物語「GreatesT’rip Jum”V”oyage」15−3． okujyou jum'v'oyage 『破』(捌)ーは

前回 GTJVー15-2

「そうか、もしかして。じゃあ、いつもの振動音は」

　いきなりシキがわたしに近づいてきた。急なことでわたしは、ナニナニナンデスカ、と戸惑うことも出来ず、視線を向けるのが精いっぱいだった。

　体が、顔が、近い。そのまま抱きつかれてしまいそうな距離。

　と、急に右手が軽くなる。

　わたしの手からカバンがなくなり、それはシキの手元にあった。

「少しお借りします！」そのまま屋上を走り出す。

　シキがカバンから物を取り出し地面にさっと置いて行く、参考書やお昼ご飯のゴミビニールや、筆箱やその他色々。

「ちょっと、待って！」追いかけるわたしはまだ、シキが何をしようとしているのかわからない。置いたのか、確認してから目線を上げると、屋上の反対側、にいる。いつの間に。

　シキがカバンから物を出す、ぐちゃぐちゃに書き込まれた自分にしか読めないノート、ターミナルでもらったポケットティッシュ。型落ちのｉＰａｄとメガネケースをそれぞれ静かに地面に置いた、一応のやさしさはあるみたいだけど、思っていたより動き早すぎない？ というかはじからはじまで一周するのやめろ

「このやろ、待て！」わたしの怒りを聞き流し、シキは、さっとカバンから物を出し、すっ、と置いてはまた駆け出し、を繰り返した。わたしはそれを追いかけるけど拾って行くから追いつかない。

だんだん自分が何をしているのか、分からなくなってくる、ぐぐるぐるる。

　学生手帳を拾った時には、シキは走るのをやめていた。

　声が聞こえてくる。独り言？

「ええ、そうなんです。代わりに出て言うのもなんですけど。ミノルさん、素直じゃなくて」

　なに、何のこと？

「電話ずっと出なかったみたいですけど、実はミノルさんも会いたいらしいんです。え、ずっと会ってない、そうなんですか？　久々の再会、いいですね。私もうれしいですよ、トモダチとして」

　シキの手には、ケータイがあった。え、どういうことだ。

「そしたら、詳しくはメールで連絡してあげて下さい。いや、こちらこそありがとうございます。いえこちらこそいきなり出て、それじゃまた」

　わたしが追いつくのと、シキがケータイを切るのは同じタイミングだった。ケータイを取り返そうとするワンテンポ先に、差し出された。

「はい。代わりに出ておいたよ。電話かかってきてたみたいだから」だって。

　言いようのない怒りがこみ上げてくるのに、うまく言葉にできない。怒りを表す、炎の赤色が他の色と混ざって、ぱっとしない黒色もどきになっていく。

「それより、さっき鳴った音って、アラームじゃなかったんだ。とすると、今までアラームって言ってたのも、もしかして」

「うるさいっての！　だからなんだよ余計なことして。勝手すぎる」

　シキは静かにわたしを見る。いつものあの微笑みで。

「だって、遠くの旅に出るには、アレがいるから。近いところならともかく」

　待て、何の話だ。アレって何。でも、もっと気になるのは別のこと。

　電話の相手は誰だ。

「やっぱり旅に出るなら、自由にどこにでも行けた方がいいよね。アレを手に入れるためには、頼まなくちゃ。必要なことだよ。それに、他にも色々話したいこともあるんでしょ、実は」

　ってことは、やっぱり。

「歴史的な父娘再会、がんばって」

　がんばって、じゃねーよ、って言おうとしたら、シキが先に声をかけてきた。何もかも先手を取ってくる。

「はい。最後のこれは見てないよ。大事なものだからね」無印のメモノートを差し出す。取り返すように受け取った。

「良かったね、本当に。何かを変えるには、まず何かを始めることだよ、きっかけはなんでもいいの。それにそのあとダメになってもいいんだよ。また別の何かを探してみればいいんだから。って、前にも言ったっけ」

