ワンチームという言葉が大嫌いになった話②


①はこちら

https://note.com/group_hitsuji/n/n651abf7eeea0


 それから1週間後。その日は翌日に新年会を控えた日だった(わたしは職場への不満から欠席としていた)。上司が不在で、事務所に私と、後輩にあたる技術職の男の子2人の3人だけになったときに、そのうちの1人から「おんせんたまごさん、すみません、実は」と切り出された。


 それは、3か月前、わたしが有休を取っているときに別の上司が来て、「最近おんせんたまごさんが仕事に集中できてないみたいだから、君たちは受付に立つな。ぜんぶおんせんたまごさんにやらせて見て見ぬふりをしろ。そしてこのことは彼女には言うな」と指示をしたとのことだった。「なので俺ら昨日何も言えなくて。場長(上司)からそのこと言ってほしいと思いながら聞いてたんですが、ワンチームとか言うし…立つなって言われたから立てなかったし。すみませんでした。もしかして、職場の雰囲気が悪いから飲み会も来ないのかと思って、ずっと気にしてました」と。 


 驚くと同時に愕然とした。後輩にこんなことを言わせてしまうなんて。元はといえば悪いのはわたしだ。それにしても、いないときにそういう指示を出し、上司までそんな事実はないと皆の前で言うなんて。それならば最初から受付は今度からあなたがやりなさいとはっきり言ってもらった方がずっとずっとよかった。どうしてコソコソと陰謀のようなやり方をするのかと。
 
 一番「ワンチーム」から遠ざかった行動をしていたのは、上司ではないか、と。

 後輩にはシンプルに謝った。「みんなに迷惑かけて、そしてあんな言い方をして気分悪くしたよね。ごめんなさい。そういうことがあったなんて何も知りませんでした。知らせてくれてありがとう。これからは、忙しいときはお願いするかもしれないけど、できる限りはわたしがやるから。」と。
 
 その後後輩たちとはスムーズに仕事ができるようになった。
 しかし、上司との関係は崩れたままで、朝、私が挨拶しても無視されるほどだった。ほどなくして異動の内示が出た。上司は、今のわたしの職場にも2日に1回の頻度で書類のやり取りや打ち合わせなどで来るが、わたしは完全無視されている。わたしも見て見ぬふりをしている。
 話だけは聞こえてくるが、コロナウイルスの影響で、ごみの個人搬入が去年よりさらに増え、毎日渋滞を起こすほどで、さらに減員もされ、残った職員たちは大変な思いをしているらしい。歓送迎会も延期されたままで、本当にいいタイミングで追い出してもらった、と思っている。

 ワンチームというのは、情報がきちんと共有され、団結し、皆が同じ方向を向いたうえで初めて成り立つものだと思う。
そもそも隠ぺい工作のようなことをした上司にそんなことを語る権利もないし、こんな上司の下で働いて、逆にこんな人には絶対ならないと固い決意を抱いたのであった。



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