が続くかと思うと既にグッタリ。どうぞご体調にご留意くださいませ。 「風物詩」…となんとなく使いかけて、一応調べてみました。 ① 景色や季節などの風物を情緒的にうたった詩歌 ② 季節、時期を特徴づけるものの総称 と記されています。 日本には四季があるからこその言葉なんでしょうね。それぞれの土地で、季節によって、風土・習慣・祭礼・行事・食べ物などなど多彩な文化が生み出され、深く人々の生活や

    • 矢印

      皆様、こんばんは。 今年も昨年同様、夏休みに富士登山に挑もうとしている陰山です。 岩肌を登っていくことも多い富士山なので、岩の多い山を探して練習がてら登山してきました。 兵庫県姫路市夢前にある雪彦山(せっぴこさん)。 可愛らしい名前とは裏腹に中々ハードな山。 鬱蒼とした木々の中を進み、 落としても落としても気づけば足にひっついているヤマビル(子供たちは初めてのヤマビルにパニック)、 中腹からは岩肌を登るというより絶壁をロープで登っていく。 もちろんしんどいだけでなく、

      • 帰りたいところ

        神社の杜で、蝉が鳴きはじめました。 少しフライング気味ですが、この暑さ、鳴かずにはおれないのでしょう。 皆さまいかがお過ごしでしょうか、那須野です。 さて、前回の記事で、鬼について書きました。 その後本など読んだりしております。 古い中国では、人は死んだら鬼になると考えられていたようです。 なんと鬼の住む冥界には官僚制度や戸籍などがあり、良い鬼になるには子孫の供養が大切なのだとか。 物語の中の鬼とは随分イメージが違いますね。 何と言いますか、俗っぽいですね。 ちなみに悪鬼

        • 我欲・自利・利他

          湿度も重なり、汗をかくことが増えてきました。 今週は佐々木です。 仏様という存在は、自らを1番に考えない、 ということが言われます。 利他を第一にするのが、悟りであるそうです。 他の幸福を最も大切にする存在ということです。 だからこそそこには、煩悩を中心とする苦しみがないのだと、説かれます。 まだ私は悟ってませんから、相手を第一に考える実感がありませんが、 喜びが自分で完結しない、 相手の苦しみを相手の中だけで終わらせないことが、 自分にとっても相手にとっ

          愚痴っぽくてすまんことです

          先日、幼い甥や姪とご飯を食べている時に、私が「なんまんだ」と口にすると、3歳の姪が 「ここは本堂じゃないけん、ここに仏さまおらんとにー」 とニコニコ。 さて何て言おうかなと思っておりましたら、となりの6歳と5歳の甥っ子が、 「そこにおる」 と御内仏の如来さまを指さして、教えてくれました。 たった10秒位で私に色んなことを考えさせてくれる可愛い子達やなあ、どっちの言い分もようわかるなあと思いながら、 「如来さまのおらんところは無かとよ。お念仏するところが仏さまのお

          愚痴っぽくてすまんことです

          常識を超える

          ブログ締切り日の日曜、あぁ、父の日でもありましたね。 私の住む場所では短時間ですが急な土砂降りが何度かありました。これで今日は蚊に刺されながら草木に水をあげなくてもいいわ、とニンマリ。 傘を持たずに外出していたら、なにか屋外で大事な用があったら、ズーンと気分が重くなっていたことでしょう。 皆さまいかがお過ごしでしょうか。梅雨入りの遅れに、さすがに自分事だけではない心配を抱き始めている岩田です。 「あなたには浄土真宗の教えは分からないだろうねって言われたの」 そう溢したのは

          願われているいのち

          皆様、こんばんは。 今週は陰山です。 「あなたのいのちは願われている」 浄土真宗のお寺の掲示板で、そんな言葉を見たことがありませんか? 昔の私はそんなものになーんにも興味をしめしませんでしたし、 「いや、だから何?」って感じでした。 でも、今は何となく「如来様に願われているいのち」ということが、生きる上での大切なことになりつつあります。 「仏教って何の役に立つんですか?」 多くの人が問いを持つことでしょうし、何て答えるのがいいのか時折考えることがあります。 その問の背

          願われているいのち

          青鬼はどこへ行ったのか

          こんにちは、那須野です。 六月に入り、紫陽花の蕾が膨らんできました。 もうすぐ長雨の季節がやってきます。 さて、子供の頃から好きな昔ばなしに、「泣いた赤鬼」という話があります。 浜田廣介先生という、明治から昭和にかけて活躍された童話作家の作品です。 ご存知かも知れませんが、 人間と仲良くなりたい赤鬼が、あの手この手で画策します。 「美味しいお茶とお菓子を用意して待っています、遊びにきてね」 家の玄関に張り紙をするも、相変わらずの嫌われっぷり。 見かねた友達の青鬼が一肌脱い