「うるさいな！　確かに言ってたし、こっちも聞いてたけれど、この話は別だっての。だいたい、わたしの話なんてドーデモイイんだって。変わるとか、始めるっていつも言うけど、シキはどうなんだよ。わたしと会ってから、何か変わったのかよ！」

　猫の表情で怒ってみる、フーッ。　　

　シキは空の方を見て、考える。

　ちょうど１０秒。答えを見つけたみたいだ。光る電球マークが見えるような表情。

　シキは改まったように姿勢をただし、例の時間を止める優雅な早さでスカートセーターの裾を直した。そして、わたしを見つめ、送ってきた言葉。 　

「何も変わってないと思う」

　おいちょっと待てよ、

　ってお笑い芸人だったら赤点のツッコミを入れそうになったけど、その前に話が続く。

「人はそんなに簡単に変われない。それまで歩いてきた時間は無駄じゃないし、なくすことは出来ない。生まれついたものも、捨てたくても捨てにくいものだらけ、だよ。例えば、私の両親が遠すぎる世界にいることも、ミノルのお母さんがお母さんじゃなくてハルコさんなのも、お父さんがトクラさんでなかなか会えないのも。コジカさんたちが人気者で強引なのも、アザラシさんたちがなんだかんだで友達思いっぽいのも」

　なんでシキは急に、大事だけれど聞きたくないようなことばかりを、一番聞かなければならないタイミングで言い出すのだろう。

　もしも、まじめくさったことばかり言ってたら、ヤなやつ、で終わり。

変なタイミングでこんなクサいことを言い出したら、この子ヘンな子、で終わり。いや、シキはヘンな子だし、いまだに詳細不明なのだけれど。

　なのに、話を聞かせる何かがある。わたしはまた黙るしかない。

　風が止んだ。

「でも」

シキはより強く眼を合わせてきた。

「私が何かしたわけではないけれど、ミノルと会ったことで、何かを始められるような、そんな気がするよ。ありがとう」

　な、なんだよ、急に。こっちが恥ずかしくなるだろ。

　何だか暑い、指と指の間に汗がしみ出してくる感じがする。心のメモ帳に何か書こうとしたけれど、その１ページは形にならないまま、切り離され、丸められていく。かきかきか、びりっ、ぐしゃ。かき、びりっ、ぐしゃ。かきびりぐしゃ。

