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2022年度慶應義塾大学文学部小論文問題を解いてみた

設問2 正しさについて、この文章(省略)をふまえて、あなたの考えを320字以上400字以内で述べなさい。 

 筆者が指摘しているように、リベラル派の正義は理念の上でのみ「正しい」ことをすべての人に要求するという点で困難を抱えている。今必要とされるのは、多様な人々が相互に尊重しあいつつ最善の「正しさ」を模索する開かれた対話の場を作り上げていく努力である。なぜなら、このような努力を通じて、理念だけでなく現実の課題にも柔軟かつ包括的に対処できる可能性がひろがるからである。
 いかなる「正義」も「自由」も保障され「平等」に扱われるのなら、それは「理想」の実現である。しかし、現実はどうであろうか。現代のみならず太古から「正義」は多元化している。異なる立場には各々の「正しさ」が存在する。一つの「正義」を絶対化することはできない。ロシアによるウクライナ侵攻および中東の戦争はそれぞれ「正義」を主張する一方その主張を相手は受け入れない。簡単ではないが、いまこそお互いを尊重しあい普遍的な「正義」について議論すべきである。

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