「優しくつながれる場所」を作るために(3)
ご挨拶
1月になってなるべく早くご挨拶をと思っていたのに、気づいたらもう2月も間近。本当に日が経つのは早いものです。
新型コロナウイルスは収まりをなかなか見せず、対策やそのための行動などにおける意見は本当に個人差があって、同じレベルで認識することが難しいなと感じます。マスクはどんな生地のものがいいとか、帰ったら全ての服を洗わないといけないとか、やっていることやその基準はさまざま。ただでさえ人間関係って難しいのに、コロナ禍によって人間関係をより複雑にして、つながりを維持するのをより難しくしているように感じています。コロナにかかりたくないっていう思いは同じなのに、と思います。
特に、いまは「責める相手」や「敵」を作ってしまいやすいと思います。日常を制限され、我慢し、自由が利かないことで、不満や怒りやもどかしさを感じる人もいます。だから、そうしたくなるのも無理もないことです。
制限された生活で大丈夫な人もいれば、もちろん大丈夫じゃない人もいます。どうしても穏やかでいることが難しい状況になりつつあります。それをわかるだけでも、ちょっと自分と相手との間に線を引けるもの。そう言っても、なかなかそう簡単にはいかず、見えないところで心苦しい思いをされている人がいるのではないかと思っています。
「優しくつながれる場所」を作ってみた
さて、昨年12月に、MOSSで企画された「模擬GSV」。そのSVerを担うことになり、言ってみれば、SVらしくないSVを全3回で開催しました。
「そもそも人が来るのか?」
なんて思ったわけでしたが、思いのほか勇気も、お金も出してきてくださる人が4人もいらっしゃった。本当にありがたかったし、何よりとっても嬉しかった。そんな機会をくださった若きエンジニア、むらっちにも、心底感謝。皆さん、ありがたいフィードバックをしてくださいました。
自分にとってやってみたかったのは、「安心・安全を感じられる場所」でした。そんな場所を作ることができて初めて、自分の思っていることや考えていること、そして悩みや課題などについて触れていけると思ったからです。
私には何か教えてあげられることは少ないし、逆に教えてほしい事ばかり。だから、そんな自分がグループのまとめ役を担うのはどこか不相応な感じもしました。しかし、MOSSが事前に用意してくれたシラバスや自己紹介シートに、どんな人間でどんなことをしたいと考えているのかの情報をまとめてくれたことも手伝って、参加者と私との間に大きなズレがなくグループを作れました。
収穫と希望
「どんなことを話してみたい?」
そんなざっくりとした質問と自己紹介から始まったGSV。自己紹介に加えて、皆さんが緊張感なくお話してくれました。
一番緊張していたのはそう、決まって私なのでした。
実は「ねこのて」さんに、このSVに関するSVをお願いしました。それくらい大事にやりたいグループであったと思うし、残り2回をどのように回したらいいものかと迷っていたのでした。ねこのてさんにアイデアをいただき、これでなんとかやれるかなと安心したものでした。ねこのてさん、ありがとうございました!