　だめだ、いろいろ振り回されたけれど、ちょっとこの場に耐えられる気がしなくて、何かで間をつなぎたくなる。何か、なかったっけ。

ってそうだ。

「あのさ、シキ。良かったらさ」

と言ってカバンの奥からきんちゃく型のビニール袋に包まれた物を取り出した。

それは、ハルコさんと行った、素敵自然体なお店で買った、６個、いや６匹の猫の形をしたクッキー。

「あげる」右手でシキの前に差し出した。

シキは何も言わずに目を丸くして、クッキーの袋に顔を近づけてから、

「こんな素敵なもの、入ってたんだ。すごい！」

ボールを見つけた子犬みたいな顔をした。

「いや、さっき人のカバン探ってたじゃん」

思わずぼやいてしまうよね。

「電話出るの目的だったから気づかなかった」そうですか。

シキはクッキーを手にとってから、クッキーごと両手でわたしの手を柔らかく包み込む。

「えっ、なに」

思わず声が出たわたしに、シキがにっこりと笑いかけながら言う。

「一緒に食べよう！」

「いやいいよわたしは、いつでも食べられるし。シキが全部食べなよ」

「たぶんそれはミノルの気づかいでしょ？ その気持ちはありがとう。だけど、だったら一緒に食べてくれるのが、一番私は嬉しいよ」

普段はあれだけ何事もないようにすましているのに。大事な時だけこっちが恥ずかしくなるくらいに、まっすぐ答えるんだよね。参りました。とは言ってやらないけど。

「ちょっと貸して。たぶん初めてだと開けづらいから。きんちゃく袋のひものところがわりと開けづらい」

「そうなんだね。先輩にお任せします、どうぞ」

「いや先輩って何なの」

「クッキー袋開けの先輩」

思いつきやめて。年齢相変わらずわからないけどたぶんシキが先輩だと思うし。

わたしの横で、シキが開ける様子をのぞき込んでくる。いやそんなに大したことしていないから。

「シキ、そんなにワクワクしないで。気が散る」

「だってとてもうれしいから」

「いや答えになってない……固結びをほどいて、紐を袋からはがしたら、あとはゆっくり両側を破裂させないように引っ張って」

無事に作業完了。

「はいどうぞ。猫型だからなるべく割れないように持ってきたつもりだけど」

「ありがとう。ミノルも１個とって。一緒に食べるんだから」

はい、おだやかだけど、相変わらず押し強いですね。まあその通りにするんだけど。

「それにしてもかわいい。こんなクッキーがあるんだね。それにいい香り」

「でしょ。バターの香りと小麦の感じがよくて、口の中であまくさらさらとするよ。お店も素敵なんだ。女性の店員さんが多くてさ、なんだか優しい感じで……じゃない」

何素直に答えてるんだ自分。

「やっぱり好きなんだね。そんな大切なものを、プレゼントしてくれてありがとう」

シキが笑いかけたあと、例の時を止める速さでゆっくり座って、わたしの方を見上げた。

「一緒に食べよう？」

なんか妙に丁寧に言われたから、わたしはそっけなく

「何それ、もう一緒じゃん」横に、あくまでそっけなく座ったつもり。

「じゃあ。いただきます……あ、おいしい」

自然な言葉は、シキの口、というか心からこぼれた感じになった。

そのあともシキは、時々、おいしい、本当においしい、って時折こぼれたつぶやきをしながら、少しずつ食べていた。

妙に顔が熱くなる。クッキーはシキの手から無くなり、

「ごちそうさまでした」とひとりごとのように、でも世界に感謝するようにあいさつをして、残り４匹の猫たちを大切に両手に覆った。そしてカバンの中に

「いやそんなに遠慮しなくていいから。食べればいいのに」

なんか言わずにいられなかった。

「だって大切なプレゼントだもの。なんか思い出したの。何百年か前の、日本で一番偉い王様か誰かが、自分の家来に甘いお菓子をあげたの。他の家来はその場で食べたんだけど、ある家来が、はじっこを少し切って食べただけで包みに入れたの。一番偉い人がどうするんだ、って聞いたら、その家来は、頂いたお菓子なので、帰って家族やお手伝いの人とかと分けますって言ったんだって」

