aikoの歌詞から気づけたこと

aikoさんの曲がサブスク解禁され、Twitterのタイムラインに喜びの声が数多く上がっていました。

そんな中ある疑問が浮かんできました。

「aikoってめっちゃ人気あるけど何がそんなにいいんや？」

確かに「カブトムシ」もたくさんの人がカバーしている名曲だし、「キラキラ」もいいメロディーだよなあと思っていました。

「おやすみなさい」に関しては初めて買ったCDの中の１つで弾き語りで何度かカバーをしたことさえあるのです。

そんな風に僕も何となくは好きだったのですが「aiko好き？」と聞かれたら「いや、普通かな。」と答えるぐらいの好き度合いでした。

自分からの問いに答えるべくひとまず「aiko 魅力」で検索してみたところ、曲がいい、歌詞がいい、ライブがいい、など当たり前のことしか書いていませんでした。そりゃそこがいいから売れてるんだろうと。

だけどそこに引用されていた歌詞を読んでいきなり疑問は解決に至ったのです。

夏の星座にぶら下がって上から花火を見下ろして
涙を落として火を消した

え？涙を落として火を消すの？失恋ソング？というかこの表現切なすぎるやん。

そう、純粋に歌詞が鳥肌が立つほどよかったのです。

眠りにつくかつかないか シーツの中の瞬間はいつもあなたのこと考えてて
夢は夢で目が覚めれば ひどく悲しいものです

わかる〜〜〜〜〜〜。切な〜〜〜〜〜い。と僕の中のスピードワゴン小沢さんも甘さを忘れてしまうほどでした。

「おやすみなさい」にしても

過去を愛しく思えるように 心込めて 最後のおやすみ
じゃあね おやすみ

中学生の僕には分からなかった、好きだからせめて後悔のないように別れを選ぼうとする気持ちに胸が締まる。

悩んでる体が熱くて 指先は凍える程冷たい
"どうしたはやく言ってしまえ" そう言われてもあたしは弱い

言わずと知れた「カブトムシ」

「言いたくても言えない」をこんなに切なく書けるなんて。また報われてないし…

そこでもう１つの疑問が浮かび上がりました。

「何でこんなにいい曲だと気づかずにいられたんだ？」

僕は曲を聴くときに基本歌詞を聴いていません。歌のメロディーだけを追っていることがほとんどで歌詞が入ってくるところといえばサビ頭のキャッチーなところだけ。

「花火」なら夏の星座にぶら下がって上から花火を見下ろして
「カブトムシ」は少し背の高い あなたの耳に寄せたおでこ

そこまでしか覚えていなかったのです。

「おやすみなさい」なんて自分で歌ったこともあるのに全然歌詞に何が書かれているかを覚えていませんでした。

ここで身体が水とタンパク質とaikoでできている編集者の今野良介さんとのツイッターでのやり取りをご覧ください。

今野さんはaikoさんの歌詞をどうやって好きになりましたか？

僕はキャッチーな部分以外をほぼ「聴いて」いないみたいで、
今日はじめてaikoさんの歌詞を「読んで」こんなに素敵なんだと知りました。

「聴く」の段階で全体が頭に入ってくるのでしょうか？ https://t.co/yHL8crHf1z

— 後藤大 🚼 3/30 アメリカ村DROP 4/10 京橋Arc (@gotodai0926) February 26, 2020

ああ、普段から「全体」「文脈」として物事を見てらっしゃるのだな。
と感じました。

思い返せば僕は本を読むときも、全体や章で何を言っているかではなく、単語や一場面など局所的にしか見ていなかった気がします。

とてもいい視点を知れました！
ありがとうございます😊 https://t.co/uiZ3K6aV5z

— 後藤大 🚼 3/30 アメリカ村DROP 4/10 京橋Arc (@gotodai0926) February 26, 2020

僕が歌詞だけでなく本の内容をうまく把握できなかったり、どんな映画だったかを人に説明できないのは「全体を見ていなかったから」なんじゃないかと思ったのです。

本の上手な読み方はまず目次を見て、何が書いてあるかを把握して本文に入ることだといいます。つまり全体を認識した上で細部を見ればしっかり入ってくるということです。

逆に細部から全体が気になることもあります。

僕が初めてドラゴンボールを見たのはギニュー特戦隊と戦っているところです。そこだけ見ても面白くてその先も夢中で見続けたし、それまでがどんな話だったのかも興味がわいて単行本を買いました。

「夏の星座にぶら下がって上から花火を見下ろして」は明らかに先が続く文章です。ここを聴いて続きが全く気にならなかったということは、僕はキャッチーな部分に「反応」していただけで曲そのものに「興味」を持てていなかったのです。

映画の内容を誰かに話そうとするときも細部というよりは反応した部分ばかりを思い出して話していたから時系列もどういう映画なのかも伝えられなかったというわけです。

全体や細部どうこうの前に「興味を持とうとしていない」のだなと気がつきました。

問題の半分ぐらいは「何が起こっているか理解していない」ことが原因だと思っています。

現に悩み事は具体的にどういう状態かが分かれば対策が練れるし、不安も正体が分かれば消え去ります。

興味をどうやって持とうかと考えていたところに音楽仲間のミュージックビデオの告知ツイートが流れてきました。昨日も流れてきたものでした。

昨日はTwitter動画でサビだけ聴いて「いいメロディーだな〜」「サビは普遍的な感じだな〜」と思って流したのですが、そのときは「これを言うためにどんなストーリーや想いがあるんだろう？」と興味がわいたのです。

「興味を持とうとしていない」という原因が分かったことで興味が持て始めた。

本を読むとき、曲を聴くとき、映画を見るとき、人に会うとき、会話をするとき、これからも自分が「興味を持てていない瞬間」に気がつき続ければaikoさんの歌詞がそうだったようにたくさんの物事が輝いて見ることができそうな気がします。

この大きな気づきを生涯忘れることはないでしょう。

というぐらい意識していたいです。