実際に話すのは皆さん。私は人と人、話と話をつなぐ役割のみ。時に、焚き火に風を送るように、働きかけるだけでした。
3回目、いや2回目の時にも、すでに私が風を送らなくても、火の勢いが弱まることはなくて、とても温かい焚き火のままで、それを囲み続けていました。
近年注目される焚き火のような、暖かい場所となった上、最後に火を消すのを惜しむほどだったと私は思っています。また、皆さんに会いたいですね。
私ができることと、できないこと
気軽に仕事や自分のことについて話ができて、ちょっとした相談ができる場所や相手があったらいい。そんな風に思います。
私たちが心理職を目指し始めた頃において、最初のそうした場所はゼミだったり院生とのつながりだったりしたのかもしれません。しかし、次第にゼミも、院の同期も、疎遠となり、次第になんとなく孤立していくように思っています。
今日なんかちょっと辛いけど、それって重たい話聞いたからだよね…
っていう独り言でも聞いてくれるような、あるいは、それを言っても言いっぱなしでもいいようなところがあるといいなって私は思います。
人は「大人」を装って理性的になりすぎることがあると思います。
「それはみんなわかって我慢してやっているじゃん」
「そんなことも知らないんじゃ心理職やれないでしょ」
「私が5年目の時は1日に8ケースやってた」
とか耳にします。
みんなそれぞれが大変な思いをしているから、目の前の弱音や弱気に自動的に、反射的にそう反応したくなるのもわからないでもないのです。
どの業界もそうだけど、同業者に対して厳しい目を向ける風潮があるようですが、心理職もそれでいいんでしょうか? よっぽど当事者グループなどを見習うべきであったりするような気もします。
一人の人間が全てをまかない、満たし、救い、広げることは難しい。それは当然のことだと思っています。それは、できない個人を守るために使う言い訳じゃなくて、一人ではやりきれない複雑かつ膨大な問題に、複数人で、様々な形で対応する網の目を作るための動機にしたい。
一人の人間ではできないこともあるし、一人の人間だからこそできることもある。すべての人にとって良いものを提供するための自分を目指して自分を見失うくらいなら、やっぱり誰かのたった一人のためだけにいられる一人でありたいと思うのです。
思いやりを広げる
ありがたことに去年書いたこのシリーズのnoteをいまだに読んでくださって、リツイートしてくださったり、メンションくださったりする方がいて、本当にありがたいです。
今年も自分にできることはやってみたいと思っています。困っている人のために日夜活動している人たちがいます。本当に、彼らがたくさんの人のために活躍できるサービスに仕上げ、大きく羽ばたいていくことを願っています。この世から悩み事がなくなったら、私たちの仕事がなくなるけれど、その時はサービス運営者側で働こうかな、なんて。
「優しくつながれる場所」という名前ではないけれど、どこかでそんな場所を作り続けていこうと思っています。サービスの内容とか決まったわけじゃないけど、サービス名「Takibi」とかよさそう。どうですか?
2021年はコレをやりたい!
■マインドフルネス
話は変わりますが、やっぱりちゃんとマインドフルネスやりたいなって思っていまして、こちらを受けて見ることにしました!まだ仮予約中です。
ちゃんと自分の中に系統的な学習で落とし込みたいと言う動機もあるし、マインドフルネスの可能性に期待しているのもあります。来週から8週間がんばるぞー!
あと、マインドフルネスといえば、去年、特にお世話になったLe:selfさん。
https://twitter.com/Leself2020
志乃さんはMOSSのGSVの話がある以前から、若手向けのグループをぜひやってほしいという話をしてくださっていました。なんらかの形でといろいろと温めていたわけですが、いい意味でその火種を作ってくださったのはまさに志乃さんだなと思ったわけです。それがなかったら、今回の焚き火のような場所はできあがらなかったんだなと思いました。だから、とても感謝しています。それをここに書いておきたいと思いました。ありがとうございます、志乃さん。
■AEDP
こちらも注目の心理療法。一部カウンセリングの中に取り入れてみたら、劇的に変わったりして、感情の力に驚いております。
AEDPはある意味、偶然の繋がりで知れた、私にとって縁のある療法です。SVでも暖かな雰囲気を作ることを大事にしているというAEDP。そこに恐れや恥などを感じる体験はないのだそう。ファーストネームで呼び合うということも人とのつながりをより感じさせるものだなと思っています。あの分厚い本も購入しました。読み進めるスピードは遅いけれど、少しずつ進めています。
「人を育む愛着と感情の力 AEDPによる感情変容の理論と実践」https://www.fukumura.co.jp/book/b331357.html
おわりに
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。また、続きを書けられるといいのですが、それまで、Twitterの方をご覧くださいませ。
1日でも早くコロナがおさまりますように。
今年もどうぞよろしくお願いいたします!
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