いきなり妙な話題をぶつけてくるなよ、今回が初めてじゃないけどさ。

「いやわたし偉くもないし、そんな大げさに与えたわけでもないし。今食べちゃえばいいのに」

別に変なことを言ったつもりじゃない。

けれどシキは５秒くらい、空のやつの方を見上げて考えて、そのあと、

「じゃあ、もうひとつずつ。はいどうぞ」

袋の中から猫型クッキーを取り出して、差し出してきた。

別にいいのに、変なの、って言いそうになった。いつもの自分ならそう言っていたのだと思う。

でもなんだろう、そうじゃない気がした。

「ありがとう。自分がプレゼントしたものにいうのもなんだけど」

ものすごく恥ずかしいし、ガラじゃないし、見えてないからわからないけれど不自然すぎる笑顔だったと思う、

……けれど、気持ちは本当だった。

わたしの顔を見たシキの顔は、ほんの少しだけ赤くなった気がした。気のせいだろうけどね。

「どういたしまして！」

なんかきゅっ、とした感じのシキの笑顔が返ってきた。映画で出てくるくっきり美人女優が、オフショットで見せるあどけなさ、っていう感じ、表現力足りてないけれど。

えっ、そんな表情もできたんだ、って思った。

そんなわたしが言葉を返す前に、目の前のやっぱり詳細不明失礼美少女はそのままくるっ、と回って空のやつに両手を上げて伸びをする。

もう半回転した時は、もういつもの何がやってきても９５点の、シキだった。

「ありがとうに心を込めたつもりだったのに、ありがとうが重なっちゃった。ありがとうかけるに」

「いやかけるにってなんだよ」

これには思わず突っ込むよ。

「だって一回だと気持ちを伝えきれてないから。でもいい言葉も浮かばないとしたら、ありがとうを倍にしてお返しするしかないでしょ？」

何を言っているのかよくわからない。

「ありがとうありがとうのついでに、一つお願いがあるの」

　頭の中で続いていた、かきびりぐしゃ、の流れが、ぴたっと止まった。

「何。先に言っておくけど、出来る範囲で言って」

「私の名前の、意味を作ってほしい」

　なんだそれ。

「わたしが知る訳ないじゃん。調べようもないし。つけた人に聞いて……じゃない」

　シキの性格なら、分からないことはすぐ調べるだろうし、ダメならばすぐ人に聞くはずだ。どんなに難しくても、風がビルたちの間をを抜けていくように自然に。

　ただ、その人に聞くことが少しでもできるなら、の話。

　今、その可能性はゼロだ。

顔がまずい、って感じになったこと、多分シキにも分かったんだろうな。

「そう、今の私には調べられない。だから、お願い」

　お願い、と言われても、どうすればいいのか。ただ黙るしかない。

「ちゃんと理由はある。さっきのムカデの話を書いた作者が「旅してきた」、」

言いかけたシキが、あ、とつぶやく。

「っていうと知らない人に伝わらないか。

その作者が「書いた」物語があって。主人公が色々な登場人物に名前をつけていくと、物語ができていってその人物だったり動物だったり怪物的なやつだったりが動き出して、物語が進んでいくの。ほらよく言うでしょ、ナハタイヲアラワス、って」

今さらだけど、シキは割とむちゃくちゃなことを言っているんだと思う。だってここにきた時からシキは自分のことを名乗っていたはずじゃないか。その時に決まっていたことを、後付けで行っても意味あるのか。

いやむしろ、なんで名前なんかにこだわるんだろう。ってあれ？ 最初、屋上で出会った時に名前を名乗った流れって……

「もしかして、わたしがシキに名前を名乗るように聞いたことと、関係あるの？」

シキはただ微笑むだけだった。

「今はわたしにはなにもない、シキという名前だけの人だよ。ちなみに、今話してる物語だと名前を無くした登場人物、正確に言うと忘れられた登場人物は、存在する意味をなくしてしまって、さまよい続けるの」

普段なら架空の物語に自分を当てはめていることについて、寝ぼけてないで現実をみなよ、なんて言っていたと思う。そのツッコミは言わなかったけど、代わりに違うことが気になっていた。

シキにとって、大切なはずのことを、屋上で出会っただけのわたしに託そうとしていることだ。よくわからない。

わからないけれど、一つだけ確かなことがあった。

今、わたしは屋上の改めて詳細不明失礼美少女の、よくわからない危機に、それでも立ち向かおうとしている。

そうしたいと、心から思っている。言葉としては言わないけれど。

「今度会うときまでに聞かせて。別に一つの正解、じゃなくていいから。誰かに聞くのでも、ネットで調べるのでも、自分で考えるのでも、なんでもいいよ。ミノルがいいと思う方法で、やってみて」

　やり方は分かった。でも、頭の中では 、やってみてと言われても、という言葉が回り続けていた。メモ帳も次々とやぶっては書き損じていく。ぐぐるぐるる、かきびりぐしゃ。

　例えば、シキって響きしか知らないけれど、実際はカタカナなのか、漢字なのか、ひらがななのか、さらにはローマ字なのか。どれもありそうだ。

「さて、時間だよ、いってらっしゃい」

　お昼休みが終わる、鐘が鳴る。

　始まったのは授業なのか、何かの変化なのか、新しい物語の続きなのか、ただの日常の繰り返しなのか。そしてその始まった何かとは、シキにとってのものなのか、わたしにとってのものなのか、それとも。

