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お久しぶりの読書感想など

ものすごく久しぶりの投稿。
今年の春くらいからずっと忙しくて、多分来年の春まで忙しいんだと思うんだけど、ようやくちょっと本を読めるようになってきたので、一言感想など。映画感想もあります。

とっても不思議な一冊。
でも本好きな人ならきっと染みると思う。
手にした本が落丁本だった主人公。その続きを読むために探索するも、手に取る本はすべて落丁している。読み進めていくうちに「本を読むこと」とは一体何だろう?という主題が読者に突きつけられる。
断ち切られた物語たちがすごく面白くて、主人公と同化して、続き読みたいんだけど!ってなった。
メタ的な本ゆえの浮遊感や一体感が実に心地よかったです。


村上春樹の新刊を、買ったその日に読まずに数ヶ月寝かせるなんて、自分も年を取ったものだなあ、と思う。
なんだか色々落ち着かないうちは、手に取る気になれず、ようやく腰を据えて読み始めた時には、発売から3ヶ月近く過ぎていた。
第一部は、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の焼き直しのような感じで、第二部からようやく物語がゆるゆると動き出す。
締めとなる第三部は、私には少し物足りなく感じた。というか、もう少し違う感じの結末を期待していたのだと思う。
でも、村上春樹の小説は読み返すたびに微妙に感想が違うので、数年後に読み返したら、この終わり方がベスト、と思うのかもしれない。
村上春樹の長編にしては珍しく(っていうか初?)性描写がなく、暴力的なシーンもほぼなく、終始穏やかな一冊だったように思う。これも数年後読み返したら印象が違ってたりして。

今は、ドストエフスキーの『貧しき人びと』を読んでいます。

最近観た映画のことなども。

面白かった。
特に派手なストーリー展開があるわけでもないのに、画面から目を話せなくなるのは、作り方が丁寧だからなのだろうなあと思う。
簡単にいえば、格差社会、女性の生きづらさ、が主題なのだと思うけれど、女性だけでなく、男性の生きづらさにもフォーカスしていたところがとても良かった。
地方から出てきて搾取される女性、の境遇がとても私の友人に似ていて色々なことを考えた。
友人は昔からすごく頭のいい子で、東京の国立大学に進学したものの、学費や生活費、果ては実家への仕送りをしなくてはならず、結局大学を退学してしまった。友人の境遇に対して感じた、当時の私の行き場のない怒り、をこの映画を観て思い出した。


観たー。
いやあ、なんていうか。インド人にしか作れない映画だなあって。
特に後半は爆笑しながら観ていました。(所々頭にはてなマーク出しながら)
全編通して、どこで止めても絵画みたいになるの面白すぎる。
好き嫌いは別れると思うけど、気になる人は観てみるといいと思います!


子供と2人で観た。
冒頭から少し残酷なシーンがあり、(ちょっとまずったかな…)と思ったものの、子供は平気そうだったのでまあいいか、とそのまま視聴しました。そういうシーン他にもちょこちょこあります。
江戸時代の河童の子供を、ひょんなことから拾ってしまった小学生男子のお話だけど、これがもう、すごくリアルな話だった。
まず、主人公も主人公家族も決して悪人ではないものの、善人としても描かれていない。主人公家族に群がる野次馬やマスコミたちもとてもリアル。
基本的に人間は、信用できない、その時々によって姿を変えてしまう生き物、として描かれているように思う。
いじめられっ子の女の子がいて、河童を見つけたことによって主人公と仲良くなるんだけど、その女の子が「両親が離婚することになって、明後日引っ越すの」と主人公に打ち明けながら泣いてしまい、居た堪れなくなった主人公が「じゃあもう俺行くんで…」って立ち去るシーン、リアルすぎて笑ってしまった。
ラストも希望がありつつも、甘い終わり方ではなくて、子供向けにしては夢がなさすぎるのかもしれないけど、でも私はこの映画大好きです。


大学が始まるのが10月なので(ようやく卒業が見えてきた!)それまでちょくちょく本を読んだり映画を観たりして、こんな風に感想をあげられたらと思います。
ではでは。


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