ASDの進化論
変態
『進化』と聞いて一番最初にポケモンを思い浮かべる俺の頭はどうなっているんだか。。。そんなポケモンでは敵と戦いモンスターのレベルが上がると進化し肉体的に変貌を遂げる。初期の赤、緑、青のポケモンしかプレイしたことがないが、最新のポケモンも変わらず同じだろうか。この場合の進化は変態のことで、現実世界では蝶がそれにあたる。芋虫から始まり、蛹になって、蝶になる。つまりバタフリーだ(σº∀º)σドヤ
書いてて思いましたが『変態』って、「キャー、変態よ!」の変態と同じですね。Weblioには
形態・状態・生態などが変わること。特に昆虫などが幼生から成体に移行する際、外見や構造を大きく変えること。
倒錯した異常な性的嗜好(変態性欲)を持つ者を指す表現。多分に罵りのニュアンスを含む。
一般的な感覚からかけ離れた趣向・方向性といった意味で用いられる表現。肯定的な意味合いで用いられる場合もある。
海外においては、日本の成人向けアニメ作品、画風がアニメ調のアダルトゲームなどを指す語として「ヘンタイ」(hentai)という表現が定着しつつある。
と書かれている。なんとも誤解されやすい言葉である。外人さんが「Hentai」と言ってきた日には「バタフリーが好きなんだな、この外人さん」と生温かい目で見守りましょう。
進化
変態の話は置いておくとして、言わずも分かるが生物が進化した過程というのは変態という形ではない。有名どころなのでダーウィンの進化論の適応と自然選択を使って説明すれば、少しづつ特徴の違う同種の生き物の中でたまたま環境に適応できた生き残りだ。簡単に言えばキリンの首が段々と伸びていったのではなく、キリンの中でもたまたま首が長く生まれたキリンが、たまたまその時代に合っていて生き残ったのだ。
西洋と日本ではパッと調べたところ人口の1~2%の人がASD(自閉症スペクトラム症候群)を持って生まれてくるという。100人に『たった』1人か2人。まぁ、確かに同学年で2つか3つクラスがあったとしたら、変な奴(俺)が1人か2人は居たわ。
だけどよく考えてみると100人に1人か2人『も』いるわけだ。日本の人口が1億人だとしたら100万人もいることになる。
かなり大雑把な計算になるけど人類の歴史が猿人から始まったと仮定して700万年で子供を生む年齢が平均して20歳だとする(多分正確な数字じゃない)と私たちはだいたい35万世代目である。子供を生む年齢が平均して15歳だとすると約46万世代目となる。
これは進化の時間軸で見ると実は短すぎるのだが、それにしても700万年経った現在でもASDは存在している。自然選択に抗って未だに生き残っているのだ。こんな長い期間ASDはどうやって生き残ったのだろうか。何故自然淘汰されずに生き残っているのだろうか。これを解き明かすには現代のASDが持つ特徴を見ればいいのではないだろうか。
ASDの特徴
大人のASDにはASDが持つ特徴がいくつか書いてある。
対人関係における相互的反応の障害
冗談が理解出来なかったり、言葉通りに受け取ってしまう
相手の表情を読むのが苦手
空気を読めない
同一性へのこだわり
特定のことがらに強い興味を持つ
ルーティーンを得意とする
柔軟な考え方ができなかったりする
感覚過敏
運動が苦手
子供のころは走るのが速いだけでクラスのヒーローになれる。コミュニケーション能力が高ければ社会で上手く立ち回れる。相手の表情や空気を読めれば無駄なストレスを抱えずにすむ。なんともASD持ちにとって、社会という場所は敷居が高いですね。
ちなみに小さいころから臭覚過敏だった俺は、隣の家のガス漏れに一番早く気が付いた。他にも子供たちの出産には全部立ち会ったが、中猿の時は内臓の匂いにやられ倒れる寸前まで追いやられました。俺の顔面が青白くなった事に気が付いたドクターが俺に椅子に座ったほうが良いと言い、さらには出産直後のHSPの嫁に心配されるという始末。
ASDと過去の世界
こんな特徴を持ち合わせているASDは過去にどんな生活をし、現代まで生き延びてきたのだろうか。
自分より大きな動物を集団行動でチームワークを発揮しながら狩りを行っていただろうか。獲物が見つかるか分からない状態で徘徊し、獲物を見つけたら目で合図し、息を殺しタイミングを合わせて一斉に襲う。運動やコミュニケーションが苦手なASDにこんな狩りは出来たのだろうか、とどうしてもASD持ちが狩りをしていたイメージが湧かない。
ということはASDは集落に残り行動していたのではないかと思うのだ。村に残り興味のあるもの、例えば鍛冶や物の修理などだろうか。それに集落に男が残っていたら自動的に力仕事をやってもらう事になったのかもしれない。一人で薪を割ったり、水を汲みに行ったり、道具を直したりと一人の時間は多かったのかもしれない。日本では職人気質な人たちは寡黙な人が多いという勝手なイメージがある。よく「見て盗め!」的な事を言うが、実はコミュニケーションが下手で説明するのが難しかっただけなのでは?
