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ドサクサ日記 3/6-12 2023

6日。
花粉のせいで頭のなかにヌラっとした薄い膜が張っている感じがする。単なる疲れかもしれない。取材などで話す言葉も、ここのところあまりキレが良くない感じがする。とはいえ、「キレてる」だなんて思ってるときのほうが恐ろしいもので、自己評価が高いときのほうが案外、袋小路に立ってたりするのだ。CBSに篭って、ひたすら「サーフ〜」の再録にエネルギーを吹き込んでいく。かなりいい感じ。

7日。
スタジオで作業をしていると突然の悪寒、身体の震えもはじまったので即座に帰宅した。軽めの食事を摂り、しばらくしてから熱を計ると39℃を超えていた。頭も痛い。関節も痛い。仕方がないので着替えて伏せる。それでも、深夜までまったく入眠できない。鎮痛剤を飲んだところ頭痛や関節などの痛みが治まり、ようやく寝ることができた。深夜に病状をメンバーとシェア。イベント欠席の可能性を謝罪。

8日。
寝汗まみれの状態で起床。着替え。熱は下がっていた。コロナの抗原検査キットは陰性。やや軽めの腹痛が始まる。事務所と話し合って、午前中の取材をキャンセル。様子を見て、リハーサル直前にライブハウスに入ることに。鋭児、BREIMEN、PEOPLE1、どのバンドも素晴らしい演奏だった。新しい世代によって、ポップミュージックはどんどん新しいタッチやフィーリングを得ている。温故知新的な発想も、ネットのお陰でフラットに発露されていると感じる。ゆえに、衒いや屈託がなくて眩しい。俺の体調のせいでアジカンがキャンセルになった場合のことも考えていてくれたみたいで嬉しかった。アジカンも自分たちらしく演奏できたと思う。体調不良の原因は不明だが、鈍い腹痛がまったく治らないので飲食を避けることにした。2~3日の不食で症状が治まってくれるといいのだけれど。

9日。
鈍い腹痛は治らず。継続的ではないが、ゼリー飲料や乳酸菌飲料でも、飲んだだけでしばらく腹の奥底がズーンと痛む。派手な痛みではない。しかし皮下脂肪の下に隠れたシックスパッドのさらに奥、そこが「無」のような地帯になっており、その「無」がときおり自我を持って痛いと発信してくるような感じがある。アジカンのスタジオの録音用のセッティングを行なって帰宅。何も食わない宣言をす。

10日。
引き続き、水分以外の摂取を控える。体調ははっきりと良くないのに、何か不思議な冴え方をしている。何かを食べたいという意欲がまるで起こらない。俊敏に動かねば、みたいな気持ちも起きない。ただ呆然と、体の調子の悪さを有無も言わずに受け入れて、ただそこにいる、みたいな静けさで過ごす。CBSで音源の編集作業をして帰宅。試しにお吸い物を飲む。激しい旨味を感じる。そして、また腹痛。

11日。
重たい身体を起こしてテレビをつける。当たり前だけれど、震災についての報道を目にする。大震災の当日はリハーサルが中止になって、一体何が起こったのかもよくわからず、何とか自宅のそばの体育館まで帰ったのだった。俺にとっての大震災は翌日からだったように思う。追悼の気持ちは、あれからずっと絶やさずに持っている。祈るのはいつでもできるが、やはり3月11日は特別な日だ。そんなこととは無関係に、体内にはもはや食物の残骸と呼べるようなものは残っていないはずなのに、いくらかの鈍痛が繰り返し訪れる。横になって臍のまわりを押すと、ドクドクと内臓が脈打っているのがわかる。試しにお粥を炊いて食べる。目玉が飛び出るほど美味しい。出汁に味噌を溶いたスープもほんの少し飲む。こちらもとてつもなく美味しい。食べないでいると、食物への解像度が上がる。夜中にまた腹痛。

12日。
腹痛は治まってきたが、腹の調子は回復せず。耐久戦になるのかもしれない。お腹をグッと指で押したときの脈動がやや弱くなったように感じる。しかし、お粥が美味しい。うっかりたくさん食べたくなってしまうが、心を鬼にして少量にとどめている。今のお腹の調子で二郎系のラーメンを食べたらどうなるだろうか。消化できる体力や腸力はないが、そのまま出てくるとは思えない。ひたすら痛いのかな。


追伸。
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