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社会保険労務士の部屋から

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ぐんま税理法人ニュースレターに掲載された「社会保険労務士の部屋から」のバックナンバーを集めたマガジンです。最新号からのアーカイブのほかバックナンバーも掲載しています。
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記事一覧

ぐん税ニュースレター vol.43 page02 -社会保険労務士の部屋から-

いよいよ目前に迫ってきた2024年4月を暗澹たる気持ちで迎える経営者の方も多いのではないでしょうか。運送業、建設業など、これまでは時間外労働の規制のなかった業種にも5年の猶予期間を経て、4月からは時間外労働の上限時間が適用されることになります。これらの業種が最後まで適用除外となっていたのにはそれなりの事情があるからに違いないですし、法律で規制しただけでそれらの問題が解決するものでもないでしょう。またこれまで、その他の業種でも、時間外労働の削減や割増賃金の計算方法等についても制

ぐん税ニュースレター vol.41 -社会保険労務士の部屋から-

あなたにも起こるかもしれない労災 突発的な事故やけが。人からはよく話を聞くけど、もし自分にそういうことが降りかかったら、何をするか、何ができるか。私も先日、初めて通勤時に追突事故に遭いました。幸いなことに車にも傷一つ見当たらなくて警官も困っていたほどの事故ではありましたが、予期しないことだったため、咄嗟に何をしたらいいのかわからず、後になってあれこれ反省しました。 今回は、労災について、よく受ける質問や、気をつけてほしいことをまとめてみました。後で見返せるように保存してくだ

ぐん税ニュースレター vol.39 page02 -社会保険労務士の部屋から-

106万円の壁 11月に入っても異例の暑さが続きましたが、暦は着実に進んでおり、年末調整の書類が税務署から届く時期となりました。扶養の範囲について確認の問い合わせもちらほら来ています。数年前までは、年収の壁というと、所得税は103万、健康保険なら130万だけおさえておけばよかったのですが、今では、所得税関連の壁だけでも複数ありますし、2022年には社会保険にも106万円の壁ができました。「106万円の壁」は適用対象を徐々に広げてはいるものの130万円の壁のように誰にでも適用

ぐん税ニュースレター vol.37 page02 -社会保険労務士の部屋から-

時間外労働の上限規制 まだまだ夏のような暑さが続きますが、カレンダーはもう9月。2023年も残すところ3分の1となり、本年を締めくくり、新しい年を迎える態勢づくりを意識し始めてそわそわする時期です。ちょっと気が早いでしょうか。 とはいえ、2024年4月に向けて既にさまざまな対策を講じている会社も多いはずです。2019年に働き方改革の一環として労働基準法が改正され、時間外労働の上限が法律に規定されましたが、当時は適用が猶予されていたいくつかの業種も、2024年4月からは適用対

ぐん税ニュースレター vol.35 page03 -社会保険労務士の部屋から-

テレワークの労務管理 早くも7月も半ばを過ぎました。8月に試験を控えた税理士、中小企業診断士、そして社会保険労務士の受験生にとっては、気温の高まりとともにラストスパートにも熱くなる時期です。コロナ禍により試験実施にかかる費用がかさみ、受験料の値上げもあちこちで行われているとか。国家試験なのに受験者の方に費用負担のしわ寄せが来るのは腑に落ちないですが、暑さとストレスと値上げにもめげずにがんばってほしいですね。 私が社会保険労務士の試験勉強をしていたのはかれこれ20年以上前にな

ぐん税ニュースレター vol.33 page03 -社会保険労務士の部屋から-

賃金のデジタル払いが可能になります! スマホ決済が世に出てきて、特にPayPayなどはものすごいスピードで浸透しましたが、コロナ禍がそれに拍車をかけて、今ではあのQRコードやステッカーを見ない店のほうが珍しいくらいになりました。使い始めの頃はスマホ決済が楽しくて、買い物での決済はもちろんのこと、友達への割り勘の支払いや、外出先の子どもへのお小遣いの補填やらもできることに感動して、『こんなに何でもスマホ決済ができるなら、会社の経費や給与だってPayPayでいいんじゃないの?』

ぐん税ニュースレター vol.31 page03 -社会保険労務士の部屋から-

出産育児一時金 2023年4月から出産育児一時金が50万円に引き上げられます。平成6年創設当時は30万円でしたが、その後、平成18年に35万円、平成21年1月に38万円、そして平成21年10月に42万円と段階的に増額されてきました。 金額の引き上げと並行して、直接支払制度なども導入され被保険者や会社が請求手続きをすることはありませんが、社会保険雇用保険の各種の給付金や手当金の中では唯一定額支給のもので、改定のたびに『また上がるのか』と思っていましたが、今回8万円の引き上げは

