浄土真宗本願寺派 弘教寺

弘教寺(ぐきょうじ) 千葉県市原市姉崎にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

浄土真宗本願寺派 弘教寺

弘教寺(ぐきょうじ) 千葉県市原市姉崎にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

最近の記事

2024年 4月 副住職だより【桜と菜の花】

副住職だより 【桜と菜の花】 先日、市の外国人対象の日本語教室のバス研修旅行の引率のボランティアをしました。高滝湖畔の桜並木が研修の一つの見所でしたが、開花の時期が遅れ見る事が出来ませんでした。バス車内では「桜が見られず残念」と声が上がりました。しかし、直後に外国人の方が「皆見て!綺麗な菜の花が咲いています!」と言って下さり車内は盛り上がりました。現状を憂うのではなく、いま目に見えているものを大切にする外国人の方の姿勢に対し、素敵だなと思いました。 豊島学由先生の「失った

    • 2024年 3月 副住職だより【出会いと別れ】

      副住職だより 2024年 3月 【出会いと別れ】  三月は「出会いと別れの季節」と聞いた事があります。先日、弘教寺スクールの受験生の県立高校入試がお陰様で無事終わりました。これまでお寺に勉強に来てくれていた受験生も今年度の授業が終わり、机と椅子だけが並ぶがらんとした空間を見ると少し寂しい気もします。  かつて、宗祖の親鸞聖人はお師匠様の法然上人と流罪による別れに際し「会者定離ありとはかねて聞きしかど、きのう今日とは思はざりしを」と仰られました。「出会いがあれば別れが来るの

      • 真宗法語カレンダー 2024年2月 「念仏をはなれて仏もなく自分もない」

        真宗法語カレンダー 2024年2月 「念仏をはなれて仏もなく自分もない」 今月の真宗法語カレンダーは「念仏をはなれて仏もなく自分もない」という金子大栄先生のお言葉です。 この言葉は 「ご縁に遇わなければお念仏を申すはずのなかった私を、ずっと見捨てる事なくお念仏申す身に育て続けて下さる阿弥陀様がいらっしゃるからこそ、この私がいる」という事を示してくださっています。 南無阿弥陀仏のお念仏とは阿弥陀如来様そのものです。いまこうして仏様の前に座って、この私が手を合わせている

        • 2024年 2月 副住職だより 【正論】

          副住職だより 法話 【正論】  最近読んだ本に『正論を子どもに振りかざしても何も解決しません。今のその子のありのままを認める事が大切です』という一節がありました。  私たちは自分の価値観や常識などを「正論」として身に付け、それを「間違いのないもの、正しいもの」と思い込んでいます。ですが正論は時や場所によって変化し、永久不変の正論は存在し得ません。  この私が物事を見る眼は、煩悩に遮られています。真実をありのままに見る事が出来ず、自ら気づかぬうちに他を傷つけ、いのちを犠牲

        2024年 4月 副住職だより【桜と菜の花】

          法話 弘教寺冬休み子ども会

          皆さん、おはようございます! はじめましての方もいるかと思います。 わたしは弘教寺の副住職の小林です。今日は冬休みの会に来てくれてありがとうございます。よろしくお願いします。 皆さんは今、緊張していますか? お互い初めて会う人もいるので、緊張している人もいるかもしれません。 でも今日この後にみんなでするボードゲームは楽しいですから、ぜひ楽しんで下さい。緊張していても、楽しむ気持ちを持てば、『自分もみんなも』楽しい気持ちになると思います。 お経の中に『和顔愛語』という言葉

          法話 弘教寺冬休み子ども会

          真宗法語カレンダー 2023年12月 「一人一人がお浄土を飾っていく一輪一輪の花になる」

          こんにちは。 真宗法語カレンダーの今月の法語は、 「一人一人がお浄土を飾っていく 一輪一輪の花になる」です。 こちらは、私が3年前に通っていた大阪・高槻の行信教校でかつて校長先生をしていらっしゃった梯實圓(かけはし・じつえん)先生の言葉です。 一人一人が極楽浄土を彩る花である。こちらの法語の元となったものは阿弥陀経の阿弥陀仏の浄土に咲く蓮華の花のありさまを語った「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」です。 青色の花びらを持った花は赤色の光を放つことは出来ません。青色

          真宗法語カレンダー 2023年12月 「一人一人がお浄土を飾っていく一輪一輪の花になる」

          2024年 1月 副住職だより 【ふるさと】

          副住職だより 法話【ふるさと】  先月数年ぶりに出生地である群馬の母の実家に帰りました。僅かな時間でしたが祖母に会う事が出来、本当に嬉しく思いました。最寄りの駅から実家まで祖母と一緒に歩いたのですが、駅前のヨーカドーが無くなっていたり、建設中のマンションがあったりと移ろいゆく日々の中で故郷も徐々に変わっている事を実感しました。  世界各地では紛争なども起きていますが、かつて慣れ親しんだ故郷は状況や環境次第で変化し、また故郷そのものが失われてしまう事もあるかもしれません。

          2024年 1月 副住職だより 【ふるさと】

          2023年 11月 副住職だより【思い出の音楽】

          副住職だより【思い出の音楽】  突然ですが、思い出の音楽はありますか?   先日偶然インターネットで某アーティストのライブを見て、広島での僧侶の学生時代に聴いた事を思い出し「色々あったけど頑張ってきたな」と感傷的になり、自然と涙が溢れました。  このように音楽が少なからず私の心を動かし、影響を与え、喜怒哀楽の感情を生じさせています。   阿弥陀経にも『極楽浄土では、そよ風が様々な宝でできた樹木や飾り具を吹き動かす度に美しい音色を奏でています。まるで百千種の音が同時に音

