僕が食べたいものと食べたい時間が人と違うからってDifficult Kid扱いしないでよ。

僕は今でこそ肩や腕に筋肉がついて健康的な体型をしているけれど、僕が子供のころは目も当てられないほどやせっぽっちな少年だったんだ。家族や友達にはみんなVeggie Stickって言われてた。細切りにされた野菜スティックみたいだったからね。あまり気にしていなかったけど、今振り返ればひどいよね。僕の体の特徴をニックネームみたいにするなんて。でも僕はそんなに自分がやせっぽっちであることは気にしていなかった。そのおかげで瞬発力や運動神経はかなり発達したと思うしね。さすがにティーンエイジャーになったころにはやっぱり少しは気にしたけど。だってやせっぽっちだと女の子の人気者にはなれないんだから。

僕の家には食べ物がなかったわけじゃない。お金はなかったけど食べるものはあったんだ。MomがFood Stampをもらっていたから一応の食材は買えたんだ。でもマカロニアンドチーズ、ハム、ソーセージ、牛乳、シリアル、パスタ、缶詰め、お米、卵、冷凍食品がたっぷり。Momはこの食材を使って料理をしてくれるかそのままレンジで温めて出してくれるんだけど、僕はこのどれも食べなかったんだ。しかも僕はMomの言いつけに沿って一日決まった時間に3食食べるのがすごく苦手だった。その理由のまず第一にこれらは僕の食べたいものじゃなかった。第二に決められた時間に僕がおなかがすいているとは限らなかった。だからMomや幼稚園の先生がお昼の時間になると食事をとりなさいと言うんだけど、僕は食べなかった。だってお腹がすいていないんだから。子供だった僕はそれを説明するほどの能力はなかったから、大人たちの手を煩わせていたみたい。Difficult Kidだって。だから僕と大人は食事の時間になると「早く食べなさい!」「いらない!」の問答をいつも繰り返していたんだ。でも考えてもみななよ。お腹がすいていないのにどうして与えられたものを与えられたとおりに食べないといけないの?そんなの牛や豚と一緒だよ。

唯一僕を救ってくれたのはMomが近くの教会からいつも果物と野菜をもらってくることだった。リンゴ、オレンジ、バナナなどの果物と人参やセロリのスティック、キュウリ、ケールやホウレン草を無料でもらってきていたんだ。Momや妹はこの果物と野菜をまずいからって手を付けようとしなかったんだけど、僕はこの野菜がキッチンカウンターに置いてある日は踊り出してしまいそうなほど嬉しい日だったんだ。僕は家にあったMac&Cheeseや冷凍食品は食べなかったけど、この野菜と果物を少しお腹がすいたときにだけ少し食べていたんだ。僕は小柄ですばしっこくて運動量がとっても多い子供だったからこまめに食べないと体力がもたなかった。だから決められた時間にお腹が減らなくて大人を煩わせていたんだろうね。

家にあった冷凍食品や缶詰を食べなかった理由はほかにもある。大人に言われるままに冷凍食品や缶詰を食べると僕の大事なSpider Sensorの性能が鈍ってしまうのがすごくわかるんだ。僕はその感覚が大嫌いだった。Spider Sensorのパフォーマンスが鈍ると力が湧いてこなくなるし、アラームやメッセージが入って来なくなるんだ。言っただろ、僕の育ったHoodで生きるにはSpider Sensorの助けなしには生きていけない。少なくとも僕個人は絶対にそう。だから大事なSpider Sensorの性能を鈍らせるのは絶対に嫌だったんだ。僕の味の好みが野菜や果物だったっていうのもあるんだけれど、結果的に野菜や果物だけが僕のSpider Sensorに何の影響もなかったから僕の主食になったってわけ。

大人になってからは人並みの食生活をするようになって、ハンバーガーやパスタやステーキを食べるようになったけど、僕は今でも野菜や果物がメインの食生活をしている。でも悲しいのは僕のSpider Sensorは子供のころのような最高のパフォーマンスじゃないってことだ。仕方ないよね、それが大人になっていくってことなんだから。もし僕が今からでも完璧な菜食になればSpider Sensorの性能も回復するのかな。現実にはハンバーガーやステーキの誘惑から逃れるのは難しいからかなり難しいだろうね。

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