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わたしの驕りと渇望がダメな男を引き寄せる/付き合う人の選び方について

残り10

わたしがこの人生でずっと喉から手が出るほど欲しかったもの。それは「対話」

誰かと言葉を使って想いを伝え合える。わたしの使う言葉がわたしの意図通りに伝わる。心の機微を理解し合える。意見が相違したときは、お互いに違いを受け入れたうえで建設的な話し合いができる。そんな関係をずっと求めてきた。
それはもう「渇望」といえるほどに。

わたしは幼少期からずっと家族とのコミュニケーションに問題を抱えてきた。


結婚した夫も実母もコミュニケーションの障害を抱えていた。(ちなみに義母も、実祖母も。話しが通じない人に囲まれてた。ギャー!)
言葉がなぜだかこちらの意図通りに伝わらない。話し合いができない。思いもよらぬ冷たい言葉が返ってくる。
心を抉られることが日常茶飯事で、母や夫の言葉で心が抉られていると気づくのに40年くらいかかった。それくらいわたしにとってはそれがあたりまえの環境だった。言葉が通じなくて、心も通じなくて、思いもよらない冷たい言葉を投げかけられることが。


そんなわたしの長年の渇望をうめてくれたのがオカルトヒーラーだった。
オカルトヒーラーとは不思議なことに驚くほど言葉が通じた。わたしの意図する意味でわたしの言葉を的確に理解してくれる人だった。(理解してくれているフリをしてくれるだけだったのかもしれないけど)

辿ってきた人生が似ていたのか?前世でも関係が深かったのか、はたまたわたしを操るために演じていただけなのか。理由はもちろんわからないけど、まるで生き別れたきょうだいに再会したくらいの親近感と感動があった。(ジジイだけど)



夫が突然亡くなってから、わたしはほとんどの人と話せなくなってしまった。あまりにも傷つきすぎていて無神経な人、鈍感な人と会話ができなくなった。これ以上心を抉られることに耐えるだけの体力がなかった。人間関係を狭めれば狭めるほど、傷つくことは減ったけど、逆に渇望は強くなっていった。

わたしの話を聴いてほしい。さらにそれをわたしと同じ深度で理解してほしい。そのうえでわたしを認めて、わたしの価値に気付いてほしい。その頃はスピリチュアルにどハマりしていたので、そういった精神世界の話し分かってくれる人がいい。そんな人をわたしは心の底から求めていた。わたしは飢えていた。

そのすべてをオカルトヒーラーは満たしてくれた。わたしの言葉を理解し、悲しみに寄り添い、わたしの苦労をねぎらい、精神世界について教えてくれて、わたしの使命についてささやいた。この経験はギフトで、あなたは選ばれた存在なのだと。

わたしの孤独で乾いた心に水を注いでくれた。

けっきょくオカルトヒーラーには別の目的があって、わたしはまんまと騙されてしまったのだけど。


騙されてはじめてわかったことがある。

それはわたしの
驕りと渇望の危うさ

「わたしの苦しみは誰にも理解できない」という驕りと「誰かとわかり合いたい、繋がりたい、一つになりたい」という渇望がわたしを暗くて湿った場所に誘った。

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うれしくて涙がでるよ