グリム童話を読む配信。『いばら姫』〈11〉
ドイツ語の復習のために、グリム童話を原文で読み配信する試みをしています。
今は、ディズニー映画『眠れる森の美女』でおなじみの『いばら姫』を13回に分けて読んでいます。今回はその11回目です。
いばらの垣根を越えるのは危険だと諭すおじいさんを振り切り、何事もなく通り抜けた王子様。いばら姫への思いの強さを隠そうとしませんが、さてどうなるでしょう。というのが、前回の内容です。詳しくは、ひとつ前の記事にて。
それでは、『いばら姫』11回目の配信で読んだ部分を見ていきます。まずは原文を引用します。その下にある日本語は拙訳です。
◇ グリム兄弟の童話集|Dornröschen(11/13)
Im Schloßhof sah er die Pferde und scheckigen Jagdhunde liegen und schlafen, auf dem Dach saßen die Tauben und hatten das Köpfchen unter den Flügel gesteckt. Und als er ins Haus kam, schliefen die Fliegen an der Wand, der Koch in der Küche hielt noch die Hand, als wolle er den Jungen packen, und die Magd saß vor dem schwarzen Huhn, das gerupft werden sollte.
いばらの垣根を通り抜けた王子様が中庭に差しかかると、そこでは、馬たちやぶちの猟犬たちがごろんと横たわり眠っていて、屋根の上では、鳩たちがその小さな頭を羽根で覆い隠しているのが見えました。次にお城の中に入ると、壁に張りついた蠅たちは眠っていました。台所にいる料理人は、見習いの小僧につかみかかろうとする手が止まったままでした。そして下働きの女は、黒い鶏の前に座り羽根をむしり取ろうとしているところでした。(意訳)
お城の中は、百年が過ぎても尚、すべて止まったままのようです。その描写は、7回目の配信で読んだ箇所と対応しています(その箇所の拙訳はこちら→★)。
◇ ◇ ◇
それでは、初めて知った単語、知っていても表現が気になる単語を見ていきます。
der Schloßhof|男性名詞
宮殿〈王宮〉の中庭
scheckig|形容詞
まだらの、ぶちの
der Jagdhund|男性名詞
猟犬
die Taube|女性名詞
鳩
die Magd|女性名詞
①(農家などの)雇い女、雇われ農婦、下働きの女、下女、女中
② 少女、おとめ、処女
packen|動詞
〔ここでの意味〕(ぐいと)つかむ
das Huhn|中性名詞
鶏
gerupft |動詞
〔ここでの意味〕(…の)羽根をむしる
◇ ◇ ◇
どんどんとお城の奥へ進んでいく王子様。その勇気あふれる姿を描きたかったのですが、なんか……。よく見るピクトグラムのようになってしまいました。笑
ということで、今回もよい復習になりました。来週も励みます。
*参考*
アプリ版『独和大辞典 第2版』(小学館)
池田香代子訳『完訳クラシック グリム童話』(講談社)
◆ stand.fm グリム童話を読んでみるラジオ
◆ Instagram QULICO|寓天堂 guten.doo
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