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駅のホームで踊るおじさんを見た話。【雑記】

朝8時ごろ、関西のとある駅におじさんは現れる。決まって前から2両目のホームでおじさんは電車を待つ。通勤ラッシュで混雑するその時間、おじさんの後ろにはほとんど人が並ばない。

何故なら、おじさんは踊っているから。迷惑をかけないように小さく、でも明らかに踊り慣れている雰囲気を漂わせながら。奇異の目にさらされながらもおじさんは踊り続ける。

おじさんの見た目は、はっきり言ってさえない。ボサボサの髪に、くたびれたスーツ。足元は革靴ではなく運動靴を履いている。踊るためにわざわざ運動靴を選んでいるのかもしれない。

多くの人がおじさんを悲しい目で見る。中には、侮蔑のまなざしを向ける人すらいる。それでも、おじさんは踊り続ける。振付を思い出すように、一つ一つの動作を確認するように。真剣さと楽しさが共存する何とも言えない表情で。

彼はただの変人か、それとも確固たる楽しさを内包した賢人か。

彼はおそらく明日も踊るだろう。次の日も、その次の日も。踊らない日ない。

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