ぐん税ニュースレター vol.25 page03 -社会保険労務士の部屋から-

業務改善助成金をご存じですか? 今年も10月1日からの最低賃金が発表されました。ちなみに群馬県では、30円引き上げにより895円となりますが、この30円の引き上げは20年来最大の引き上げ幅で、2004年度から19年連続増額しています。また、群馬県は関東地方で『唯一』改定後の金額が900円を下回っています。 経営者の皆さんにとっては、毎年頭の痛い問題ですね。最低賃金を超える賃金は支給しないと決めている会社も多いと思いますが、値上げラッシュで経費も膨らんできている今、賃上げの原

ぐん税ニュースレター -社会保険労務士の部屋から- バックナンバー 2022年4月号

助成金申請のポイント 助成金とは、補助金と異なり、雇用の安定、職場環境の改善、仕事と家庭の両立支援、従業員の能力向上などの取り組みを行った事業主に対し、その申請により厚生労働省が支給するものです。また、補助金のように全申請の中から採択されるのではなく、申請案件ごとに支給可否が決定されます。 よって、1.受給のための要件に該当し、2.期限内に申請を行い、3.必要書類が整っている、の3つの要件が満たされていれば、ほぼ間違いなく受給できると言っていいでしょう。 今まで助成金申請を

ぐん税ニュースレター -社会保険労務士の部屋から- バックナンバー 2022年1月号

To be, or not to be " 扶養”、それが常に問題です 年間を通じて、『年収いくらまでが扶養の範囲ですか?』という問い合わせを受けます。『○○円 までは大丈夫ですよ』と即答したいところなのですが、その前に、『健康保険上の扶養ですか、それとも税法上の扶養ですか?』など何点か聞き取ってから回答をさせていただいています。まずこの 『扶養』というあいまいな概念を明確にすることから始めましょう。 健康保険法上の被扶養者と所得税法上の控除対象扶養親族 まず第一に、『

ぐん税ニュースレター -社会保険労務士の部屋から- バックナンバー 2021年10月号

令和時代の労務管理~退職・解雇 ~ インターネットの普及により、 労働法や労務管理に詳しい労働者が増えてきました。特に若年層は、雑学を含め、自分に有利な知識や情報を見逃しません。一方、労働者よりも年上であることが多い事業主側は、情報に疎いことも多く、知らない間に取り返しのつかない労使トラブルに巻き込まれてしまうリスクもあります。会社の労務管理の中で、特に『訴訟』に持ち込まれることの多い退職、解雇について注意すべき点を見てみましょう。 まず、何があっても、事業主側から感情に

ぐん税ニュースレター -社会保険労務士の部屋から- バックナンバー 2021年4月号

社員に周知していない就業規則は有効? それとも無効? 4月と言えば出会いの春。フレッシュな新入社員が入社し、社内に活気が溢れている会社も多いと思 います。入社の際には、新入社員と交わす雇用契約や会社のルール説明など、人事・労務面において様々な対応が求められます。そう、人事担当者にとって4月はとても忙しい時期なのです。 ところで、皆さんの会社には 『就業規則』はありますか?そして、きちんと従業員に周知していますか? 一般的に、会社の規模が小さいほど労務管理に対する意識が低い

ぐん税ニュースレター -社会保険労務士の部屋から- バックナンバー 2021年1月号

採用最前線! 採用を成功させるために知っておきたい、 内定辞退を引き起こす要因とは? やっと採用したいと思える人材に出会ったのに、突然内定辞退となってしまったことはありませんか?面接では話が盛り上がり、雰囲気も良く、お互いに好印象だったにも関わらず…です。実は、採用活動で最もツライのが”内定辞退“です。ようやく掴んだ採用活動の成果と、その人材を採用するのにかけた時間・コストに相当なダメージを受けます。現在の売り手市場では、以前に増して新卒・中途ともに内定辞退が起きているとい

ぐん税ニュースレター -社会保険労務士の部屋から- バックナンバー 2020年10月号

採用難時代こそ“リファラル採用 成功のカギは従業員エンゲージメントの向上 「リファラル採用」をご存じですか? 社員紹介採用と言い換えればイメージしやすいかもしれません。これは、求 人を出して応募者を集めるといったような従来の採用手法とは異なり、自社 の社員を通して知人や友人の推薦を受けて選考を行う採用手法のことを言い ます。企業の採用競争が激化している中で、自社にマッチする人材の確保が困難といった理由から最近の採用活動では、このリファラル採用に注目が集まっています。つまり