地元を知って変わったこと
私の故郷は群馬県伊勢崎市
夏は死ぬほど暑いが、冬は死ぬほど風が冷たく強い
田舎というほど自然豊かで風情があるわけではないが
都会というほどめざましく発展しているわけでもない
最近たまに聞く「中途半端な田舎」といわれる類だ
そんな地元に対して「何もない」と言っていたのが2年前の自分
正直、当時は地元に何の魅力も感じていなかった
都会の暮らしにも特に不満も感じてなかったし
強いて言えば「せわしない」「混む」「選択肢が多すぎる」だろうか
そんな私の地元を見つめ直すきっかけとなったのが、実家の空き家問題だ
年配の両親がいなくなったら、地元に帰る理由はあるのか?
知り合いも少ない、家族のいない土地に戻る理由はあるのか?
そんな疑問から私が足を運んだのがゲストハウスサミット(東京開催)
全国のゲストハウスのオーナーが集まり、各々の地域での取り組みや、リアルな体験を参加者交えてシェアしていくイベントだ
将来ゲストハウスを建てたい人や、コミュニティや街づくりというキーワードに興味を持っている人達がたくさん集まっていた
私も、相続以外に空き家の可能性に触れるには良い機会だと思って参加した
そこで私が目にしたのは、皆すごく「生き生きしている」ということ
苦労や失敗は多々あれど、みんな自分達の地域が好きなんだ
とても楽しそうに各々の地域について語っていた
地域が生んだいろいろな出会いや、コミュニティの可能性、そして場を作る努力がもたらした様々な人・地域の変化を多角的に知ることができた
じゃあ、「自分の地元には何があるのだろう?」
純粋にそう思った
どんな人が?どんなコミュニティが?取り組みが?生き方が?価値観が?
知りたくなって、地元への旅を始めた
それがちょうど去年の夏ごろだろうか
観光地を巡るだけではない旅
地元の人が作り、育む世界を旅した
旅を通して気付いた
自分が「何もない」と言っていた地元のこと
「何も知らないだけ」だったということ
旅をしている中で、自ら地元に関わりたいと思う気持ちが膨らんだ
そんな気持ちで接する地元の景色はとても豊かで
多様な人達の色と、愛情に満ちていた
そして、繋がってくれた人達との思い出がたくさんできた
そんな思い出の中で私の心に残った言葉
ここに来るお客さんや近所の人に
ここには何もないなんて言えない、何もなかったなんて言ってほしくない
地元のゲストハウスオーナーが語ってくれた言葉だ
何があるか知る前から、私は地元に「何もない」と言ってしまっていた
私の人生一つでは語り切れないほど
地域には多くの歴史と人々の想いが詰まっていて
今生きる人達のドラマが刻一刻と刻まれているのだ
もう「何もない」とは言わない
見て来なかった、気づいていなかったことがたくさんある
そういうところにもっと目を向けて生きていきたい
そしてもう一つ
ただいま おかえり
とても平凡でありふれているけれど
この言葉はとても温かかった
気付いたら何度も足を運ぶ場所になり
家族ではない人の場所に戻る理由ができた
家族は一つ、という概念はもうない
記憶に鮮明に残る経験
年配の両親がいなくなったら、地元に帰る理由はあるのか?
知り合いも少ない、家族のいない土地に戻る理由はあるのか?
その答えは、地元を知り、関わることで、私の心の中に生まれた
住んでいないから、深い繋がりではないのかもしれないけど
温かく迎えてくれた人達には、いつもたくさん感謝している
ただいま、おかえり、が言える家族のような地域
それが私の住みたい地域であり
地元をそんな地域にしていきたい
そしていつか子供たちに
「地元が好き」と言ってもらいたい
そんな私の地元は群馬県伊勢崎市
伊勢崎銘仙という織物で日本の和服文化を支えた産業都市だ
現在私は、銘仙復活プロジェクトの方と連携して、銘仙に対する現状の取り組みや伝統の今後をどうするかについて考え、動き始めた
日本の伝統に関する情報をシェアするための拠点も作り、今週末から活動を開始する
今動きたい理由もたくさんあり、共感して立ち上げに関わってくれる人たちも増えてきた
各々の地域の伝統を守り、次の時代に伝え続けていけるといいと思っている
これが私の、地元を知ったことで変わったこと
「地域で何がやりたい?」とよく聞かれるが
どの地域でもいいわけではないし
行ってみないとわからないことが多すぎる
やりたいことなんて明日には変わっているかもしれないし
なによりどんな地域があるのかをまずほとんど知らない
日本にいるのに、日本のことって意外と全然知らない
何がやりたいかは「行けば見つかる」というのは少し雑な回答だろうか
地域によって関わり方は変わってくると思うので、、、
これからもっとたくさんの人と地域に関わり、「何もない」と思われるころから、自分含め関わる人達の気持ちや行動がどう変化していくのか、いろいろ見ていきたいと思う
以上---------!!!!!
伊勢崎銘仙に関する過去の記事は以下より
週1noteという企画に参加中です!
全4週の企画で、今週で2周目!
皆が書いたnoteは以下より
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