          2023年 11月 副住職だより【思い出の音楽】

          2023年 12月 副住職だより【つながり】

          副住職法話 12月 【つながり】 先日趣味のボードゲームの集まりがあり、とあるゲーム内で「死ぬまでにしたい事」というお題を巡り「お世話になった人に感謝を伝える」か「大金を手にして欲しい物を買う」のとどちらが意義深いか話し合いました。 私は前者でしたが少数派で、後者を支持する方から「私は普段の繋がりは少ないし、偽善のようにも思える」と言われ「なるほどそういう考えもあるのか」と思いました。結局「大金を手にしてお世話になった人にお金を使う」という折衷案(?)でゲームは決

          2023年 12月 副住職だより【つながり】

          真宗法語カレンダー 2023年10月 念仏というのは 私に現れた仏の行い

          念仏というのは 私に現れた仏の行い    こんにちは。今月の真宗法語カレンダー、10月の法語「念仏というのは私に現れた仏の行い」ということばを味わっていきたいと思います。  お念仏とは、私の口から出たことばを通して「南無阿弥陀仏」と称えさせて頂いているものです。しかし決してわたくし自らが頑張って発しているものではありません。  日々、煩悩によって迷い、娑婆世界を彷徨いつづけているこのわたしの心に阿弥陀如来様が「私を浄土に迎え取らなければ仏とならないぞ」というご本願のお

          真宗法語カレンダー 2023年10月 念仏というのは 私に現れた仏の行い

          2023年 10月 副住職だより【進路】

          副住職だより10月【進路】 秋ですね。弘教寺スクールの受験生にとって進路を考える季節となりました。進路とは「進んで行く道」と書きますが、中学生なら今までの15年間の人生経験と知識の中で自らの進む道を決め、受験したり就職したりする必要があります。見えない将来への不安と向き合い、歩みを進めていく。これは大変骨の折れることです。 私も他人事ではありません。歩みを進めていく人生の最後はいつ終わりを迎えるか分かりません。そんな自らのいのちと向き合う事が出来ず、今考えうる範囲内

          2023年 10月 副住職だより【進路】

          テキサスホールデムポーカー×法話

          【仏様のお話】  今回は「自分のものさし」という事についてお話したいと思います。  何かの記事で読んだのですが、将棋棋士の加藤一二三さんの逸話です。一二三さんは対局中に相手の後ろに回りこんで、将棋盤を見つめる事があったそうです。これを「ひふみんアイ」と言うらしいのですが、つまり相手の方から盤面を見ることによって名手が思いついたことがあったそうです。  テキサスホールデムポーカーもプレイヤーの勝率がめまぐるしく変わる局面で最良の一手を考え、相手と対峙するのがゲームの醍醐味

          テキサスホールデムポーカー×法話

          2023年 9月 副住職だより 【しあわせ】

          2023年 9月 副住職だより 【しあわせ】  日本語教室での出来事です。外国人の生徒さんと一緒に勉強してきたテキストの最後の問題は「あなたが一番欲しいものは何ですか?」でした。  解答例には時間、お金、若さなどが紹介されていました。生徒さんは「しあわせ」と答えました。  皆さんはなんと答えますか?これを契機にしあわせについて考えてみました。  私たちは「幸せ」を求めて生きています。幸せの定義は皆違います。という事は幸せとは自分の欲望が満たされた状態ではないでしょうか

          2023年 9月 副住職だより 【しあわせ】

          弘教寺夏休み子ども会法話「おかげさま」

          皆さんこんにちは。 今日は夏のお寺の勉強会にお越し頂き有難うございます。 突然ですが質問です。 今日お寺に来る前に何をしましたか? 朝ご飯を食べましたか? 食べずに急いでお寺に出かけたでしょうか? お寺に着くまでにもお米を作ってくれた農家さん、今日乗ってきた自転車を作ってくれた方など、沢山の方にお世話になり、おかげ様でこうして皆で集まる事が出来ました。 これは決して当たり前の事ではありません。私たちは繋がりの中で生きています。 でも、今日は初めて一人で来たから孤独で

          弘教寺夏休み子ども会法話「おかげさま」

          真宗法語カレンダー 2023年7月 法語「正しいものに遇って 正しくない自分を知らされている」

          7月のカレンダー 法語 「正しいものに遇って 正しくない自分を知らされている」 というおことばは、浄土真宗本願寺派の利井明弘先生がお話されました。この方は私が行信教校(大阪・高槻)時代に下宿していた「常見寺」というお寺の住職様のお父様です。 「正しいものに遇って 正しくない自分を知らされている」というのは、南無阿弥陀仏のお念仏の教えを通じ、この私かいかに煩悩を抱えたおろかな存在で、わがままに自己中心的なふるまいをしているのか、知らせて頂くという事です。 この私は自分の価

          真宗法語カレンダー 2023年7月 法語「正しいものに遇って 正しくない自分を知らされている」

          2023年 7月 副住職だより 【笑顔】

          先日、お寺にて小学生が私の前に座りました。その子は屈託のない笑顔で私の方を見てくれていました。そのすばらしい笑顔に私も自然と笑顔がこぼれました。「最近、自分が人に対してこんな笑顔を見せたのはいつだっただろう」と思うと同時に、「この私が笑顔になるよりも先に、笑顔を振り向けて下さる」存在を知った時、とても嬉しい気持ちになれました。 歌手の高橋優さんの福笑いという楽曲の「誰かの笑顔につられるように こっちまで笑顔がうつる魔法のように 理屈ではないところで僕ら 通じ合える力を持って

          2023年 7月 副住職だより 【笑顔】