          青鬼はどこへ行ったのか

          仏教の領域

          こんばんは 今週は佐々木です。 心身の体調が、上下しやすい気候になりつつありますが、いかがおすごしでしょうか。 最近、23歳女性より、こんな質問をもらいました。 「僧侶って、誰でもなれるんですか?」 何を背景にしてこのような疑問を持ったかはわかりません。 が、興味を持たれているようで嬉しかったです。 質問への答えとしては、事務的な煩わしさは多少ありながらも、誰でも僧侶になれます。 くらいが妥当かなと思いながら答えましたが、 それでその人が僧侶になりたいと喜び

          うぐいすにほれぼれ

          うぐいすの鳴く声が聞こえる季節です。 「ホーホケキョ、ホーホケキョ…法を聞けよ、法を聞けよ」 と、小さないのちまでもが私におみのりを勧めているんだと、豊かな世界を示してくださった先人がいらっしゃいます。 「お前のことでいっぱいになってはたらき通しの如来様がいらっしゃるんだよ、どうかそのことに気付いてくれよ」と無数のいのちが私にお念仏をすすめてくださいます。 お同行のお宅でお参りをする機会が度々ありますが、仏様の話で頷く人もおり、懐かしい方を思っては寂しさに涙される人もあ

          うぐいすにほれぼれ

          善いこと、悪いこと

          日中の強い日差しと、夜の肌寒さ。気温差にやられてしまった週末でした。 皆さま、いかがお過ごしでしょうか。 今週は岩田が担当です。 「善いことしたと思ってたのに先生やお母さんに怒られたんだ。悪いことだったのかな。どっち?」 そう呟いたのは小学生の男の子でした。 「善悪の判断を私に聞くとは、相手を間違えてるよ」と内心腰が引けつつ、彼の話を聞いていました。 聞けば聞くほど、善悪の見方って立場によって入れ替わるものだなぁと感じ入り、どっちだなんて答えが出ません。 目の前の彼をひ

          善いこと、悪いこと

          生きている

          皆様、こんばんは。 陰山です。 娘は、息子(兄)が生まれた時に頂いたブランケットのおまけのぬいぐるみ、熊のウアちゃんを大切にしています。 夜はベッドで一緒におやすみ、朝は一緒に起きおはよう、一緒に朝ご飯を食べ、小学校に行く時にはリビングでブランケットを掛けて寝かして、「ウアちゃん、いってきます!」と家を出ていきます。 洋裁が得意なばあばに頼んで、ウアちゃん専用の服まで作ってもらっています。 先日は、ウアちゃんと手を繋いで「アハハハ」と笑いながらクルクルと回っていまし

          鯛か鰆か

          こんにちは、那須野です。 今日は月曜日なんですね、1日遅れの更新となりました。。 私は今、愛知へ向かう電車に乗っています。 普段は京都大阪へ出かける事が多い私にとっては、いつもとは違う方向、違う景色。 ゴールデンウィークだから旅行でしょうか、Googleマップではなく紙の地図を広げる人は、私の旅気分を盛り上げてくれます。 トレッキングポールをお持ちのご婦人は、どちらの山へ行かれるのでしょう。 しかし、この狭い島国の中を、多くの方があっちへこっちへと移動しているのですね。

          忙しさにかまけて。

          半袖の人を見ることも少なくないような季節になりました。 今週は、佐々木です。私は福岡の中でも、大分県中津市に近い場所に生まれたのですが、そこに「しゃーしい」という方言があります。 うちの祖母や母がよく使っておりました。 私の世代の人はあまり使わなかったイメージがあります。 何かにつけて「あーしゃーしいなぁーもう」  「これやってよ」「いやしゃーしいよ今は」 僕が騒いでると「しゃーしいっちゃもう」。 おおよそ、「うるさい」「面倒」「煩わしい」という意味で使われます

          忙しさにかまけて。

          お釈迦さまは脇から生まれたの?

          春です。 野辺へ出てみれば、鶯が鳴きヒバリが囀り、足元には蓮華、タンポポの花盛り。 心地よい季節がやってきたと思えば、いつの間にか日中は暑いと思わず口にするほど、季節が進んでしまいました。九州の人間が縁あって4日間ほど関西におりましたが、例年より遅く咲いてくれた桜は、例年の倍、私の目を喜ばせ、心を踊らせてくれました。 無数のいのちが誕生するこの豊かな季節に、今から2500年前にご誕生くださったお釈迦さまのお誕生日をお祝いします。先日4月8日ははなまつりでした。 お釈迦さ

          お釈迦さまは脇から生まれたの?

          根性がどうであっても

          画像は、種から大切に育てられること10年、3日で散った山芍薬の花です。 スマホで撮影して、拡大して細部を見る。肉眼では見落としてしまう瞬間が切り取られ、花は終わっても鮮明な画像は手元に残る。便利で有難いです。 でも、仏様がご覧になったら…。 この花は、葉は、茎は、そして土の中にある10年かけて花を咲かせるまでに育った根茎は、仏様の目にはどれほど美しく映るのだろうか。そんなことを考えた花の終わりでした。 皆さまいかがお過ごしでしょうか。今週は岩田が担当です。 ここ数年で急

          根性がどうであっても