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授業の様子⑬:グローバルスタディーズ学科

今回は、選択科目の紹介をします。グローバルスタディーズ学科の教育は、基本的には日本語で行われていますが、教員のなかには、海外にルーツを持っていたり、長く海外で生活していたことがあったりして、さまざまな言語を日常的に使用しているものも少なくありません。選択科目「フランス語圏」シリーズは、本学科のこうした特色を活かし、フランス語に触れる機会を持ってもらおうと考えて開講された科目で、文化、社会、経済、メディアなどテーマを変えて毎クオーター1科目ずつ展開されています。

授業の様子(2022年11月撮影)

比較的少人数のクラス運営で、受講生の関心にあわせながら、世界中に広がるフランス語圏社会について学んだり、今世界で起こっているニュースをとりあげてディスカッションをしたりして、フランス語圏でのフィールドワークに備えています。普段日本語や英語だけで集める情報とは違った視点から世界をとらえる練習にもなります。

第1クオーターの『フランス語圏事情理解』では、ハイチ、マリ、コンゴ、ベトナムなどのフランス語使用の歴史と現状について紹介したあと、「旧フランス植民地でフランス語を教えるべきか」というテーマで、賛成・反対の役割分担を決めてディベートを行いました。自分たちがもともと持っていた意見とは必ずしも一致しない役割を担当して、論拠を考え、相手チームを説得しようと意見を出しあっていくなかで、言葉の持つ役割や(ときには有害にもなる)力について、さまざまな発見があったようです。

ディベートで出た意見の一部(2022年6月撮影)

第3クオーターの『フランス語圏経済理解』では、春からフランス語圏のフィールドに行くことを想定して、簡単なフランス語でニュースを聞いたり、日常的なフレーズを考えたりしながら、実際にフランス語に触れる時間を多く持っています。京都精華大学にはフランス語圏からの留学生、研究生も多く在籍しているので、学生たちは、授業で覚えたことを題材に、すぐに実践に移して交流を深めているようです。フランス語圏は広く、地域ごとに異なるフランス語表現もあるため、表現の違いを通して、社会の背景をも想像することができるようになることが目標です。

2022年11月28日
中尾沙季子(グローバルスタディーズ学科教員)

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