D4V主催イベント「スタートアップを成長させる最適なUXリサーチとは」参加レポート
この記事は、IDEO TOKYOで開催されたD4V主催の「スタートアップを成長させる最適なUXリサーチとは」に参加した際のイベントメモになります。
(※メモ代わりなので、当日の内容を割愛した内容になります)
今回、イベントではIDEOのDesign Directorのアメリア・ジュールさんがIDEOのリサーチメソッドをベースにスタートアップがどのように短期間で最適なリサーチをするかを事例を交えて話をしてくださいました。
スタートアップにおけるデザインリサーチの5つの役割
1:深いユーザー理解、共感に基づいた意思決定ツール
2:新しい価値を生み出すために、チームに刺激とインスピレーションを与える
3:チームでユーザーを中心とした共通体験と共通言語があふれる
4:ユーザーのための最高の体験づくりから存在意義、ロードマップ、機能群を明確にする手助けになる
5:人はこのプロダクトを必要としているのか?リスクとインパクトが分かる
リサーチの種類と役割
主に、リサーチの種類は2系統で「発散型」「評価型」があり、今回は「発散型」にフォーカスした内容でした。
発散型リサーチの役割
・定量:アンケート(機会からアイデアを形成するタイプ)
・定性:観察/インタビュー(機会を探すタイプ)
評価型リサーチの役割
・定量:ABテストなど
・定性:ユーザビリティーテスト(アイデアを評価するタイプ)
リサーチプラン(設計)からアクション(実行)で大事なポイント
1:リサーチの目的設定
・人の行動の裏の心理の部分を聞くことを意識する
2:リクルーティング
リクルーティングの方法としては下記の手段を活用している
(1)リクルーティング会社を活用する
(2)モバイル広告を出す
(3)個人のネットワークを使う
(IDEO Tokyoでは3の場合、Google サーベイを使用してスクリーニングをしFacebookでコンタクトを取る)
■リクルーティングの大事なポイント1
※個人のネットワークを利用してコンタクトを取る場合は下記に気をつける
コンタクトをする前に「こんな未来を一緒に創りたい」といったMIssionをサービス提供側でたて募集要項に提示出来るとユーザが比較的協力的な姿勢で参加してくれます。
■リクルーティングの大事なポイント2
基本的にはインセンティブを用意する(2000円〜3000円)
■リクルーティングの大事なポイント3
やりたいことは明確にしておく
3:インタビューガイド
・アイスブレイクを入れる
・質問の流れを作る
・チームでディスカッションして自然なグルーピングをして設計する
※質問設計が下記のような構造になっているとインタビューでも目的を見失うことが少なく質問が設計しやすいそうです。
質問設計する際に注意すべきポイント
・Yes / Noで答えられてしまう質問は避ける
・質問はOpen questionにする
・最後の質問にインタビュー被験者に「想像」させるような問いを設ける
・ゴールは「ストーリー(行動など)」と「感情」を引き出すことを忘れない
応用編(課題感に思い入れのある人が被験者として来た場合
被験者の中には、問題意識が強く事業者目線の視点を持って答えてくれる方も居ますが、あくまで個人に焦点を当てた内容を聞きたいのでそういった方には下記のような質問を問いかけて、被験者のバイアスを崩し内容を聞き出しましょう。
・あなたならどうしますか?という質問を投げる。
(事業者目線の答えを壊すような質問をする)
質問以外の手法
・ジャーニーマッピング(1日の行動ログを記載してもらう)
・やり方 / 使い方を見せてもらう(observation)
・シャドーイング
(考えている事を声に出してもらう)
インタビュー行う際のチーム構成
インタビュー時のメンバーは3人にがBest
・インタビュー担当(被験者と対話する事が主な役割)
・メモ担当(対話の内容を漏らさずに記録する役割)
・撮影などそのの他支援担当
リサーチからインサイトを引き出す方法
注意すべきポイント
・インタビュー内容から印象に残った項目Top10をインタビューしたチームで各々に出してもらい、チーム内で早い段階で共有する。
(※時間が経ってしまうと記憶から内容がどんどん薄れてしまうため、早い段階で共有する)
付箋に記入する際の項目
1:デモグラフィック情報
2:印象的なワード
3:被験者の行動とマインドセット(考え方や価値観など)
4:観察時の特徴的な内容(抽象度の高いものは絵で描く)
インサイトの分析方法の種類
・パターンの発見
・価値観が相反する所の発見
(両立する部分で新しい価値が生まれる可能性もある)
・価値観の変化の発見
・印象の変化
・ジャニーの変化(行動、思考、感情の変化)
アイデアを発展させる
・必要最小限のプロトタイプでテストする
(プロトタイプの画面デザインは手書きスケッチでOK)
・プロトタイプは問や仮説を作る所から
・問いは「Who」「What」「What」「Why」「When」「Where」で立てる。(How might weでもOK。「How(どうすれば)」「might(~しうるか)」「we(我々は)」
・プロトタイプの検証時は直感的な反応を聞きつつ「なぜ?」 という問で深堀りをする。
検証時の注意点
スタートアップで検証する場合は短期間で検証する必要があるため、ビジネスセンスが良くても、アイデア表現が間違っている場合があるので、そういった場合は上の図のように、ユーザニーズのコンテキスト部分とアイデアスケッチを並べ、少し俯瞰して判断する。
思ったこと...質問設計にフォッグ式消費者行動モデルが使えるのでは?
今回、このイベントに参加したことでリサーチの基礎的な部分の確認や思い出しができたと思う。
少し記事の上段に戻ってしまうが、質問設計の作り方で下のような考え方も出来るのではないか思ったので記事に残そうと思う。
※個人的なアイデアなので、このアイデアの実用性は検証出来ていないし他のフレームワークを部分的に活用している部分もあるので扱いには注意が必要かも。
質問設計をする際に下記のような注釈を記載したが...
「リサーチ全体の目的」とそれを導き出す為に必要な「個別の目的」を明確にすることでインタビューでも目的を見失うことが少なくなる。
ストーリー(行動など)や感情を聞き出すのであれば、フォッグ式消費者行動モデルを図のように活用することで、よりスムーズに聞くことが出来るのではないだろうか?
フォッグ式消費者行動モデルの「B=MAT」をリサーチ全体の目的を探るための質問設計の指標にすることで、なぜ被験者がそのような行動や感情になったかが紐解きやすく、分析時の分類わけもしやすいのではないかと思いました。
▼「B=MAT」
最後に
少し、長くなってしまいましたが最後まで読んでい頂きありがとうございます。
イベントのメモになりますが、少しでも同じ壁に悩みを抱えている方などの解決策の参考になれば幸いです。
(IDEO Tokyoのオフィスかっこよかった〜
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