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備忘録 | 23年7月

(できれば毎月)残していきたい備忘メモ。基本は月々の振り返りになるけれど、詳しく記すというより、あくまでメモのようなものとして。


劇場鑑賞 映画

『アシスタント』

監督:キティ・グリーン

過剰な盛り上げをせず、人物たちの行動を映す中で課題が立ち上がってくる作品。物語を駆動させていくのは「ものが投げられる」「ものを取り上げる」アクション。
セリフが決して多くない作品ながら、社内の相談窓口との会話が1番の見せ場になる。

『アフターサン』

監督:シャーロット・ウェルズ

評判が良く期待して見たが、イマイチ乗れず。断片的なカットを集積するタイプの作品にも好きなものはある。ただ本作は1つ1つのカットにも、カットとカットの連なりにも映画的な瞬間が宿っているとは感じられなかった。
唯一、ビリヤードの若者に誘われたソフィがプールにカップルを落とすカットだけが映画的な瞬間を切り取っていたと思う。
記憶(記録)と家族を巡る映画としては似たタイトルの『アフターヤン』のほうが面白かった(監督コゴナダへのインタビュー記事はこちら)。

『サントメール ある被告』

監督:アリス・ディオップ

とてつもなく心に残る作品。子どもを殺した罪で法廷に立つロランスを捉えるカメラは、何度もアングルを変化させる。それはこのロランスという人物の多面性、そして事件の複雑さを表しているようだった。
またロランスは法廷において基本は「立たさせる」「座らされる」「発言させられる」と常に受動的な存在だが、3回だけ受動的でない行動が描かれる。1度は思わず座り込んでしまう、1度は傍聴席の作家ラマに向かって微笑む、そして最後は弁護士の言葉を聞いて涙を流す。この3つの瞬間だけ、ロランスという人物が少しだけ垣間見えてくるような気がした。

『パール』

監督:タイ・ウエスト

底抜けに面白い! 『X エックス』の前日譚だが、ユーモラスで悲惨で『パール』だけでも十分に最高な作品だ。
3人を故意に殺害してしまうパールだが、その殺し方がすべて異なりバリエーション豊か。
なにより主演ミア・ゴスの存在感! ラストの笑顔終わりは多くの観客の記憶に残るだろう。サイコパスゆえの笑顔のようでも、悲しさゆえの笑顔のようでもあった。ちなみに止まってるように見えて実は静止画じゃないギャグは、レスリー・ニールセンのドラマ『フライング・コップ』のエンドロールへのオマージュなのだろうか。気になる。

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

監督:クリストファー・マッカリー

今回、物語はちっとも進展せず。よくできた人間ドラマや物語を期待する人にとっては全く面白くないかもしれない。
どちらかといえばトム・ガニングの提唱した「アトラクションの映画」やバスター・キートンのような作品を思わせる、反・ナラティブ映画。
バイクシーンや列車シーンが描く上下運動と、トム走りが見せる水平運動。直線的だけでなく、カーチェイスの曲線的な運動まで。そうしたアクションの数々に知性が宿っていたと思う。物語はさっぱり動かないのに、肉体や機械が動き出せばとにかく面白い。

プレイリスト

ゆるふわギャングRalphの活躍に圧倒される7月。Watsonもすごいけど、Ralphも次のステップに進んだように感じる。
Paris Texasのアルバムもよかった。バンド・Travisは曲調からヴィム・ヴェンダースを好きそうだなと思うのだが、Paris Texasはあの映画からそのネーミングを取ったのだろうか? イマイチ楽曲と映画が結びつかないので不思議なグループだ。

仕事

南波克行さん トム・クルーズについての取材記事 - NiEW

取材執筆:隈元博樹さん

バイク川崎バイク インタビュー記事 -まいにちdoda

取材執筆:小林千絵さん 撮影:前田立さん


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