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《書評》生き残った子だけが大人になる。

こんにちは。
ずっと書きたかった、桜庭一樹著『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の書評を。

ですが、まずはお詫びから、、、
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の著者、桜庭一樹さんを男性だと思ってました
申し訳ございません。

ポップなお詫びから入りましたが、この小説はぜんぜんポップではありません。
悲しい小説でした。

幸いにも自分は、比較的不幸な目に遭うことなく生きてこれたのですが、世の中では毎日のように小さい命が亡くなっています。
この小説では、藻屑(もくず)という女子中学生が、父親の手でバラバラにされ、山奥に埋められるということが前提となっています。
タイトルにつけた「生き残った子だけが大人になる。」という一文は、いま自分が生きていることが当たり前じゃないんだと、改めて考えさせられるきっかけになりました。

他にも、印象に残っている文章がありますので、紹介させていただきます。
読了から時間があいてしまったので、こういった形式で申し訳ないですが、一読いただけますと幸いです。
ネタバレではないですが、気にされる方は、今度お読みいただけると嬉しいです。

暴力にいつか終わりがあることを藻屑は知っている。そして終わらなければ死ぬだけだと達観 ー いや、あきらめているんだ。

桜庭一樹著『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』

あたし自身のありきたりな不幸と藻屑の藻屑らしい非凡な不幸には一つの共通点があった。あたしたちは十三歳で、あたしたちは未成年で、あたしたちは義務教育を受けてる中学生。あたしたちはまだ、自分で運命を切り開く力はなかった。親の庇護の元で育たなければならないし、子供は親を選べないのだ。

桜庭一樹著『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』

暴力にいつか終わりがある ー そんなこと、考えたことありませんでした。
でもこの一文、「止まない雨はない」のような前向きな言葉ではありません。
「雨が降るから虹がかかる」なんてことはなく、藻屑には、明日も明後日も雨は降るのです。

悩める二十代に向けての一冊ということで、noteを投稿したことがありましたが、二十代でも簡単に受け止められる内容じゃありません。
ですが、二十代は自分で運命を切り開けます。

いま自分は、仕事のことで悩んでます。
不平不満を言うのは簡単です。
ですけど、現状を打破できるのは、自分しかいません。

悲しい小説だと言いましたが、勇気をもらえる小説とも言えると思います。
ぜひ読んでみてください。


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