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ママパパにも知ってほしい! 第2回(前半)「三大栄養素を知る―脂質と炭水化物」

こんにちは。医師の本間龍介です。
第2回のテーマは「三大栄養素を知る」です。三大栄養素とは、タンパク質、炭水化物、脂質の三つです。最終的には、タンパク質の重要性をお伝えしたいのですが、本項ではその前半として脂質と炭水化物のお話しをいたします。

脂質

脂質というと、皮下脂肪や内臓脂肪を想像してしまうために、「油=カラダに悪いもの」と思われる方がとても多いです。確かにカラダにとって悪い油もありますが、実はものすごく大事な役割を担っています。

神経や大脳基底核、脳と言われる中枢神経は脂=油でできているのです。原始反射をととのえるためにも、神経、頭を構成する要素として、いい油を摂取することは重要です。

一般に、良い油とはオメガ3と言われるものです。また悪い油はオメガ6だという風になんとなく覚えておいてください。
オメガ6の悪い油を食べていると、脳や神経が硬くなり、
オメガ3の良い油を食べている方は脳が柔らかくなる
と言います。ですから、よい脳をつくるために、柔らかい油をとりたいですね。

さて、アレルギーやアトピーといった症状に悩まれているお子さんとその親御さんは多いと思います。このアレルギーやアトピーを引き起こす痒み物質は、細胞膜からつくられます。人間には約60兆個の細胞があります、そのすべてが細胞膜で包まれています。

この細胞膜は、すべて脂=油でできています。ですから例えば、ファストフード店のフライはこの悪い油で揚げられているので、食べ続けると痒み物質ができやすくなり、アトピーやアレルギーが悪化しやすくなります。
 
これに対して、EPAやDHAと言われるフィッシュオイルのような良質な油をとるといい効果があります。

例えばEPAは、抗炎症作用があるのでアレルギー反応が出にくくなります
そしてDHAは、神経をサポートすることで脳機能を上げることがわかっています。

面白いレポートでは、妊娠中のお母さんが良質な油をとっていると、お子さんのIQが5ポイント上がるという調査結果もあるくらいです。もちろん、それだけではないと思いますが、良い油をとろうと意識するお母さんは、他の食品でもいい栄養をとろうと意識されているのでしょう。

それほど食べ物は大事、油は大事だということをぜひ知っていただきたいのです。原始反射の統合を目標としてLUMOに通う方々にとって、脳の状態をよくするためにいい油をとることは当然の行為と認識いただきたいと思います。

炭水化物

炭水化物はエネルギーとしては非常に大事なものです。しかし、アメリカでは「White is Devil.(白いものは悪魔)」だと言うくらい、白砂糖、白米、小麦粉のような白いものを避けようとする研究グループは多いのです。

例えば、炭水化物をとりすぎれば皮下脂肪になりますが、ストレスがたまるとご飯やパンをたくさん食べたくなる方は多いと思います。女性ならば、生理前後のPMS症状時に、普段あまり食べない砂糖たっぷりの甘いものやチョコレートなどをたくさん食べてしまう方は多いのではないでしょうか。

その理由は、炭水化物を食べると一時的に、脳内の快楽ホルモン、セロトニンが出てくるせいですが、食べ続ければ、やはりそれはカラダによくありません。

また、炭水化物には、パン、ご飯、パスタ、ラーメン、うどんなど、いろいろな種類がありますが、ぜひグルテンフリーを選んでいただきたいと思います。私は医師、看護師、医療従事者の方はもちろん、一般の方も対象にしたセミナーを開いていますが、近年グルテンフリーの効果を紹介することが増えました。グルテンで体調を崩すことがわかる科学的な研究論文が増えてきましたので、そのエビデンスに基づいて皆さんに紹介しています。この講習会においても、いずれグルテンをテーマに情報共有いたします。
 
脂質と炭水化物のお話しのまとめに、ぜひ共有したいことがあります。それは、カロリー計算は過去の話と捉えていただきたい、ということです。

例えば、ビタミンやミネラルたっぷりの野菜と果物で構成された食品群と、色鮮やかなチョコレートでコーティングしたドーナツを比べてみましょう。
ドーナツは、グルテンと大量の砂糖や化学物質、オメガ6の悪い油のかたまりです。

この2グループが、たとえ同じ100kcalだとしても、カラダのなかで同じように利用されるはずがありません。後半でタンパク質について話す上でもカロリーを考えるより、まずは質を念頭に食事を選んでいただければと思います

次回は「三大栄養素を知る(タンパク質の重要性)」の後半をお伝えします。
タンパク質が最も重要とされる理由に迫る内容です。どうぞお楽しみに。

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