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マインドフルネスが役立っていること

 この記事はマインドフルネスの個人的な体験を書いたものです。マインドフルネスによってどんな効果があったかということを知ることができます。

マインドフルネスとは

 マインドフルネスをどう説明したらいいのか、、いざ書こうとしている始めの段階で、何を言っているんだという感じですが、言葉にすると難しいのが正直なところでして、そうはいっても、マインドフルネスのことについて書くのだから、ちょっと説明を。

今この瞬間に、
評価や判断をすることなく、
ありのままの自分を受け入れること

もともとはジョン・カバットジン博士が慢性疼痛(特定される原因がないのに、痛みが慢性的に続く状態)の人に対しておこなった、マインドフルネスストレス低減法という8週間にわたるプログラムがその始まりです。瞑想やヨガを中心におこない、それを普段の生活に取り入れていきます。現在では、このマインドフルネスという概念を様々な精神疾患の治療や人々のウェルビーイングを高める目的など、様々な形で導入されています。それで、ジョン・カバットジン博士もこう言っています。

マインドフルネスはとにかく続けること

マインドフルネスで変わったと感じること

 今回はマインドフルネスをほぼ毎日続けてきた結果、どんなことがあったのかということを伝えたくなって書いてみようと思いました。ちなみに、1日40分前後の瞑想やら、2時間程度のマインドフルネス勉強会に月に3回程でたり、半年ほどマインドフルネス講師養成講座に出るなどの実践を行ってきました。


変化(1)「間を取れる」

 普段カウンセリングをしている心理職として、その変化をひとつ上げようと思います。それは「間を取ることができる」ようになったということです。カウンセリングをしていると、頭ではいろいろと「クライエントさんはこんな風に考えているのかあ」とか、心では「ああ、それは辛いという言葉では言い表せないくらいのことだったろう」と思ったり、どんな風な言葉を投げかけようか、黙っていようかなどと考えたりしています。話を聞きながら、とにかくいろんなことをしています。他の人もたぶん。

 いろいろなことがポンポンと浮かんでくると、それに左右されそうになったり、あれ何を言おうとしたんだっけかと思ったり、自分で迷子になることも無きにしもあらずでした(汗)。しかし、マインドフルネスをやるようになってから、そうした迷子になることはなく、まるでテーブルの上に、「これもあるよね」、「これもあるよね」と並べていって、そしてじゃあどれを伝えようか。これはクライエントさんの困っている背景にはこれとこれで、こんな風に影響しあっているのか、という風に、自分頭の中がクリアになるというか、ワーキングメモリが広がったというか、とにかく整理された状態になりました。そのため、落ち着いて選び、口を開くということを意識的にできるようになりました。

 以前は、「ちょっとそっちに向かわせたいわけじゃないのにぃぃ、、」と話が逸れていってしまうような感じがありました。しかし、個人的な感覚ですが、クライエントさんにとって自己理解が深まるようなプロセスが増えていきました。 セラピストとして話している自分をちゃんとわかって、伝えたいことを伝え、伝えなくていいことはそのままにし、相手を尊重しながらカウンセリングを進めることができていると思います。そして、カウンセリング後の疲労感が少なくなり、前向きな気持ちになれることが増えました。

変化(2)「からだのことがよくわかる」

基本的に姿勢が悪い僕は、仕事をしているその時も姿勢が悪いのです。変に力の入っているところがあったり、痛みに注意を引っ張られ、それを緩和するために動いていたりしています。ボディスキャン瞑想という瞑想をやっていると、「じっとしているのが不快で辛い!」ということが度々ありました。でもそれは、体が運動不足で動きたがっていることだと理解しました。体を動かすととても気持ちがいいこともわかるようになりました。最近、家に薪ストーブの薪のために木を切りに行ったり、斧で割ったり動くことがとても気持ちが良いです。
体は自ら話すことはないけれど、体が発信していることはたくさんあって、案外そこに目を向けていない、というよりもむしろ無視してしまっているということは誰でもあることではないかと思います。それをわかるということは、あたかも自分の相棒を改めて得たかのような感覚があります。ちゃんと相棒のことは大切にしようと思うわけです。

