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『快適なジョグ』が一番大事な理由

こんにちわ、管理人ごせんです
私はtwitterなどで
【5000mの練習で一番大事な練習は「快適なジョグ」である】
と発信しています

もちろん、これは私の考え・ごせんシステムのなかの考えであり
世間一般的な中長距離の練習ではそうではない場合もあります

0 快適なジョグの定義

 
まずはじめに注意事項ですが「快適なジョグ」とは、友達や仲間と楽しくジョグをすることや、単にゆっくりのんびりと休養的・趣味的に走ることではありません

「身体の内側を感じながらも周囲もきちんと見えている、気持ちやフォームを整え淡々と集中力をもって適切なペースで走るジョグ」
「実感として快適だと感じるジョグ」
細かく考えなくてもよいのですが上記のようなものと考えてください

また適切なペースについては私の他の記事を参照してください
(友達や仲間と楽しくジョグをすることや、単にゆっくりのんびりと休養的・趣味的に走ることも
陸上競技・ランニングを楽しむ上では大切です)

では本題に入っていきましょう!!

1 能力発揮のふたつの方向性


5000mのレースを走る際、どのように能力を発揮するか?について選手は以下ふたつの方向性のうち必ずどちらかをメインの方向性として選ぶことになります

ひとつは
「苦しみに耐えつつ、スピード・スタミナ等の鍛えた能力を限界まで絞り出す」方向性

ふたつめは
「スピード・スタミナ等を内包しつつ、力みなく快適な感覚で走り抜ける」方向性
このどちらかです

このふたつはアナログ的なもので、必ずどちらかの100%に偏るということはありません
ひとつめ80%+ふたつめ20%みたいに割合の問題になってきます

A ひとつめ95%+ふたつめ5%の走り
これですと相当にきつい走りになりますし

B ひとつめ25%+ふたつめ75%の走り
これなら、かなり良い感触のレースになると思います

おそらく長年競技に取り組み走っていらっしゃる方でしたら
程度の差はあれAとBのどちらの方向性も経験したことがあるのではないでしょうか?
そしてBの走りを再現したい!あの走りをもう一度味わいたい!
そう願っているはずです

2 「方向性の違い」は何の違いからうまれるのか?


では、なぜこの方向性の違いが生まれてくるのでしょうか?
(コンディショニングに成功したという場合もあると思いますが、コンデションの良し悪しに答えを求めることは今回は考えから外します)

この答えは明確で
「5000mレースを走るとは?」
をどう捉えて
「どのような練習をすればレースで結果を残せるか?」
と考え
「実際にどのような練習をするか?」
で決定されます

価値観や身体的認識力の違いです

つまり、ひとつめの方向性の選手は
5000mレースを苦しみに耐えるものと捉え
苦しみに耐えていく練習をすれば成果がでる」
そう考えて、その考えに沿って
「可能な限りスピードスタミナを鍛え」
「苦しみに耐えていく練習」をすることで
その選手にとっての5000mレースは
苦渋に満ちた、苦痛に耐えつつ鍛えた能力を発揮する場になるわけです

ふたつめの方向性の選手ですと
「5000mを走るとは、まずは快適に走ることが大事だ」と考え
「快適に速度をあげ、快適に速度を維持する方法・感覚をさぐり」身に着けていきます
その結果その選手にとっての5000mレースはそのような
5000mの距離を快適に走り抜ける能力を発揮する場になります


当然ですが、繰り返しになりますがどちらかに100%かたよることはありません
またこれも当然ですが、どちらの方向性においてもレースの成功と失敗があります

どちらが正しいとか誤りとかはありません
努力は必ず(振り返りを伴う場合に限って)意味があるものに出来るからです
ただ、陸上競技に35年たずさわった上での私が現在えらんでいる立場は、ふたつめの方向性になります

これが世界の頂点の努力の方向性でもありますし
健康、健全度合いが高いからです

3 5000mを走るとは、まずは快適に走ることが大事だ


私はふたつめの方向性を育てていくために
「5000mを走るとは、まずは快適に走ることが大事だ」
と、発信することに努めています

これは努力の方向性についての話ですので、
入門者から世界記録保持者まですべてのレベルの選手が自分で考えるべきことと思います
その自分で考えるべきことの手助けに私はそう言っているわけです

そして
「5000mを走るとは、まずは快適に走ることが大事だ」
こう考えてもらうことで
5000mの練習からレースまでを快適に走ることを第一とする、一貫した努力の方向性で歩んでもらえるものと思っています

その練習の第一歩が、努力の第一歩が、最初の第一歩が
「快適なジョグ」になる
のです
だから大事なのです

快適なジョグが、すべてのレースまでの練習の導線となるのです

4ー1 ではペース走やインターバルなどの高負荷練習(ポイント練習)の意味合いは?