　なんて考えてる場合じゃない！

「やばい、行かなきゃ。ていうかいつも思うけれど何で教えてくれないんだよ！」

「あせった時のミノルが、かわいいから」ばかやろ。

　わたしは走り出した。ごうごう、と耳の横で音が聞こえる。これは警告なのか、心の高鳴りなのか、その両方なのか。風は吹いているのか、止んでいるのか。

　わからないけれど、音に混ざってシキの、はっきりすっきりとした声が聞こえてくる。

「お父、じゃなかったトクラさんによろしく。結果報告楽しみにしてるよ。それじゃ、また」

追記：ハルコさんが快くＯＫどころか、すごく応援してくれたこと、やっぱりシキに言わなくてよかったと思う、シキのことを知れば知るほど。

「ジュークボックス・ブルース」

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The most important thing to remember is that the best way to get the most out of your home is to make sure that your home is safe and secure.　

　The right hand suddenly becomes light.
　The first thing to do is to make sure that you have a good idea of what you're doing.
I was too busy looking at her. I run out of the rooftop.
　Shiki takes things out of my bag and quickly puts them on the ground: reference books, trash cans from my lunch, a pencil case, and many other things.
Wait, wait! I was chasing after it, but I still didn't know what Shiki was going to do. I look up to see if she has put them down, and see her on the other side of the rooftop. When did this happen?
　Shiki pulls out his bag, a notebook with messy scribbles that only he can read, pocket tissues from the terminal. He quietly places the iPad and the glasses case on the ground, but doesn't he move faster than I expected? Or rather, stop circling from beginning to end, "You son of a bitch, wait!" Shiki quickly took something out of his bag, put it down, and ran out again, repeating the process. I chase after them, but I can't catch up with them because I pick them up as I go.
I gradually lose track of what I'm doing, giggling.
　Shiki had stopped running when I picked up the student notebook.
　I hear a voice. Talking to himself?
'Yes, I do. I'm going to go out and say it instead. Minoru-san, you're not being honest.
I heard a voice. "He didn't answer the phone for a long time, but actually, Minoru-san wants to see you too. Eh, I haven't seen you for a long time, is that right?　It's nice to see you again after a long time. What do you mean?
Then, please contact him by e-mail for more information. No, thank you very much. The first time I tried to get my phone back, he held it out to me.
What do you mean? I answered it for you. I'm sorry to hear that," he said, "I thought I was getting a call.
　The most important thing to remember is that the best way to get the most out of your phone is to make sure it's a good one. The red color of the flame, which represents anger, is mixed with other colors and becomes a bland blackish color.
I was surprised to hear the sound I heard earlier, but it wasn't an alarm. I'm not sure if that's why you said alarm until now!　So what's the point? It was the usual smile.
I'm not sure if it was an alarm or something else. The most important thing is that you should be able to find the right one for your needs. But I'm more interested in something else.
　Who was on the other end of the phone?
If I'm going to travel, I'd better be able to go anywhere I want. To get the thing, we have to ask. It's something I need to do. Besides, you have a lot of other things you want to talk about, don't you?

She’s about to say, "Good luck with the historic father-daughter reunion,"

but Shiki was the first to speak to me. I'll get a head start on everything.
"Yes, sir. I didn't look at this last one. The actuality is, it's a very important thing. I took it back.
'Good for you, really. To change something, you have to start something first, whatever the trigger is. Besides, it's okay if it's ruined after that. You just have to try to find something else. I said that before. - Shut up!　You said it, and I heard it, but that's not what I'm talking about. And what I have to say is that it doesn't matter what I have to say. You always say things like "change" or "start," but what about you, Shiki? I'm sure you've heard this story before.
　The first thing to do is to make sure that you have a good idea of what you're talking about.　　
　Shiki looked at the sky and thought.
　Just 10 seconds. I think I've found the answer. The expression is like a glowing light bulb symbol.
　Siki postures as if reformed and fixes the hem of her skirt sweater with the graceful quickness that stops time in the example. Then he looks at me and says, "I don't think anything has changed. 　
If I were a comedian, I would have given him a red dot, but instead, he continued.
People don't change that easily. The time I have walked until then is not in vain and I cannot lose it. There are a lot of things that you are born with that are hard to get rid of, even if you want to. For example, that my parents are in a world too far away, that Minoru's mother is Haruko-san instead of his mother, and that his father is Tokura-san, whom I don't get to see very often. The most important thing is that the seals are very friendly to each other.