変化(3)「感謝の気持ちが溢れる」

 先日、家族から離れて5日間のリトリートという瞑想に集中する長期のプログラムに参加しました。その時、ホテルに泊まったわけなんですが、屋上で感じる太陽の光やその温かさや少し遠くに見える海がとても心地よいものでした。外にあまり出られなかったので、事前に買っておいた無印良品のレトルトのご飯を食べたのですが、またこれがおいしいこと。自然と手を合わせたくなるのでした。温かいお風呂もそう。別に露天風呂だとか大浴場でもない、ビジネスホテルのユニットバスでも温かいお風呂を入れたら、それだけで幸せを感じました。ホテルの人は、このプログラムへの参加を知っているので、静かな部屋を用意してくれたり、そっと替えのタオルをドアノブにかけておいてくれたり、それもありがたかったのです。

 それからというもの、家に帰ってからは、作ってもらっていた朝ごはんや洗ってもらっていた食器も妻のおかげであって、当然のことではないわけです。だから、ちょっと妻に甘えていた部分を、ただ単に自分に厳しくして止めようというのではなくて、感謝の気持ちをもって少しでも家事をできる範囲でやって家事の負担を軽減しようということで、進んでやるようになりました。

 子供にも自動的に反応して、「あー!ダメ―!」とか叫んでいたこともありましたが、以前にも増して、もっとちゃんと目を見て話をしたり、アドバイスするにも、「こうすればいいじゃん」じゃなくて「こういう風にすることもできるよね、どうかな?」って言うようになりました。心理職だからと言って、別に模範的な父親をやれているわけじゃないのです。


変化(4)「人とのつながりをより深く感じる」

 家族、友人がもっと愛おしくなったというと言い過ぎな感じもあるけれど、でも、その存在の大切さとかありがたみとか、それらに対する気持ちを言葉にすれば、「愛おしさ」になると思います。元々そこにあった気持ちだったけれど、十分わかっていなくて、それを深く感じられるようになったような気がします。どうもうまく言葉にならない感じもあって、上手く伝わらないかもしれません。それでも、続けて説明してみれば、もともと愛おしさという言葉で表現できるはずの事柄を実感できるようになったと言えるかもしれません。

 マインドフルネスを共に学ぶ仲間たちがいます。皆さんとは社会的な背景を脇において、人と人との純粋なつながりの中で、より人間味のある交流を図ることができます。マインドフルネスというものでしかつながっていないのですが、人とのつながりを確かに感じます。

 特に専門職として、職業や経験年数などを聞くだけで身構えてしまういつもの私がいるけれど、そうした自分を脇において、人間としての敬意や尊重、思いやりをもって付き合うことができる。そして、そこで安心も感じられています。逆に、自分にとって自分以外の人の些細なことが嫌なことにつながっていることにもわかって、良くも悪くも人に影響を受ける自分なんだということを受け止めています。

まとめ

 他にもマインドフルネスによる自分の変化はあるのかもしれませんが、いわゆる集中力が上がった!みたいのはそれほど感じません。でも、しいて言えば、本を読めるようになったというのは自分にとっては大きなことでした。本を読むと、全部吸収しないといけないと思って、読み進めるのが苦痛でした。それを首が痛いとか言って遠ざけていました。でも、そうできたらいいけどねってわかっておいて、覚えてなければまた読めばいいんだし、首が痛いなら姿勢を変えればいいよね、むしろ新しい知見を読むことで自分のタイミングで得られるなら、とても素敵な体験。そう思って読んでいます。そういう意味では、自分の中にある「こうあるべき」を少しずつ変えていくことができているのかもしれません。


これからのこと

 まだ先になりますが、あと半年~1年後くらいには(?)、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)8週間プログラムをオンラインで募集いたします。内容はちょっとググっていただけるとありがたいのですが、一般的なプログラムの内容は決まったものになります。もし受けてみたいという方がいらっしゃったら、とてもうれしいです。性別・職業に関係なく参加いただけます!心理職の方もそうでない方も是非。特に世の働く男性は、このようなセルフケアから遠ざかりがちだと思うので、ぜひご参加いただけたらと思っています。


この記事は個人的な体験をつづったものです。マインドフルネスの正確な説明や効果については、ジョン・カバットジン博士の「マインドフルネスストレス低減法」をおすすめします。また、マインドフルネスによる効果や影響は個別性が高いため、この記事同様の効果が得られるとは限りません。

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