では、ペース走とかインターバルは重要じゃないの?
快適なジョグだけで高水準の記録が出せるわけないじゃないか!
そう思われるでしょう

勿論その通りで「快適なジョグ」だけで高水準の記録は絶対に出せません

では、以下のように考えてみてください
(以下文章中の「ジョグ」は「快適なジョグ」を意味します)

1 ジョグだけやってレースに出る
2 ジョグに加えて流し(短い距離のダッシュ)をやってレースに出る
レースで良いタイムで走れそうなのは当然2です

1 ジョグと流しの練習でレースに出る
2 ジョグと1000m×1の練習でレースに出る
レースで良いタイムで走れそうなのはこれも2

1 ジョグ+1000m×1の練習メインでレースに出る
2 ジョグの日とは別の日に1000m×5の練習をやってレースに出る
2のほうが絶対に良いタイムが出ます

1 ジョグと1000m×5の練習メインでレースに出る
2 ジョグと1000m×5と8000mペース走の練習でレースに出る
おそらく2のほうが安定して良い成績を残しそうですね

では見出し「4ー1 ではペース走やインターバルなどの高負荷練習(ポイント練習)の意味合い」これを文章で表しますと
ペース走やインターバルは「快適なジョグに必要なスピードやスタミナを入れていくもの」であると考えています

ペース走やインターバルは俗にいう一般的にいうとメインの練習、強くなる為の練習でしょう、しかし

私はペース走やインターバルは「快適なジョグ」をレース仕様にしていくためのひとつの刺激であり手段であると考えます

そう考えるとペース走やインターバルに必要以上な期待値をもつことが減りますし、必要以上にペース走やインターバルを頑張ることがなくなります

これが練習を継続していく中で、どのような意味どのような結果をもたらすか?
じっくり想像していただきたいものです

4-2 ペース走やインターバルの高負荷練習(ポイント練習)を結果を出すためのメインの練習方法と捉えると



ではペース走やインターバルを、結果を出すためのメインとなる練習と捉えるとどうなるのでしょうか?

答えは簡単で、冒頭で解説しました ひとつめの努力の方向性である
「苦しみに耐えつつ、スピード・スタミナ等の鍛えた能力を限界まで絞り出す」方向性におちいります

頑張るとは、努力するとは「苦しみに耐えつつ、スピード・スタミナ等の鍛えた能力を限界まで絞り出す」という思考になってしまうのです

一応念のためですが
・苦しみに耐えること
・限界まで能力を絞り出すこと
これらは必要です、不必要ではありません
割合はかなり低いですが必要です

しかし、これが考えの全て、方向性のすべて、価値観のすべてを占領してはいけないのです

5 まとめ


いかがでしょうか?
快適なジョグが一番大事な練習である理由を書いてきました

1 努力の方向性はふたつあるうちの「力みなく快適な感覚で走り抜ける」方向性を選んでほしい

2 快適なジョグがその方向性のはじめの一歩であり基礎である

3 快適なジョグに高負荷練習(ポイント練習)を用いてレースに必要な能力を入れていく

このようになります


練習の内容の8~9割を占めるのはジョグです
その意味をよく考えてみましょう

高負荷練習(ポイント練習)とジョグのコペルニクス的転回
これこそが古い昭和の練習とは正反対の新しい5000mの練習方法です


今回はここまでです
お付き合いいただきありがとうございました

6 牛山純一様に感謝


また、今回の記事を作成するにあたり
バラバラであった考えがひとつにまとまることができたのは
長野の強者市民ランナー牛山純一さん
牛山純一 / USHIYAMA Junichi(@jun1ushiyama)さん / Twitter(クリックするとリンクします)
のnote記事「ジョグの捉えかた」です


ジョグの捉え方|牛山純一|note(クリックするとリンクします)
お礼を申し上げますとともに、今後の活躍を期待しております













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