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愛着スタイルとは?

先日、師匠である臨床心理士の先生と話し、「やはりペットロスを扱う上で、飼い主の愛着スタイルは扱った方が良いのでは」と助言を頂きました。
私は、愛着については触れていますが、愛着スタイルまでは、紹介していませんでした。
しかし、ペットロスセミナーも何度か参加していただくと、同じような話の繰り返しになってしまうため、少しでも、飼主さんの役に立つ情報を提供していきたいと思い、久しぶりに書籍を読み返しております。

まだまだ、伝えていないことがたくさんありますね!
次回のペットロスセミナーで取り扱うかはわかりませんが、愛着スタイルは、やはり紹介しておこうと思い、セミナーに先駆けアウトプットがてら書いてみたいと思います。




人やペットは触れ合いを通して、絆を深める

人や動物は、触れ合うことで、お互いの脳内に「オキシトシン」と呼ばれるホルモンが分泌されます。以前は、「お母さんホルモン」と呼ばれていましたが、今は母親に限らず、誰にでもあるホルモンとわかり、研究が進んでいます。「愛情ホルモン」「幸せホルモン」と呼ばれるように、愛着=絆を深める役割を果たします。また、ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」の分泌を抑制するはたらきもあるため、不安や恐怖を和らげ、安心感と幸福感をもたらします。

ちなみに、触るだけでなく、見つめあうだけでもお互いにオキシトシンは分泌されるそうです。

ここでは、人と犬の愛着実験の論文を紹介します。


心理学でいう愛着とは

愛着/アタッチメント (あいちゃく/あたっちめんと)
愛着(英語でAttachment)は心理学の用語。乳幼児が主たる養育者(多くはお母さんですが、それぞれの家庭の事情でお父さんや祖父母ということもあるでしょう)との間に築く情緒的なきずなをいい、「愛着を築く」「愛着形成」などのように用いられます。愛着は相互作用(母子相互作用も参考に)であり、たとえば赤ちゃんが泣く→お母さんが「どうしたの?」とそばに寄る、抱いてあやすなど、赤ちゃんや子どもの発したサインにお母さんが敏感に気づいて適切な応答を返していく、この積み重ねで、赤ちゃんの愛着が育まれます。自分をいつも大事にケアしてくれる人に寄せる信頼、安心感といってもよいですね。お母さんとの間の安定した愛着は子どもにとって安全基地。これがあるからこそ、子どもは他の人との関係や新しい経験などに踏み出していけるのです。

公益財団法人 母子衛生研究会

愛着と絆

私たち人間も動物も、相互関係を通して、愛着による絆を深めていきます。
我が家のチンチラ「けだま」は、ブラッシングが大好きで、すぐにブラシを要求してきます。ブラッシング中は、本当にリラックスをし、なんとも気持ちよさそうな顔をしており、それを見ている飼い主も安らかな気持ちになります。我が家にとって、ブラッシングは、とても幸せな時間です。

しかし、もし「けだま」が、「ブラシして~」とせがんできても、全く応じず無視していたり、飼主(私)の気分次第で、応じたり、応じなかったりすると、「けだま」にとって、飼主(私)は、安心できる場所ではなくなってしまいます。そうすると、回避型や、アンビバレント型の愛着が形成されると考えられます。
※わかりやすく説明するために、ブラッシングに絞りました。

一説によると、欧米と日本では育児スタイルが異なることや、日本人の気質、日本のお母さんは家事など忙しいため、不安定な愛着スタイル(アンビバレント)を示しやすいと言われています。

余談ですが、ブラッシングについての記事もご覧いただけると嬉しいです。


愛着の4つのスタイル

では、愛着スタイルについて、どのように測るのかというと、1歳児の子供と母親の分離と再会の場を観察する「ストレンジシチュエーション」という有名な実験をもとに作成された、愛着スタイルテストの質問に答えると愛着スタイルが分かります。この実験が実施された当時は、3タイプに分かれていましたが、現在は4タイプになっています。

4つのスタイルについては、ザックリ紹介。

1.回避型:母親が居なくなっても泣かず、後も追わない。戻ってきても母親に接近せず愛着を示さない。

2.安定型:母親がいる時は安心して周りを探索する。母親がいなくなると泣いたり、抵抗するが、母親が戻ると喜び、また活発な探索行動をする。

3.アンビバレント型:母親と一緒にいても不安傾向が高く、母親にくっついていることが多いため、探索行動はあまりしない。母親が居なくなる時には、激しく抵抗し、母親が戻ると怒ったり、抵抗したり情緒がすぐに安定しない。

4.無秩序・無方向型:顔を背けながら母親に近づくという接近と回避行動が同時にみられる。行動に一貫性がない。

ちなみに、安定型以外は全て、不安定な愛着を示すことになりますが、愛着は、大人になっても「安心できる場所=安全基地」があれば、改善されると言われます。

「ストレンジシチュエーション」は、人の子供と母親の実験ですが、親子関係に限らず、その方の愛着スタイルなので、ペットへのかかわりにも反映されます。自分が、どんな愛着スタイルなのかを知ることで、ペットに限らず、人間関係の課題などが見えてくるかもしれません。

そして、この愛着スタイルでペットロスを考えると、安定型の飼い主さんに比べると、アンビバレント型の飼い主さんは、ペットロスが辛くなる可能性があります。

無料で簡単にできる愛着スタイルテストを見つけました。

試しにやってみてください。

おわりに

如何でしたか。もし、ペットロスセミナーで愛着スタイルを扱うのであれば、もう少し丁寧に説明したいと思います。


愛着と安全基地については、過去の記事もご覧いただけると嬉しいです。


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