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デザインの余白 N

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細部に神が宿ると信じる、少し天の邪鬼なデザイナーのブログ「デザインの余白」のnote版です。主にデザインという視点からものを見て、感じたことや思ったことを綴りますが、ときには全く…
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#京都

今日も解体される京町家

今日も解体される京町家

僕の事務所は、所謂「京都のまちなか」にある。御所近辺や北の方の「京都人」からすると、ギリギリまちなかと言われる五条なんだけれど。僕は伏見稲荷で生まれ育ったので五条でも十分まちなかで、今でも「町家」がたくさん残ってる。

そんななか、この数年流行っている「インバウンド」とやらで外国からの観光客が激増し、ホテルやゲストハウスというものがあっという間に増えた。僕の事務所がある町内は、五条通から万寿寺通ま

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24日の花傘巡行が猛暑で中止されたということで、ちょっと遡ってみた。

24日の花傘巡行が猛暑で中止されたということで、ちょっと遡ってみた。

祇園祭の後祭「花傘巡行」が中止になったということで、調べると869年(貞観11年)に始まったとされる「祇園祭」は、今年で1149年も続いています。その馬がい歴史のなかで、祭(巡行)が中止になったのは実は数えるほどしかありません。

◯2003年(大雨で中止) ←これが一番最近
◯1962年(四条通の地下で鉄道延伸工事)
◯1884年(悪天候)
◯1941年(太平洋戦争)
◯1582年(本能寺の変)

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たくらんときょうと

たくらんときょうと

カッコウは自分の巣で卵を温めずに、他のモズやホオジロ、オオヨシキリなどの巣に卵を産み付け、育てさせるという「托卵」という習性があります。カッコウの雛は、元のモズやホオジロたちの卵よりも早く孵化し、カッコウ以外の卵を巣の外に出して殺してしまいます。そして仮の親であるモズやホオジロからエサを独り占めして大きく育ちますが、仮の親はそのカッコウを自分の子供だと信じてエサを運ぶそうです。

京都ではないにも

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五山の送り火 父と師とデザイン

今日は、8月16日「五山の送り火」の日です。京都の夏といえば猛暑の祇園祭、そして五山の送り火で少し秋になる。そんな感じです。まだまだ暑い日は続くのですが、お盆休みの最終日ということもあってか、サザエさん症候群のようなもの寂しい気持ちになります。

大文字焼きじゃない東山如意ケ嶽の「大文字」が一番有名なのもあって、よく「大文字焼き」と言われる方がいらっしゃいますが、正式には「五山の送り火」です。ほか

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一見さんお断りのデザイン

一見さんお断りのデザイン

祇園祭真っ只中、京都は暑いです。めっちゃ、暑いです。少し外に出るだけで汗だくになります。

真夏にこんな例えはどうかと思いますが、京都は四畳半の部屋に炬燵(こたつ)を置いて、そこに入ったまま手を伸ばすだけで何でも取れてしまうような、そんなコンパクトな町です。東京と違って、かなり狭いです。物理的な面積だけでなく、世間が狭いです。河原町や烏丸、寺町通はほぼ毎日通りますが、ほぼ毎日誰か知り合いに会います

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京都の夏は鱧と祇園祭なんだけど、意外に知られていないこと

「今年はなんだか涼しいな」なんて言ってる内に祇園祭が始まり、やっぱり京都は今年もとんでもなく蒸し暑くなってます。四条通でコンチキチン♪と聞こえ始め、鉾立がはじまると京都の町はソワソワしてきます。ちなみに、7月1日から31日までのひと月間がず〜っと「祇園祭」であることを皆さんご存知でしょうか?7月16日の宵山、17日の鉾巡航辺りだけがお祭りと思っている方も多いと思います。今年は3連休(もう今週末だ)

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