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家庭で作る:美味しい梅干しの丁寧な作り方

梅干しは、素麺の薬味に使ったり、おにぎりに入れたり、暑さ対策にさっと食べたりと夏場に大活躍する食品です。さらに、クエン酸を含んでいるため疲労回復効果も期待できます。

この記事では、家庭で簡単に梅干しを作る方法を、塩分濃度やカビ対策に重点を置いて詳しく説明します。
この記事の内容は筆者が2024年までに漬けた経験を元にしており、2024年に漬けた内容に沿って写真も随時更新していきます。



用意するもの

・漬ける容器:オススメはホーローの10L、内蓋のあるものが良い(今までにプラなどの容器も試しましたが、ホーローが一番良かったです)
・漬物石、押し蓋:漬ける梅の1.5倍〜2倍の重さ(重いと邪魔になると思いがちですが、重さがないと早く漬からないのでカビる可能性が高くなります)
・干しかご:小さめよりしっかりとした大きさが◯
・盆ざる:ある程度大きさがある方が扱いやすい
・塩:漬ける梅の量に対して5%の量(できるだけカビを防ぐなら、粗塩を12%以上が良いです)
・梅:できるだけオレンジ色に近く完熟に近いもの(柔らかな梅干しに仕上げるには可能な限り完熟に近い方が良く、白梅酢の上がりも早くなりカビの発生を抑えられます)
・焼酎:アルコール度25°以上のもの
・手ぬぐいやサラシ
・保存容器:耐熱ガラスがオススメです


塩分濃度とカビ対策

一般的に、梅干しの塩分濃度は8%から12%ですが、塩分を控えめにしたい場合には5%でも作ることができます。しかし、塩分濃度が低いとカビが発生しやすくなるため、特にミネラル成分の多い藻塩を使用する場合は注意が必要です。カビの発生を防ぐためには、粗塩で12%以上の塩分濃度にするのが理想です。

本来は、赤シソも塩もみして用意していきますが、今回は「梅漬けのしそ」を使っていきます。(今年うまく行ったら、来年は赤シソの塩もみにも挑戦)


下準備

漬ける容器、漬物石、押し蓋

漬ける容器、漬物石、押し蓋を熱湯消毒します。沸騰した熱湯にしっかりと浸し、全体を消毒したら、水分をよく拭き取り乾燥させます。
容器が乾いたら、焼酎をさっと振りかけ、全体に馴染ませます。焼酎の余分は捨てます。
この手順は菌の発生を防ぐために重要です。

梅の準備

大きめのボウルに梅を入れ、流水で優しく洗います。この時に梅を傷つけないように注意しましょう。完熟に近いと梅の表面はとても弱いので注意してください。ヘタを取り除き、傷んだ梅は取り除きます。
洗った梅は手ぬぐいやサラシで一つ一つ丁寧に拭いて水分を取り除きます。

ボウルに入れ流水で良く洗います
楊枝などを使ってヘタを取り除きます
洗ったら水分を拭き取ります

梅が黄色く色づいていない場合は、常温で数日間置いて追熟させるか、ぬるま湯に浸けて追熟を促します。
次に、ボウルに焼酎を入れ、梅を浸けてよく馴染ませ、軽く拭き取ります。
ヘタのくぼみに水分が残るとカビの原因になります。軽く拭き取ったら、盆ざるに広げて1〜2時間乾燥させます。

ボウルに入れた焼酎に梅を入れて馴染ませます

塩の量

今回使うべき梅を選り分けたところで、全体の重さを計ります。
カビをできるだけ避けたい場合には、12%の濃度になるように塩を量って準備します。
梅が2kgで塩分濃度12%の場合だと240gの塩が必要です。


作り方

1:容器の底に塩を敷く

容器に梅を入れる前に、底にまんべんなく塩を敷きます。
梅を入れた後にも時折塩をまぶしますので、敷きすぎないように。

容器の底に塩を敷きます


2:梅を容器に入れていく

容器に梅を入れていきます。
できるだけ平らになるように、梅を敷き詰め、1段目がいっぱいになったら、塩をまぶします。
以降、梅を全て入れ終わるまで繰り返します。

1段ごとに塩をまぶします


3:最後に塩を振り、重しを乗せる

梅を入れ終わったら、量っておいた塩の残り全てを全体にまぶします。
その上に押し蓋を乗せ、優しく重しを乗せ、内蓋、外蓋の順に蓋をして密閉します。
暗所の涼しいところに置いておきます。

全ての梅を入れて塩を全てまぶしたら、押し蓋をして重しを乗せます


4:毎日確認

毎日、蓋を開け中を確認します。
白梅酢の上がり具合とカビの発生具合を確認します。もしカビが発生していたら、カビの発生している個体は取り除きます。
※できるだけ中は触らない方が菌の発生を予防できるので、押し蓋を外したりしなくていいです。


5:白梅酢が十分に上がってきたら

重しを半分の重さに切り替え、引き続き暗所の涼しいところで管理します。


6:10日ほど経ったら

白梅酢に梅が2cmほど漬かる程度に白梅酢の量を調整します。
「梅漬けのしそ」パックからシソを取り出し、適度に広げながら全体を覆い隠すように敷き詰め、押し蓋、重しを乗せ、蓋をして暗所の涼しいところで管理します。

※塩分の入っていない製品であれば、汁ごと入れてしまっても良いです。
塩分の入っている製品の場合、塩分濃度が変わってしまうので、シソだけにした方が良いですね。


7:30日ほど経ったら

4日連続で晴れる日を狙って、天日干しを始めます。
午前中のうちに、盆ざるに1つ1つ隣同士くっつかないように梅を並べ、盆ざるごと干しかごに入れ、天日に当てます。
できれば1日1~2回は梅をひっくり返し、梅全体に日光を当てます。
容器に入っている梅酢も天日に当てます。

日が暮れるころ、梅が温かいうちに、容器に戻します。
押し蓋、重しはもう使いません。
この天日干しを3日間続けます。

※普通は天日干しを始める時にシソは取り出してしまうようですが、シソは入れたままの方が赤味も強くなり、味も良い気がしています。


8:夜露にあてる

天日干しを3日間続けたら4日目は容器に戻さず、そのまま夜通し干して夜露に当て翌日の日暮れ時に取り込みます。

保存容器を熱湯消毒しておき、取り込んだ梅を保存容器に移し完成です!

これを保存容器に移せば完成です!


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