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本日の読書 #057 「パッケージ化された選挙」

参考書籍:『22世紀の民主主義』 成田悠輔

第二章 闘争 より

作成した読書記録より引用


パッケージ化された選挙。
面白い考え方だと感じたので共有したい。

通常私たちが政党あるいは候補者に期待する争点には、その関心に濃淡がある

たとえば私であれば、子育てや教育にまつわる争点には強く関心を持っている。
一方で、介護に対する関心は(無いわけではないが)薄い。

だから私は、これらの「自分に関心の高い争点」に基づいて政党や候補者に投票しようと思うわけだが、 そもそもこの状況は変なのではないか?と著者は指摘するのだ。

何が言いたいのかというと、 「自分の最も関心の高い争点に引っ張られて、その他の争点が自動的に決められてしまう」 ことを懸念している。

そしてそれは選挙が「パッケージ化」されているせいで起こる。


たとえ話をしてみよう。
自分がどうしても唐揚げが食べたいとする。
付け合わせはポテトサラダと、漬物があればベストだ。
キャベツの千切りは、苦手なのでできれば避けたいところ。

そんなとき売っているのが、 唐揚げ、スパゲティ、キャベツの千切りで構成された「唐揚げ弁当」だけだったなら。

仕方なく買うことになるだろう。
だってどうしても唐揚げが食べたいのだから。


これが「政党に投票する」ということだ。


私でいえば、その他のマニフェストがちょっとばかし微妙でも、「教育に力を入れている」政党に投票せざるを得ない状況になっている、ということ。

本当は、唐揚げと、ポテトサラダと、漬物が単品で買えれば、もっと自分の理想を反映させられるハズなのに。



選挙の話に戻そう。
例えば有権者が全員10ポイントの投票権を持っているとして、 それを争点ごとに自由に割り振れる形式ならどうか。

私なら6ポイントを「教育」に、2ポイントを「環境問題」に、残りを「外交」「社会保障」にそれぞれ振り分ける。
そしてそれは「政党」ではなく「政策」への投票とするのだ。

そのようにすれば、国民が本当に「何を求めているのか」が数字で見えてくる。
争点ごとに、関心を示す人の数と、その切実さが客観的に分かる。


もちろん、マイノリティの権利を守る施策などに対しては下駄を履かせるなどの細かい調整は必要となるだろうが、 こうしたいわば「民意のアナログ化」は、政治に良い影響をもたらすように私は感じる。

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