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失恋カメラマン

3日は東京マラソンでした。

昨年同様、写真を撮りに行こうと思ったのですが、

昼頃起きたらもう終わってました(笑。


ところで、


この「note」を含め、他の SNS でも、散々自分で写真を撮ってアップしているので、ちょっとお好きな方ならお分かりになられると思うが、僕は基本的に、


「写真の腕がちっともあがっていない」(笑。


建築を少しかじった経験のある者ならば、もう少し「拘り」のようなものがあっても良さそうなものだが、我ながら呆れるくらいそういうものがない。


おそらく「良い写真とは何か」という感性が欠落しているのだろう。

一時など「写真なんて、道具と技術さえ身につければ誰が撮っても同じでしょ」

くらいに考えていたほどだ。


全く情けない話だ。


話変わって、


以前、コロナで「一人客が増えた」というようなことを書いたと思うのだが、

では、いったいどういった方が「一人客」に向いているかと問われれば、


圧倒的に「カメラマン(写真家)」だと思う。


もう少し付け加えると、職業としてカメラを扱っている方に限らず、

趣味で写真を撮っている方や、カメラいじりが好きな方を含め、

その周辺の方々は、比較的「一人客」に向いているような気がする。


これは多分(被写体にもよるのかもしれないが)、写真を撮るという行為が、

基本「一人」の作業で、

孤独に何かに向き合うという状況そのものに、慣れているからなのかもしれない。


特に何か面白い話をするわけでも、もちろんはしゃぐわけでもない。


物静かに、そこにただ身を置く事に、価値を感ずる人が多い気がするし、


実際、うちの店にもそういった方が多い。


  ◆

もう長年通ってくださっている方に、


カメラ好きの青年がおられる。
(といっても、かれこれ20年以上だから、もうちょっと青年とは・・・(笑 )


彼も一人で来る事が多い。


いつだったか、普段はそんなことはしない方なのだが、


たまたま何かの拍子で、彼の写真を綴ったファイルのようなものを見せてもらたことがある。


前述したが、僕は不躾ながら「写真なんて誰が撮っても同じ」という人間だった。


ところがだ。


彼の写真をじっくり見せてもらって、


考え方が変わった。


端的に申し上げると、すっかり彼の写真のファンになった。


特に、時系列で説明してもらうと、カメラの技術以上に、


「撮った人の心情」というものが、画面に現れるものだという事が良くわかる。


ちなみに彼の場合、

恋愛をしているときに、よく撮りに出掛けるそうだ。

この状態の時の彼の写真は、群を抜いて素晴らしい。

もっと正確にいうと、

片思いの時の彼の写真はさらに素晴らしい(笑。

この時期の彼の写真は、なんというのだろう、本当に夜露が染み出してきそうなくらい「しっとり」としている。

きっと、すべての感性が研ぎ澄まされるのかもしれない。

やがて、そんな彼の作品は「失恋」でピークを迎える。


そして「THE END」(笑。



最近、彼の写真を見せてもらっていない。


どうも、仕事に追われて、それどころではないようだ。


ファンとしては、是非また見てみたいものだ。


「また恋愛してくださいよ。そんでもって、また失恋してください。」


なんて、来るたびに冗談めかして言っているが、


もし写真の腕をあげたいのであれば、「他人事」ではないのかもしれない。


神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。

ヘッダーは愛用の「RICOH GR」。単に店の頭文字から選びました(笑。

お待ちしております。


A Heartfelt Goodbye / less.people
Chillhop Publishing
2023

(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)

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