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外から見える日本の駅伝文化とは

オーストラリア、シドニーより2人の女の子が2泊3日の駅伝チームの体験に来てくれました。きっかけは今年の2月、3月に私がシドニーに滞在した時にコーチングを行ったこと。
日本独自の駅伝文化は果たしてオーストラリアのランナーにとってどう感じたのでしょう。


部活動制度というものが基本的にないオーストラリアには、何かスポーツをやる際はクラブチームに所属するのが通常とのこと。そんなオーストラリアにもランニングを始めるきっかけとなるクロスカントリーのシーズンが4月から8月にあります。

まずは学校の代表を決める校内レースが行われ、そこで選ばれると、次に地域の学校がいくつか集まった「Zone」というレースに進むことができ、その後、「Regional(地区大会)」、「State(州大会)」、「Nationals(全国大会)」へとつながっていきます。
中学駅伝を機に長距離を始める人がいるように、オーストラリアにもこのクロスカントリーを機に走ることを始める人がいるようです。そして今回練習に参加してくれた2人もやはりこのクロスカントリーがきっかけだったとのこと。

昨年、5ヶ月間日本に留学した2人はそこで日本の部活動を初めて経験。ほぼ毎日行われる部活動にはちょっと戸惑いもあったと。

やはりクラブチームの練習は毎日行われるわけではないようで、私が知る限りでも週3−4回がいいところではないでしょうか。そのため練習量を聞くとクラブの練習以外で自主的に走らない限りはかなり少なめで、日本の駅伝強豪校と比べると半分もしくは3分の1程度ではないでしょうか。

今月中旬にZatopek10(オーストラリア10000m選手権)をオーストラリア新記録(27分23秒80)で制したStewart McSweynは高校時代はちゃんとした練習はやったことがなく、せいぜい週30-40km程度の走行距離だったと。リオ五輪10000m代表David Mcneilも高校時代は週30km程度、ドーハ世界陸上5000m代表Mogan McDonald、2018年全米学生選手権1500m優勝のOliver Hoareらが多くてアメリカに渡る前に60kmまで練習を引き上げたと彼らのコーチも話しておりました。おそらく私は高校時代週100kmは超えていたと思います。

ここではこの練習量がいいのか悪いのかという話がしたいわけではなく、ただ駅伝大会の規模の大きさがジュニア選手たちを魅力し、練習をして上を目指そうというモチベーションに繋がっているのではないかと思います。

そしてこの2人も駅伝を走り、大会の雰囲気、周りの生徒たちのレベルの高さが走るモチベーションに繋がったそうです。

初日はペース走に参加。トラックを何周も走るのは初めてのため、距離以上に周回数にやや驚きの様子。

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翌日の朝練習の集合時間の早さには、さらに驚きでした。
「なんでそんなに早いの?」の声が!
眠そうな様子でしたが朝の補強練習に参加。練習前に行う「体操」はやったことがないため新しいことだらけです。

ただ早朝練習は日本独自というわけではなく、オーストラリアのトップランナーDavid McNeil、Lisa Weightmanの朝練に同行した時は朝の6時スタートでした。平日は6時からハードな練習を行うランニングクラブもあります。

最終日には3000mのタイムトライアルに1500mまで参加しました。慣れない環境で少し風も強い中2人も自己ベストを更新。まだ陸上をまともに始めて1年、今年3月に見た時とは別人のようにフォームが良くなっており、これからもどんどん伸びていきそうです。
何よりすぐに学生と打ち解けて純粋に楽しむ姿にはただただ感心するばかりです。

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「いろんな環境に触れてみるのが楽しみ」と異国の大学生の練習に参加することを楽しめるのはものすごい強みだと思います。

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今年はオーストラリアから計4人の選手が練習に来てくれました。
2020年いよいよ来年はオリンピックイヤーとなりたくさんの人が日本に来ることになると思います。このチャンスを生かして、ランニングを通してもっと多くの国際交流の場を設けることができればと思います。

日常からの学び、ランニング情報を伝えていきたいと思います。次の活動を広げるためにいいなと思った方サポートいただけるとありがたいです。。