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「どの地域に住むか」の新たな判断材料を浮き彫りにする10万円の特別給付金

新型コロナウイルス感染症対策としての緊急事態宣言が発布されて以降、迅速な生活保障や休業への給付が求められてきた中で、遅々として進まない政府支援を横目に地方自治体が独自の施策を打ち出す動きが続きました。

豊富な財源を持つ東京都が休業への協力金支給を打ち出した際、「あれは東京都だからできることなので...」と千葉県や神奈川県が言葉を濁した姿が記憶に残っている方も多いでしょう。

これまで「どこに住むか・どこで事業をやるか」に非常時の行政の動きまで見越すことがなかった方々にも、これほどの差が出るのかという衝撃を与えた出来事だとも思います。

現在、令和2年度補正予算の国会上程を受けて特別定額給付金10万円の支給準備が急ピッチで始まりましたが、ここにも地域差が鮮明になりつつあります。

最もスピーディーに動いた熊本県高森町では最短で5月1日に支給という驚きの早さで、更にドライブスルーで受け付けるというこれまでの行政手続きでは考えられなかった対応をしています。

他にも、兵庫県の南あわじ市が休日返上で申請書の発送を行う姿も報じられています。ただし、第1回目の振込は5月19日とのこと。

一方で、政令指定都市である静岡市は5月補正予算での対応として、給付は6月以降になることが報じられています。

そして、冒頭では東京都の独自財源による協力金に言及しましたが、今回の特別給付金は27日時点で23区のいずれもが申請受付開始日すら未定となっていたようです。

各自治体の人口規模が影響するところもありますが、自治体の貯金にあたる財政調整基金を一時的に取り崩してでも迅速な給付を図るところもあれば、大きすぎて何から手をつければ良いかとなってしまうところもあり、まさに「どの地域に住むか」が生活に直結する事態とも言えます。

こういった非常時こそ、国政だけでなく地方の首長や議員そして行政機関の動きを注視し、信用に足る働きをしているかどうかを見極める必要があります。

生活給付や休業補償、各種支援情報の伝え方も含めて、「どの地域に住むべきか」を判断する新たな指標が生まれつつあるのだと感じています。

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