会社員をしています。 言葉についてあれこれ考えるのが好きです。

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最近の記事

炭酸は妖術

液体がしゅわしゅわするなんてどう頑張っても説明できない。 人智を超えているということは科学を超えているということ。 あれはまやかしだ。危険すぎる。 危険なものに人は惹かれる。 危ないと言われると気になる。手にする。 フグもきのこもこんにゃくも、危険な魅力に取り憑かれた人がいたから、いま当たり前に食べている。 炭酸は不思議だからみんな虜になる。

    • 遺伝子の奴隷

      嫌な記憶ほど強く残るように脳みそはできている。 自分の記憶だけでなく、親の世代で危険だと感じたことは子供にも引き継がれるらしい。 私たちはみんな、自分の祖先全員分のトラウマを背負って生きている。 ところで眩しいと感じるとくしゃみが出る人がいる。 4人に1人の確率で存在し、優性遺伝する。 私もそうだ。 今日そんな人に人生で初めて出会った。 気が合うなと思っていた人だった。 もっと仲良くなりたいなと思っている人だった。 祖先全員分の遺伝子を引きずって生きるのも悪くない。

      • また一歩進めた

        総務にいた時パワハラを受けて休職した。 いまは違う部署にいさせてもらっている。 この間、総務のわたなべさんと話した。 わたなべさんも仕事を休んだことがあると言っていた。 たくさんの会社を経験されていて、いまの総務の人間関係に少し不安があるという。 わたなべさんと話をするまではこう思っていた。 総務の人を許せない。 自分がされたことと同じ目にあって欲しい。あうべきだ。 総務の人が辛い思いをしないと、総務で辛い思いをした私が損をする。 みんな平等に損をするべきだ。そうすれば私

        • 中途採用をしていた時の話

          目標を達成するために必死だった。 今期の採用計画通りの人数を採用できなかったら評価を下げると言われていたから。 いつものように採用面接に来た人の窓口対応をした。 小さな会社なので、求人の掲載媒体選定から応募者と面接官のスケジュール調整、筆記試験採点合否通知入社準備まで、中途採用に関わることを、面接以外はまるっと1人でやっていた。 緊張した青年だった。 緊張がほぐれてその人の良さが面接で100%伝わってほしかった。 それはその人のためというより自分の利益のためだった。 笑顔

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          榎本さんに会えたらよかった

          社内の他の事務所で用事を済ませて自部署に戻る帰り道、榎本さんを見かけた。 いつも自部署の人数人で楽しそうに話しながら歩いているので、今日は1人なんだと珍しく思った。 榎本さんはよく飲み会を開いていて、私にも声をかけてくれる。 私と違って社交的で先輩からかわいがられるタイプだ。 榎本さんと仲良くなりたいなと思ってはいるが、話の輪に入る勇気がなくていつも話しかけられないでいた。 でも今日は話せそうだ。 前方後方に人がいないことを確認。 榎本さんはまだこちらに気づいていない。

          榎本さんに会えたらよかった

          自分が嫌いな人に自分はなるらしい

          自分が嫌いだなと思う人のように、人はなっていくらしい。 本で読んだり、体験したりしてそうなんだろうと思う。 それがすごく嫌だ。 私は、威圧や不機嫌を使って人を動かそうとする人が嫌いだ。 でも嫌いということは私は将来そうなるんだろう。もうそうかもしれない。 私が体験したあんなに辛い経験を、いつか自分が誰かにさせる張本人になる。 そんな人にならないためにはどうすればいいのだろう。 威圧を使わなくても自分に自信がある人は、自信の根拠をどこから探してくるんだろう。 自信を持つに

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          来期の課題が決まった

          会社での来期の課題が決まった。 期限までに終えられるように1年分の予定を組んだ。そうしたら、こんなにやることがあるのかと想像して落ち込んでしまった。 まだ経験してもいないのにテンションが下がっている。 未来を悲観していないで今を楽しんだほうがいい。起きてすらいないことを考えてこんなに落ち込めるなら、いままさに起きていることがいかにすてきかいかに楽しいか考えてテンションを上げることもできるはず。 考えすぎて嫌になることもあるけど、考えすぎる性格も大切にしたい私の一部だ。

          来期の課題が決まった

          先輩の声の掛け方が怖い

          先輩の声の掛け方が怖い。 PCを見たまま名前を呼ばれる。 こちらがはいと返事をして近くに行くまで、こちらの方を見もしない。 早く行かなきゃとあせらされて心臓がバクバクする。 なんでそんなふうに呼ぶんだろう。 それが相手を怖がらせるって知らないのかな。 かっこいいと思っているのかな。 忙しいのかな。 私の顔を見るのが怖いのかな。 怖いな。 明日もそうやって呼ばれるんだろうな。 先輩と、人の目を気にしすぎて自分が辛くなっちゃうタイプだねって意気投合したこともあるのにな。

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          新入社員がやってきた

          自己紹介の時、名前と一緒に 「皆さんに貢献できるように一生懸命頑張ります」と言ってくれていた。 働きすぎて適応障害になって休職したことのある私は、その言葉で泣きそうになった。 そんなことしなくていい。ただ生きてさえいればいい。生きてさえいれば楽しいことがたくさんある。って言ってあげたかった。

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          晴れているのに雪が降っていた。

          私は雪の多い地方に住んでいる。 雪の多い地方の人にとって、雪は厄介なものだ。 雪かきで体力も体温も奪われて、やっと終わったと思ったら一晩で元通り。 周りの人も苦労話としての雪の話しかしない。 でも私は雪が好きだ。 見た目が好きだ。白くてきれいだ。 触ると溶けてしまう儚さもいい。 一面降り積もって街がモノクロになるのも好きだ。 音が雪に吸収されるのか、いつもより静かだ。 雪かきで体が筋肉痛になるのも私だけの冬の季語として楽しんでいる。 雪のそういう話を本当はしたいけど、「雪

          晴れているのに雪が降っていた。

          景色の叙述トリック

          今まで見ていた景色は変わらないのに、景色から受ける印象が変わる歌詞が好きだ。 雨に降られたら 乾いてた街が滲んで きれいな光を放つ (エソラ/Mr.Children) 晴天とはほど遠い終わらない暗闇にも 星を思い浮かべたならすぐ銀河の中だ (ray/BUMP OF CHICKEN) 真っ青な空があったら、 綺麗すぎる空と比べて自分の嫌な部分を再認識する人もいる。 天気良くて気持ちいい、今日はいい日かもと思う人もいる。 雨が降ったら、 前髪崩れて最悪って思う人もいる。

          景色の叙述トリック

          目の色が変わるという現象を現実で見た

          私は会社員をしている。 部署内で役割分担して業務をこなしている。 私が担当する内容は1人で終わらない量だ。 みんな私の担当内容を体験済みなのでよく手伝ってくれる。 ある時そのうちの1人の方に「手伝ってくださってありがとうございます」と言った。 この時目の色が変わった、と思った。 その後に「どういう意味?」と聞かれた。 表情筋が動いて目の形が変わったとか険しい顔つきになったとかではなく、目の色だけがさっきと違うものになった。 涙の量なのか、顔の角度が変わって目が反射する光の量

          目の色が変わるという現象を現実で見た