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1ヶ月の日本滞在を経て、ノルウェーをより好きになった話

先日1ヶ月間、日本に一時帰国しました。家族や友人に会い、温泉で久々の湯船を堪能し、美味しいものに舌鼓を打ち、素晴らしい時間でした。
一方で、以前は気にならなかった日本のネガティブな一面が見えたのも事実。その結果、ノルウェーの暮らしをより好きになりました。

ちなみに、日本のモノに関するお話はこちら↓

子供に厳しい国、日本

首都圏のみの滞在なので、日本とくくるのは適切でないかもしれませんが、改めて、子育てがしにくそうだなぁと感じた今回の滞在。

まずは保育園問題。働きたい女性にとって、保育園に預けられず仕事復帰ができないことは、冗談抜きで、その人の人生を左右する事象だと思います。ノルウェーでは子供が一定年齢に達せば、必ず保育園の枠は用意されます。保育料は発生しますが、ノルウェーの物価から考えるとそれ程高額ではありません。保育料の半分弱をカバーするくらいの子ども手当も毎月支給されます。保育料も、子供手当も、親の収入による差はありません。

ある日本の友人は、4月から仕事復帰をしたいけれど、保育園に落ちて、復帰の目処が立っていないと言っていました。改善されつつあるとはいえ、未だになくならない待機児童問題。日本では共働きが当然のように保育園も優先されますが、本来であれば仕事の有無を問わず、親がどんな状況であれ、保育園に預ける機会があるべきです。

また、日本の滞在中気になったのは、電車やバスに子連れで乗車することの難しさ。朝夕のラッシュ時はもちろんのこと、日中でも混雑している電車に子供を連れて(特にストローラーと一緒に)乗車することは困難だと感じました。
でもなぜ、ストローラーでラッシュ時の電車に乗れないのでしょう。
なぜ、その電車に乗車しているみなさんの、将来の年金の原資となる税金を納める子供を育てている私が、堂々と電車に乗れないのでしょう。

縦横無尽にストローラーのまま電車やバスに乗っることが可能で、抱っこ紐とは無縁なオスロとは、雲泥の差です。

その他にも、エレベーターがない駅や、車内でぐずった子供への冷たい視線、ストローラーが通れないような幅の改札と、公共交通機関の不便さは計り知れません。

抱っこ紐を利用する事で、多少は解決する部分もあるはずですが、混雑する駅中や電車内で、足元の見えない抱っこ紐は、安全性に疑問を感じます。
どの街に住んでも、こういった不便さがつきまとうのか・・・と思うと、日本で子育てをする自信がなくなりました。

あとは、どこでも授乳できる環境に慣れた今、外出時に授乳室を探す手間もいちいち面倒でした。
文化の範疇なので仕方ないですが、、、。

全く前を見て歩かない人たち

日本でびっくりしたことの一つに、道行く人が全員スマホ片手に下を向いて歩いていたことがあります。今回ストローラーを押しながら歩くことが多かったので、直前になっても顔を上げない人に、何度ぶつかりそうになったことか。

日本に住んでいた頃は、気になったことはありませんでした。きっと私自身もスマホを見ながら下を向いていた1人だったのだと思います。

スマホを見ながら歩くことが悪だとは思いません。仕事で忙しい人もいるでしょう。
けれども、みんなが揃ってスマホを見ながら歩く光景は異様でした。
良い、悪い、とかではなく、単純に異様。

ノルウェーでは、自然がすぐ近くにあるので、木々や花々を愛でながら歩くことが容易い国です。今の時期は大抵雪に覆われていますが、雪化粧された街並みもとても綺麗です。

また、冬は朝焼けや夕日に照らされたの空の美しいこと。ゆっくりと空を見上げたくなるほど、本当に美しい色の日があります。よく、自然界でこんな色が出せるな、、、と驚嘆するような色です。

自然が美しいから、下を向いて歩く人が少ない、というのは少し違うと思いますが、なぜみんな前を向いて歩かないのか、本当に理由が気になります。

兎にも角にも、人が多すぎる

日本という国を否定したいわけではないのですが、やはり人口が多すぎるのだと思います。公共交通機関も、利用する人が多いから子連れ乗車が厳しくなるわけです。あんなに混雑した電車に日常的に乗っていたら、他人に対する心の余裕もなくなって当然だと思います。

オスロに戻り街中を歩いて、自分の半径1〜2メートルに人が誰も入って来ない人流の少なさにホッとしました。
市内中心部のカール・ヨハン通りや、王宮公園でさえ、独り占めしているような錯覚を覚えるほど、人が少ない時があります。

人口なんてどうしようもないですが、、、ね。

文句を言っても仕方ないので、いかに日本で快適に過ごすか、考えなければならない

たった1年半のオスロ滞在で、のんびりした生活に慣れきってしまった私も、遅くとも数年後には東京に戻って暮らす予定です。
いっそのこと、ノルウェーに定住する、という選択もなくもないですが。

東京でも、いかにオスロと同じように心に余裕を持って生活するか。
差し当たって、居住環境に関して夫と同意しているのは、
・子育てに力を入れているエリア(保育園に必ず入れる!)
・自然の多い街
・ある程度広い家(おそらくこれが最難関・・・)
に住む、といったところ。

1ヶ月間の滞在中、首都圏の色々なエリアに行きましたが、ほんっっとうにどこも人が多くてびっくりしました。
家に関しても、東京から1時間離れたくらいでは、理想の物件など全く見つからないという悲劇。

緑の少ない都心の狭小住宅であっても、快適に暮らすことはできると思います。実際、そういったエリアに住んでいた時はとても便利でした。
けれども今、ここまで価値観が変化すると、そういった地域にさほど魅力を感じません。

人が少なく、自然が身近で、子供に優しい、程よく田舎な場所。こちらで気に入った北欧家具を持ち帰り、オスロのようにゆっくりと、家族との時間を作れる家に住みたい。

これから帰国までの間に、今後どんな暮らし方をしたいか、そしてどの地域ならそれが可能なのか、更に理想を詰めていきたいと思います。


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