If you keep saying serious things, you'll end up being a jerk.

If he says such a stinky thing at a strange time, it will be the end of him as a weird girl . No, Shiki is a strange girl, and I still don't know all the details.
　And yet, there is something that compels me to listen. The only thing I can do is to be silent again.
　The wind stopped.
But," Shiki looked at me more intensely, "I didn't do anything wrong.
It's not that I did anything, but I have a feeling that I can start something now that I've met Minoru. I'm embarrassed, aren't I?
　It was hot, and I could feel sweat seeping between my fingers. I tried to write something in my mental notepad, but the page was torn off and rolled up without taking shape. But," she said, meeting Shiki's eyes more intensely, "I'm not sure what I'm supposed to be doing. What's that? Scratch and squish.
　No, I've been turned around in various ways, but I don't feel like I can stand this place, and I want to connect the gap with something. Wasn't there something?
That's right.

You know, Shiki," I said, "I was wondering if you could help me. I took out something wrapped in a kinchaku plastic bag from the back of my bag.

It was the six cat-shaped cookies that Haruko and I had bought at a nice, natural store.
She held it out in front of Shiki with her right hand.
Shiki rolled her eyes without saying a word, put her face close to the bag of cookies, and then said, "I didn't know there was such a nice thing in there. Oh, my gosh!"
She looked like a puppy who had found a ball.
I couldn't help but blurt out, "No, you were looking through people's bags just now, weren't you?
I didn't notice it because I wanted to answer the phone.
She took the cookie in her hand and then wrapped both hands around it softly.
I was so excited that I couldn't help but smile at her and say, "What?
Let's eat together!"
I'm fine, I can eat anytime I want. I'm not sure if it's a good idea or not, but I'm sure it's a good idea. Thank you for your kindness," she said. He answered so straight that it made me feel embarrassed only when it was important. I'm here. I don't say that, but I don't want to.
I'm not sure how much I can do to help you. The first time you do it, it's probably because it's hard to open. The string of the bag is rather hard to open. I don't know how old he is, but I think Shiki is probably his senior.
Shiki was standing beside me, peeking at me as I opened the bag. No, it's not that big of a deal.
Shiki, don't get so excited. It's distracting.
Here you go," she said. Minoru, take one too. Yes, you are gentle, but you are still pushy. Well, that's exactly what I'm going to do.
I'll take one for you, too. Thanks. I didn't know there were cookies like this. And it smells good. Yes, they are gentle, but as usual they are very pushy. The store is also very nice. There are a lot of women working at the store, and they are kind and ...... friendly.
I knew you liked them.
Do you want to eat it with me?"

The most important thing to remember is that the best way to get the most out of your money is to make sure that your money is well-spent.

The first time I saw her, I thought she was going to be a good friend.
The first thing that comes to mind is the fact that the first time you see a person with a smile. The cookies were gone from Shiki's hands, and I said, "Thank you for the food," as if to myself, but also to the world, and carefully covered the remaining four cats in my hands. And in the bag. "No, you don't have to be so reserved. The actual "I'm not sure what you're talking about.

Because it's a precious gift. It reminds me of something. Hundreds of years ago, the greatest king in Japan or someone gave his retainers sweet sweets. The other retainers ate it right then and there, but one of them just cut off a little piece and put it in the package. When I asked what the most important person in Japan was going to do with it, the retainer told me that it was a gift and that he would go home and share it with his family and helpers.

