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アルモンデ食材 "キャベツ"

寒い日も、暑い日も、"まあるく"て
"張りのある衣"を幾重にも着重ねて、
どこまで"厚着"が出来るものなのか……
調子に乗って試していたのか?
もう既に、ぱんぱんのコロンコロン状態。
動き出したい衝動に駆られることがあっても、もはや動き回るなんてことは出来やしない。

……というより、彼は初めからそこに深く根付いてきたのだから
"動けない"なんて、それは当然のこと。

丁度良い頃合いで、人間たちに刈り取られるその日まで、ただそこに居続け、その時を待つしかない。

だからそれまで彼は、
黙って"重ね着"に精を出し続ける。
これといって、他にはやるべき事も無い。

虫に襲われたり、あまりに酷い雨や風、陽に長期間晒されていたとしても、彼自身ではなす術も無い。
彼の出来る唯一のことは、
可能な限り美しく着重ねること。

……つまり彼は、ただ愉しんでいる訳でも、調子に乗ってフザケて重ね着をしていたわけでも無かった。

ギネス記録を更新するために、
"Tシャツを何枚重ね着出来るのか?"
というのに、挑戦している人間とは事情が違う。


……

時が来て、
仲間たちは先に刈り取られ始めた。

年中お見掛けするけれど、彼らにだってちゃんと年に二度の"旬"の時期が存在する。

それは、
冬のそれなら11月ごろから。
ずっしりと重くなるまで随分と着重ねて、その見た目は、真上からだと"まんまる"だけれど、角度を変えて横から見たなら、少しばかり押し付けられたかのように、
楕円形をしている。
やや張りのあるその衣は、落ち着いた"黄緑色"。その中ほどは、ほとんど"白色"に近く、雪の季節を連想させる。

春のタイプのそれなら4月ごろから。
こちらはどこから眺めても、割と
"ころん"と丸い恰好をしている。
持ち上げてみると冬の"それ"と比べるとやや軽い印象で、張りの中に柔らかさも併せ持った衣を、フワリと軽やかに着こなしている。
ややフリル感のある鮮やかな"緑色"の上着を羽織り、中にいくほど"黄緑色"から"薄い黄色"のグラデーションの衣を着重ねているその装いは"春"らしい。

季節にちゃんと見合った恰好でお洒落を愉しんでいるあたりは、人間たちとおんなじだった。

これらのタイプほどの出番では無いが、
パーティー仕様なのだろうか?
派手な"紫色"の衣を纏った者や、
"ちりめん状"の加工がなされた衣を纏った、やや奇抜なファッションの者も存在していたりして、どうやらそれらも彼らの
"お仲間"という事らしい。


……

そんな本日のアルモンデ食材の"主役"は

『 キャベツ 』
Cabbage/Choux

これが側に居ない"トンカツ"だなんて……もうそれはトンカツにあらず。
"カツサンド"になった時だって、
この二つはちゃんと寄り添っている。
ただの"添え物""付け合わせ"だなんて言わせない。

本日はもちろん、餃子や、お好み焼きなんかの目には見え難い"具材の一部分"だなんて事も無い。

ここ"アルモンデ食堂"では、添え物でも脇役でも無い、"主役"を張れる
キャベツ料理をご賞味いただきましょう。


……

『 春キャベツのグリルステーキ 』

-材料- 2人分
・キャベツ 1/4玉(300㌘くらい)
・塩 各キャベツごとに、ひとつまみ
・白ワイン 又は 酒 大さじ1
・水 大さじ1〜2
・オリーブオイル 適量

(+アルファ)
・ハーブや大蒜 下記"* 印"参照

-作り方-

キャベツは、バラけないように芯を付けたまま"くし型"に二等分にカットし、オリーブオイルをひいたフライパンに並べる。

キャベツの葉の隙間に塩、ワインをかけ、中弱火で片面に焼き目が付くまで焼く。

裏返して、キャベツにかからないよう水を周りに回し入れ、弱火にして蓋をしてもう片面にも焼き目が付くまで蓋をして、じっくりと蒸し焼きにする。

お皿に盛って、お好みの味(下記)で召し上がれ。

*キャベツが柔らかくなるまで、弱い火でじっくり火を通すのがコツです。
少しの焦げ目が付くくらいのほうが、香ばしくて美味しくいただけます。

*別記事『ラボラトワール』でご紹介した
『食べるオリーブオイル/生姜とちりめんじゃこのオリーブオイル漬け』を、是非かけて召し上がって頂きたいひと皿です。

*↑が無ければ、お好きなドレッシングを使うか、大蒜スライスを焦がさないように一緒に焼いて、レモンと胡椒で調味しても。

*焼く時に、ベイリーフ、タイムなどのハーブと一緒に焼くと、更に美味しくなります。

……

Bon appétit !!
どうそ、召し上がれ!

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