楽しくなるであろう昨日

このところパッとしない。
楽しみにしていた寿司店は長蛇の列で入れなかったし、お気に入りのパスタ店は別の店に変わってしまったし、外出日は雨が降るし、人から言われることがチクチクささる。
あれもこれも数え上げたらキリがない程アンラッキーが続いている。
昨年、「今あまりパッとしない状況だけど、あなたに会うことで変わるかもしれない」と言った相手ともご縁がなかったのだから、穴にこもってひたすら眠りたいというのが正直なところだ。

今日やらねばならない最低限のことをこなし、あとはゾンビのような顔をしたまま、頭の中だけが終始高速回転しているので、１日恐ろしく疲れる。

そんな日々でもワクワクやトキメキが欲しい私は、今月と来月の外出の予定や買いたいものをリストアップしている。
そのうちのひとつが昨日だ。

しかし、昨日のことを昨日のうちに書けないだろうと踏んでいる私は、その前日つまり今日木曜日にこの記事を書いている。

私は人よりも疲れやすいということはないが、特に都内に出るときは、人に依頼したり交渉したり、時には嫌な思いをさせられたり、あるいは待たされたり、遠回りさせられたりする状況にとてもエネルギーを使うようで、帰宅すると茹ですぎたほうれん草のようになっている。とても記事を書ける状態ではない。
故に、楽しくなるであろう明日を想像して書いている。

ところが荒天になるそうだ。
車椅子で人の介護を受けながらの外出はなかなかキツい。
もちろん介護してくれるヘルパーさんが大変なのだが、彼女らに気を使ったり、そっと遠慮しなければならなかったりすることがとてもキツい。
健常な人は「こんな時に外に出なくても」と思うらしい。そんな言葉を聞くと、私の心はキュッとなる。
健常者がすることは障害者だってする。
健常者がしたいことは障害者だってしたい。

予定では、銀座に行って美味しいランチをとり、店舗限定品もしくは、背筋がピンとするような大人な品を買い、次に六本木の国立美術館に移動してイヴサンローラン展を観覧する。

今は楽しくなるであろう明日しか想像したくない。
雨だって晴れだって、１日が完璧じゃなくたって、今の私には楽しいと思える一瞬一瞬が必要だ。
明日がそういう日でありますように。
昨日がそういう日でありますように。

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