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先生になった3週間

3週間、母校に戻って教育実習をしていた。

そして今日は実習から日常に戻って2日目。

何回もクラスの集合写真を見返してしまうし、もう勉強しなくていい大気の大循環の本を読んでしまう。

この3週間はほんとうに、受験期ぶりに勉強を頑張ったと思う。人の名前を覚えることも。体調管理も、スケジュール管理も。

毎日毎日降ってくる教材研究。授業の改善案。生徒との何気ない会話。HRで話す内容。LHRの企画。掃除。黙食指導。部活動。

自分がご飯を食べる時間などなくて、ゆっくり寝れる暇もなくて、テンションが下がる時間もなかった。

廊下にでれば「こんにちは」と生徒から挨拶が飛んでくる。

教室にはいれば、「せんせー!」と声が飛んでくる。

いつなんどきも、見られている意識が必要だった。学生だし、歳も近くて、たぶんなめられていたけど、それでも先生だった。

毎日毎日、「もう無理」「今日は早く寝る」「終わらない」が飛び交う教育実習生控え室。

みんな限界だったけど、「あとちょっと!」「早く寝るためにがんばろ」「授業よかったよ」がちゃんと飛び交う教育実習控え室。そしてチョコ配りの方が毎日現れる。

仲間の存在って偉大だったなと思う。
34歳の実習生も、2つ歳上のお姉さん実習生も、同期の実習生も。みんなみんなありがとう。

さて、教育実習という非日常に投げ込まれた私は、この3週間でいくつかの悟りを開いた。

・どんなに無理でも、時間は流れるし明日はくる。
・わたしがいなくても世界は回る。
・マウントの無意味さ。
・素直に褒めることの難しさ。
・「今」の尊さに、今は気づけない。

土偶好きで他クラスにも定着した

・どんなに無理でも、時間は流れるし明日はくる。

苦しくても、辛くても、頑張っても、頑張れなくても、時間は流れていて、また朝がきて、明日がくる。

授業案が完成しようとしまいと、明日は来てしまう。

笑っちゃうくらい、明日がくる。

気づいたら明日になってて、気づいたら3週間が経っていた。

長かったし、早く終わって欲しかったけど、毎日毎日が必死すぎてそれが積み重なって3週間が終わってしまった。

今日の次には、明日がくる。これ、なんか、当たり前だけどほんとうにそう。

・わたしがいなくても世界は回る。

これはずっと前から思っていたことではあるけど、身をもって実感した。たぶん実習生はみんなそうだと思う。

いつものバイト先、大学、サークル、部活、、、当たり前のようにそこにいたけど、自分がいなくなっても穴は埋まっているし、正常に回ってる。

いつしか日常の会話に追いつけなくなって、辛いねって他の子とも話していた。

そして、3週間あんなに熱意をもって過ごした母校からわたしたちがいなくなっても、また月曜日がやってきて生徒たちの日常は回る。

人間ってそんなもん、とポジティブにもネガティブにも捉えられた。

いなくても世界は回るけど、「あなたがいると明るくなる」とか「いなくなるのはさみしい」とか、そういうことを言ってくれて感じてくれる人がいるありがたさも感じた。

・マウントの無意味さ

その人にはその人の、大変さと辛さがあるのであって。

「授業が多くて大変!!え?2コマしかないの?羨ましい〜〜!」

の羨ましい〜!が余計である。

あなたは確かに大変で、だけど、2コマだろうが大変なもんは大変で、そこにかける熱量が多いだけだと思う。

自分の中の大変基準はあるし、まあほんとにみんな大変なんだけど、人がどうだから羨ましいとか楽でいいなとかそんなのはその人次第だ。

と思った。

・素直に褒めることの難しさ。

いいなと思ったら、一旦褒めればいいのにと思う。

でも、きっとプライドが邪魔するんだろうと思う。

ダメ出しから入り、「まあ、よかったと思うよ」という流れは全然褒められた気がしないだろうな。実際、その人の授業はよかったのに。という個人的な考え。

自分自身に向けられた言葉ではないけど、

いいところもよくないことも同じ熱量で伝えたいと思った。

なんなら私は、いいところの方が全力で伝えたい。
よくないことはその人の方がわかっているだろうから。

私は、気をつけていたつもりだったけど、

同じ実習生がものすごく上手な授業をしていたとき、素直に「すごい!」と言えていただろうか。プライドが邪魔していなかっただろうか。

素直に認めることってどこか少し難しいんだ、きっと。

・「今」の尊さに、今は気づけない。

高校生のとき、毎日勉強や部活に追われていて早く大学生になりたかった。

でも、いざ大学生になってみて感じた、高校生の素晴らしさ。毎日打ち込むことがある素晴らしさと頑張ることができることの素晴らしさ。

もう二度と戻れない時間。

「高校生って大変で、もちろん大学生は自由で楽しいけど、高校生はそれはそれで頑張ることができる素敵な時間なんだよ」

と、いくら伝えても生徒たちには伝わらない。

きっと、もっと大人になったら今の生活も、「尊かったな〜」と思うのだろうな。

もらったお花

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かわいくて仕方ない生徒と、もう2度くらいしか会えないと思うと悲しいし、この子たちが卒業するときにはもう忘れられてるだろうと思うと悲しい。

研究授業では、「先生の大事な日だから!」と黒板を綺麗にしてくれる子がいたり、「おれが盛り上げる!」と盛り上げすぎちゃう子がいたり、にこにこ笑顔で授業を聞いてくれる子がいたり。

最後の日には「俺たちだるい人たちだから、先生がいい人じゃなかったらこんなにプレゼント作らないよ〜」と言いながら、動画と色紙をくれたり。

実習は本当に大変で、二度と戻りたくないけど、あなたたちにまた会えるならやってもいいかなと思ってしまう。

ほんとうに優しくしてくれて、ありがとう。

すぐには教師にはならないけど、いつか教育に携わっているような気もした。どうだろう。わからないけど。

もしいつか自分が担任をすることになっても、この3週間もった子たちが最初の生徒だと言いたい。

みんな素敵だから、これからも元気に楽しく過ごしてね。きっと大丈夫。


日常からちょっと抜け出してみるのも、悪くないなと思う3週間でした。


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