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砂の惑星

「興味ありそうなら、少し長いけど皆で行こうか」

007を家族で鑑賞した2週間後、「デューン 砂の惑星」をまた家族4人で見に行った。ドゥニ・ヴィルヌーヴの監督作品に初めて触れたのは2016年の「メッセージ」。映画館で久しぶりに大人向けの上質な物語に触れたと感動した。そんな今回はDuneの話。

映画の思い出

私がDuneに触れたのは1984年の映画がきっかけ。ちょうどスターウォーズが世界を席巻していた頃で映画のポスターを見て、本編を見るより先にサントラを買ってしまった。結果的には映画を見る機会は逸し、英語のモノローグから始まるサントラは当時、英語が全く分からない少年にはなかなか敷居の高い経験となった(ちなみにTotoのサントラはとても良い)

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原作は1965年の作品。SFが好きでアーサー・C・クラークやアイザック・アシモフはずいぶんと読んだのだが、フランク・ハーバートのこの作品はずっと手付かずだった。1984年の映画は後にテレビ放映の際に見た記憶があるのだが、巨大なサンドウォームが出てくることと、登場人物の目が青くなること以外はあまり記憶になかった。

家族へのインパクト

こんな知識の持ち主だが、役者陣の豪華さとヴィルヌーヴの新作ということで予告編を観た時から期待値は高かった。ヴィルヌーヴのファンだけどSFが苦手な妻は、ティモシー・シャラメが主役だしという感じで同伴。

結果は凄かった。冒頭から映画に胸を鷲掴みにされ「体験」。圧倒的な映像美と音楽でここまで一つの世界に没入した経験はそうない。タイトルにPart 1と出て、2時間35分という上映時間をもってして話が途中で終わるという荒技。

映画鑑賞後、妻はそのまま近所の書店に行き、ハヤカワ文庫の原作本(上中下巻)を購入。数日後にはIMAXで映画を再鑑賞してきた。私は好きな映画を映画館で何度も観ることはあるが、妻がそれをするのを見たのは初めてかもしれない。

その時点では続編制作は決定されておらず、日本では興行成績的にも振るっていないと聞いてヤキモキしていたなか、朝にこのニュースを見て大喜びをしたり。

そしてIMAX

最近の映画は最高の環境でネタバレを避けて楽しもうと思ったら、公開直後に行かなくてはならない。IMAXを体験した妻が「3度目を観に行っても良い」と言うのを聞き、何がそこまでと私も突き動かされた。次の大作が始まってIMAX上映が終わる前に行かなくてはと会社を休み、一人、平日の朝に映画館へ

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心の底から感動した。

確かにもう一回行っても良い。絵の一つ一つがとにかく丁寧で、音響効果と音楽が惑星アラキス(デューン)の世界に引き込む。このクオリティーで2023年に続編が来るなら、再来年までは人生頑張ろうという気持ちになる。電車での行き帰り、手にしていたのはハヤカワ文庫の上巻。

映画の余韻に浸りながら、妻ともこの歳になってこれだけの感動に出会えることの幸せについて語り合う。もう一つの共通見解は「もう少し子供たちに文武両道の教育をしっかりしても良いかな」ということ。これはデューンに限らず「シャン・チー」を見た時も思った。

しばらくはハンス・ジマーのサントラを流しながら、まずは小説でフランク・ハーバートの世界を堪能しておこう。

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