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「言葉の洪水に溺れる」・・・野田秀樹 作・演出「フェイクスピア」



懐かしい! それが第一印象だった。
かつて言葉の洪水とも言われた、夢の遊民社時代の芝居に似た印象があったからだ。

畳み込むようなセリフ回し、言葉のわずかな接点を辿っていくような連想の数々と、その緊張が心地よく裏切られた時に生まれる笑い。
それらがラストに向かって大きく集約し、舞台狭しと動き回る。
さらに、シンプルだが印象的な美術が演出に直結し、効果的な驚きを生み出している。

野田秀樹氏自身が「結果的に夢の遊民社時代の芝居に近いものになった」と
語っているから、自分の第一印象も間違ってはいないだろう。

だがこの芝居はただのノスタルジーなどではない。
高橋一生 前田敦子といった野田演劇初出演のキャストが新鮮味を与え
人の心に起こるシェイクスピア悲劇のような混乱を
言葉の積み重ねで表現していく。
観客はいつしか、主人公たちの脳内に引き込まれていくのだ。

劇場ロビーに置かれた舞台装置の模型も必見。

ちなみに、東京公演では立ち見の指定席まで売り出されていた。
興味のある方は是非。

公演は場所を変え、7月の後半まで行われる。
出演は
高橋一生 川平慈英 伊原剛志 前田敦子 村岡希美
白石加代子 野田秀樹 橋爪功 など

東京公演 2021年5月24日(月)-7月11日(日) 東京芸術劇場プレイハウス

大阪公演 2021年7月15日(木)-7月25日(日) 新歌舞伎座

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