She suddenly brought up a strange subject, and not for the first time.
I thought to myself, "No, I'm not a great person, and I didn't give it to him in such a big way. I don't mean to sound strange, but I was just trying to make the most out of the situation.
But Shiki looked up at the empty one for about five seconds, thought about it, and then said, "Well, one more at a time. The first thing to do is to take out a cat-shaped cookie from the bag and offer it to him.
I almost said, "It's okay, it's weird. I think my usual self would have said that.
I don't think I said anything strange, but I felt like I didn't.
Thank you. The actual "I'm not a fan of the way you look at it, but I'm not a fan of the way you look at it either,cheap beats by dre.
I'm not sure if it's just my imagination, but I'm sure it's just my imagination. It was probably just my imagination.
I'm so glad you're here!"
The most important thing to remember is that the smile is not a fake smile, it's an innocent smile that a beautiful actress in a movie would show in an off shot.
I was surprised that she could make such an expression.
Before I could reply, the beautiful girl in front of me, whose details are still unknown, spun around and stretched out her hands to the empty one.
When I did another half-turn, Shiki was her usual 95, no matter what came her way.

Shiki said,”I thought I had put my heart into my thank you's, but my thank you's just piled up. I feel like saying thank you twice as much.”

I'm not sure if I'm expressing it well enough, but I'm sure I'm doing a good job of it.
I'm not sure if I've conveyed my feelings to her enough at one time. But if you can't come up with any nice words, you'll just have to double your thanks in return, won't you?
I don't know what I'm talking about.
The stream of "kaki-biri-gusha" that had been going on in my head stopped abruptly.
What? The most important thing to remember is that the best way to get the most out of your money is to be honest with yourself.
How would I know? I'm not sure how to check it out. The most important thing to remember is that you can't just ask anyone.
　The only thing is, if you can ask that person, even a little bit.
　The most important thing to remember is that you can't just take a chance on a new product or service.
The most important thing to remember is that you can't just go to the store and ask for the best deal.
So, please." Even if I am asked for a favor, what should I do? I just have to shut up.
There is a good reason. The author who wrote the story about the centipede earlier said, "I've been on a journey," he said.
I can't look it up right now," he said, "because I don't know the author.
There is a story that the author "wrote". The main character gives names to the various characters, and the story is formed, and the characters, animals, and monsters start to move, and the story goes on. I'm sure he's been calling himself that ever since he came here. What is the point of retrofitting something that was already decided at the time?
Or rather, why do we care about the name? What's that? The first time we met on the rooftop, the flow of saying your name is ...... "Perhaps it has something to do with the fact that I asked Shiki to say his name?"
She only smiled.
I have nothing to do with you now, I am just a person named Shiki. In the story we're talking about, the character who loses his name, or more precisely, the forgotten character, has lost the meaning of his existence and continues to wander around. I didn't say that tsk, but I was wondering about something different instead.
She was trying to entrust me, whom she had just met on the rooftop, with something that was supposed to be very important to her. I don't know.
I don't know, but one thing was certain.
Now I'm trying to face the unknown crisis of a beautiful girl on a rooftop.
I really want to do that. I don't say it in words, but....
I'd like to hear it by the next time we meet. It doesn't have to be the right answer. I don't care if I have to ask someone, look it up on the Internet, think about it by myself, or whatever. I'm not sure how to do it, but I know how to do it. But in my head, the words, "Even if you ask me to try," kept spinning. I was also writing on a notepad, which I was destroying one after another. I don't need a single right answer.
　For example, I only know the sound of shiki, but is it actually katakana, kanji, hiragana, or even romaji? I knew how to do it.
The bell rang, signaling the end of lunch break.
　Was it a class that had begun, a change of some kind, the continuation of a new story, or just the repetition of daily life? And is this something that has begun for Shiki, or for me?
　I don't have time to think about it!
Oh no, I have to go. I mean, I always wonder why they don't tell us!
I was so excited, but then I thought, "Minoru is so cute when she's upset.
　I started to run. The most important thing to remember is that you should never be afraid to ask for help. Is this a warning, a heartbeat, or both? I don't know if the wind is blowing or not, but I can't tell.
　I don't know, but mixed in with the sound I hear Shiki's clear and distinct voice.
Give my regards to your father, or should I say, Tokura-san.

(I look forward to your report on the results. The more I learn about her, the more I'm glad I didn't tell Shiki.)

(Writter:No.4 ﾔﾔﾂｶ Photo:No.5 ﾊﾙﾅﾂ Auful translation:Deep L & No.0)