他にもASDの人が得意だとする分野に音楽、芸術、数学があると言われている。色鮮やかな果実などを摘むために色彩に対する眼力が鍛えられたとか、村での必要な事を終えた日には音楽や芸術を学ぶ時間があったのではなかろうか。
個人的な話で信憑性には欠けるが俺は男の人よりも女の人の方が話しやすい。なんでか小学生の頃は周りに女子が沢山いた。これも集落に残った人たちの多くは女性だったので、自動的に話し相手は女の人が多くなる。コミュニケーションが下手なのは、女の人の話を聞くことが多く話す機会が無かったからとか。今でも女の人と話すほうが得意な気がする。まぁ、俺の場合はってだけかもしれないですが。
これも似たような話だが、ASDは年上の人との方が話しやすいという特徴もある。これも上記と同じような理由で、集落や村には狩りに行けなくなったお年寄り方が多く居たのではなかろうか。コンピューターもインターネットも無かった時代に知識を得たり見識を広めるには、経験を積んだ年上の人と話すことが重要だったのかもしれない。間違いなく狩りに出てきた人たちよりかは話す機会は多かっただろう。
諦める勇気
ASDが持つプラスの特性は日本でも世界でもそんなに変わりは無いように感じる。視覚情報に強いこと、好きなことであれば集中力や知識量が凄いこと、誠実であること、ルーティーンが得意なことなどが挙げられている。
英語のサイトだとCADオペレーター、ウェブデザイン、プログラミング、エンジニアといったコンピューターに関わる仕事はASDにとって働きやすい仕事だと書かれている。多くの日本語のサイトでもコンピューター関係の仕事、経理、財務系とデスクワークの仕事が多いように見える。
その他に日本語で書かれていたのはコールセンター、テクニカルサポートなど。俺的にはこの2つはどうも向いていない気がする。まぁ俺の場合はってことなんだろうけど、コールセンターなんて色んな質問とか来すぎて大変な気がするが。
ASD持ちの人にも向き不向きがあるから一概には言えないが、幸運なことに私たちはコンピューターに囲まれた生活をしている。PC、スマホ、炊飯器からトイレまであらゆる所にコンピューターが入り込んでいる。この兆候は止まる気配が無いどころか更に増えていく。10年後、20年後、更に30年後には服、靴、コンタクトレンズ、そして私たちの体や脳みそにまで入っていることだろう。まだまだ市場は大きくなる。
別にコンピューター関係の仕事を推しているわけではない。苦手なことをしてストレスの多い仕事をしているASD持ちの人は、得意なことや興味のある事を見つけキャリアチェンジをしてもいいのではないだろうか。今まで培ってきたキャリアを捨てるのは怖いが、その先のまだまだ長い人生を見据えて諦めることも選択の一つなのではと思った次第です。
1%の可能性
ASDは1%の考え方で1%の行動が出来る、100人に1人のユニークさ(希少さ)を持っているということだ。日本では『障害』持ちと変な目で見られたり避けられたりするが、西洋の文化ではASDの特性を求める人や会社があるくらいASDが重宝されることもある。それだけASDのことが民主化されていて、社会的に認識されている。
1%であるということは99%には出来ない何かが出来るってことだと思っている。99人には成れない社会的に見て『変態』であることがASDの強みであり、現代まで生存できたのではないだろうか。周りの99人に合わせて社会に適応するのではなく、1%のASDの可能性に賭けるのがASDの生き方なのではないだろうか。
俺は変態で居ようと思う(΄◞ิ౪◟ิ‵)
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