レポート!グラフトプレナー×SLUSHTOKYO イベント #16
グラフトプレナー(家業を活かして新しい価値を生み出そうとしている人たち)の後押しや、コミュニティを作るために行なっているイベント「グラフトプレナー × SLUSH TOKYO」。10/7(月)に開催された第16回目のイベントの様子をレポートします。
今回も会場は永田町GRiD 1Fのレストラン、tiny peace kitchen。こだわりの食材を使った体に優しい料理が並びます。
さらに今回は、医療機器製造を手がける町工場の3代目になるところをを引き継がず、ビール屋さんになった山崎さんのビールも登場しました。山崎さんはある時クラフトビールを「生」で飲み、その美味しさに感激し、クラフト生ビールを流通させたい!とメイクラフトを創業したそうです。生ビールは、通常は金属製の樽に入っていて、回収も必要なので、流通が大変で大手企業しか流通に手が出せません。そこで、回収不要で軽量な生ビールの容器を開発したのです。これは町工場を家業に持つDNAがあっての発想なのかもしれません。合言葉は、「家業は継がないけど、ビールは注ぐ!」
テーマは、「家業 x クラウドファンディング 」の第二弾。ゲストは第一弾でゲストにお越しいただいた出川光(でがわ・こう)さんと、南木隆助(なんき・りゅうすけ)さんの2名。クラウドファンディングに詳しい2人のゲストから、家業を活かして新たなビジネスを作る方法を、実例を通して語っていただきました。
南木さんは、『IKKOAN』という和菓子職人の本をクラウドファンディングを用いて制作したクリエーティブディレクター。
出川さんは最近『クラウドファンディングストーリーズ』というクラウドファンディングに関する本を出版しています。家業は出版社。継がずにクラウドファンディングに関わる仕事をしています。
お二人の出会いは、約5年前、まだクラウドファンディングが一般的でないころに、南木さんの『IKKOAN』プロジェクトを出川さんがアドバイスしたことから。その縁がつながって、今回の出川さんの本の企画とプロデュースを南木さんが担当したそうです。
南木さんは、お母様がお店の常連だったことから和菓子屋、一幸庵と出会い、その愛が溢れるあまり社会人になってからその本を作ることを思いついたのだそう。職人さんには当時後継者がおらず、100年後にその技が残らないかもしれないという危機感もあったのだといいます。
しかし、そのクラウドファンディングの道のりは厳しいものでした。はじめはなかなか共感を得にくく、クラウドファンディングに苦戦したそうです。そこで出川さんが行なったアドバイスが、「お母さんに電話をしてください」というもの。お母様の周りのファンにもっと協力してもらうことを提案し、目標金額を達成できたそうです。
ここから、「家業を持っていることのアドバンテージ」に話はうつります。南木さんは家業を持っていたのではありませんでしたが、家業を持っていることは、クラウドファンディングに必要な「ストーリー」「プロジェクトの質」「PR」の3つの柱のうち、すでに「ストーリー」を持っている状態なのだとお二人はいいます。
自分の家業があるからそれに関するプロジェクトに取り組んでいるというストーリーのほうが唯一無二性があって共感を得やすい。家業で得たヒントを活かして自分の事業を行うグラフトプレナーの活動はとても応援されやすいのです!それに気づくかどうかも、とても大事だと最後に出川さんが付け足していました。
今回新しいキーワードも出ました。「グラフトプレナーみ」です。いわば、グラフトプレナーらしさといったところでしょうか。例えば、家業によって自分の好きなものがインプットされていたり、家業に関する知識を自然と他の人より多くもっていたりするということ。出川さん自身も、どうして本を作ったんだろうと振り返った時に、出版社というアイデンティティが自分の中にあったことに気づいたそうです。
あなたには、どんな家業のアイデンティティ、「グラフトプレナーみ」があるでしょうか。これを機会に考えてみるのも良いかもしれません。
トークの後は、家業を生かしたクラウドファンディング無料1時間相談会の申し込みに続き、家業をもつ学生同士のコミュニティやプラットフォームを作ろうとしている荒巻陽佑さんによるピッチがありました。
家業は運送業で、高校生の時に家業を継ぐと決めた荒巻さんにご両親は「とりあえず経験してこい!」と大学に送り出します。様々な経験を重ね、学生どうしで家業について話す機会があったらいいなと思いつき、家業持ちの学生コミュニティを作っているのだそうです。もし周りに家業を持っている大学生がいたらぜひ紹介してあげてください。
ネットワーキングタイムでは、家業を持つみなさん各々が販売している商品のプレゼンをしたり、情報交換したりワイワイと盛り上がりました。
次回は、
「家業は継がないけれど本当はサポートしたい。
地元を離れたけどいつかは故郷に貢献したい。
でも今は東京での自分の生活を大切にしたい。」
そんな多くの家業持ちの悩みにお答えします。TABICAとJR東日本の事業担当者にお越しいただき、東京に住みながらできる家業を活かしたビジネス創出の方法を紹介してもらいます!
もちろん家業がない方もご参加大歓迎!
グラフトプレナー × SLUSH TOKYO イベント#17は、10/30(水)開催。
チケットはこちらから!
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